旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ワイフの誕生を「サバティーニ」で祝う

2012-09-29 20:41:44 | 時局雑感

 

 今日はワイフの誕生日である。齢は言わない。とかく物議を醸すことが多いので、ワイフのことについてはブログでは書かないことにしているが、まあ誕生祝のことぐらいはいいであろう。

 娘からもワイフからも「何か美味しいものを食べたい」とかねてから要求されていたが、さて、何が美味しいのか? どこで食べれば美味しいと思うのか? など思い続けていた。そして選んだのが『サバティーニ』であった。同僚のM君が同店の経営者と親しいことから予約をしてもらった。
 サバティーニの正確な店名は『サバティーニ・ディ・フィレンツェ』、つまり、イタリアのフィレンツェに本店のあるイタリア料理の名店である。銀座のソニービルの7階にある。
 昨夜、つまりワイフの誕生日の前日であるが、その店に出向いて優雅なディナーを味わった。

 前菜、パスタ、メインディッシュ、…チーズとお茶(私はワイン)、そしてデザート…という約3時間のディナーは、味はもちろん、その間合いといいウェイターのサービスといい、文句のつけようのない時間であった。その間私は、最初のスプマンテ(発泡酒)に始まり白ワイン2種、赤ワイン2種、最後のデザートの時はグラッパという具合に、イタリアの酒を飲みつないだ。

 
  グラッパだけでもこれだけのものが並んだ。

 しかも、紹介者のM君がワイフの誕生会であることを伝えてあったので、最後のデザートの時には、「Happy Birthday」と表示されたケーキが運ばれてくるというサプライズもあり、ワイフも大喜びであった。
     
  サプライズでケーキのプレゼント

 娘は、オペラ創作に取り組み根っからのイタリアファン…、私は3回、ワイフも1回イタリアに行っているが、「いつの日か3人でパルマ(パヴァロッティの生まれた町)に行こう!」と大いに盛り上がった。(生ハムのおいしさに、娘はパルマを思い出したらしい)
 たまには贅沢もいいものだと思った。

   
 
 英会話に励むワイフには「電子辞書」をプレゼント


歌いつがれた日本の心・美しい言葉⑫ ・・・ 『小さい秋みつけた』 

2012-09-26 16:21:54 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

  誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが みつけた
  ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 見つけた
  めかくし鬼さん 手のなる方へ
  すましたお耳に かすかにしみた
  呼んでる口笛 もずの声
  ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた

 こんな不思議な歌はない、といつも思う。今頃の季節になると必ず思い出して、正確な意味を探ろうとするが、いつもよく分からないまま過ごす。
 第一に、小さい秋とはどんな秋だろう。別に大きい秋があってそれと比べて言っているのだろうかと思ったりするが、そんなことではないらしい。今頃の季節になると思いだす、と書いたように私には「小さい秋」は初秋に思える。初めて秋が来たんだなあと実感する最初の瞬間のような気がする。しかし、三番の歌詞に「はぜの葉赤くて入日色」とあるので、晩秋なのかとも思う。
 私が思うように初秋とか晩秋とか時節によるものではなく、小さい秋というのは作者サトウハチロー特有の感性がとらえた秋なのだろう。

 もう一つ「誰かさん」とは誰だろう、といつも思う。作者自身ではないかという説もあるが、普通にとらえれば誰かさんなんだから本人ではないのではないかと聞こえる。自分では定かにとらえきれなかった「何か特別な秋」を誰かさんが見つけてくれた…、という感じもある。そしてその感じが「小さい」という言葉と響きあう。

 いずれにせよ「小さい秋」という言葉は日本的ではないか? 外国にこのような表現があるだろうか? 日本人特有の季節感がそこにはにじんでいる。サトウハチローは子供のころは不良少年で、警察や感化院などにお世話になりっぱなしであったといわれている。そのような様々な体験を通して培った常人にない感性がとらえた感覚であろう。
 それに中田喜直が、何とも切ないさびしげな曲をつけた。サトウハチローは中田喜直を心から信頼し、自分の詩のほとんどを中田に作曲させたといわれており、二人だけに通い合う絶妙な詩情がこの名曲を作り上げたのだろう。

     


日馬富士の快挙(二場所連続全勝優勝)を称える

2012-09-24 10:18:41 | スポーツ

 

 新横綱の誕生が期待されて久しい。白鵬が横綱になったのが平成7年というから既に5年前になる。ところが6人もいる大関陣が何か不甲斐なく、毎場所物足りない雰囲気で場所を終えてきた。
  その中で、誰が横綱になるかは絶えず求められてきたことであるが、終わってしまえば「やはりこの人だったのだ」と納得せざるを得ない。日馬富士が3回目の挑戦で、ついにその栄誉を勝ち得た。

 12年前に来日したときは体が小さく、ただ運動神経の優れていることを見込まれて採用されたらしいが、このところ期するところあったのか体を作り直し、体重も増えて(前場所比5キロ増えて133キロ)、天分の技術に力強さが加わった。このひたむきな精進がこの度の栄誉を生んだのだろう。

 それにしても昨日の白鵬戦は素晴らしかった。正に双方とも死力を尽くしたというのはこのようなことだろう。白鵬も、三場所連続して賜杯を手放すことはできないという横綱の意地にかけて全力を出し切ったようだ。特に場所後半からの迫力ある取り口の集大成のような相撲であった。しかしそれをわずかに上回ったのが日馬富士の意欲、体力、技術を合わせた総合力だったのだろう。
 「全身全霊、全ての力を振り絞って闘いました」という言葉が、これほど真実味を帯びて聞こえたことはない。またインタービューで、「このような体と力を与えてくれた先祖、両親に感謝する」としたうえで、「今後も感動、勇気、希望を与えるような相撲を目指す」と答えたが、あれだけの相撲の後だけに浮ついた響きはどこにも無かった。

 内閣総理大臣賞を手渡すために自ら参上した野田佳彦首相が、「久しぶりに力のみなぎった相撲を見た。鳥肌が立つような感動を覚えた」と表彰状の言葉を結んだが、これは全国民に共通する祝意であっただろう。

           


尾瀬桧枝岐(ひのえまた)村の旅

2012-09-23 13:21:06 | 

 

 10月のメイン行事は、尾瀬桧枝岐村への旅である。ようやくその行程を聞き出した。
 私は尾瀬は初めてだ。最初「尾瀬に行こう」と誘われた時は、当然のことながら「尾瀬ヶ原」とか「尾瀬沼」を想定した。ところが今回行く場所はその裏側に当たる一帯ということだ。同行させてもらう「頂会」という調布山の会の人たちは、尾瀬には何回も行っており、一般的なルートは既に卒業しているということらしい。私にとってはどうせ初めてなので、裏だろうが表だろうが同じことであるが、まあ、プロの人たちの楽しみ方を味あわせていただこう。

 その行程は以下の通り。
 (初日)
 6時30分に調布を出発。バスで一路北に向かい、那須、鬼怒川を抜けて福島県は南会津村に入る。そこから帝釈山(2059m?)に登る。もちろん私は登らない。バスで待つことにしているが、それもつまらないので、近くの温泉にでも浸かるつもりだ。山から下りて「尾瀬桧枝岐温泉郷」の一角の民宿に向かいそこで一泊
(二日目)
 バスで「山の駅御池」まで行き、そこから「燧(ひうち)裏林道」の木道を歩く。つまり群馬県側の「尾瀬ヶ原」などから見れば、「燧ヶ岳」の裏側(福島県側)に当たるようだ。私にとってはこの木道歩きが今回の旅のメインであるが、これとて数時間を要するようであるから、全部歩けるかどうかはわからない。途中で休んでみんなの引き返してくるのを待つことになるかもしれない。
 この木道歩きを終えて宿に帰り、そこで一風呂浴びて一路帰京。帰りのバスではどうせ大宴会であろうから、その酒をどこで仕入れようかなど考えている。会津にはいい酒がたくさんあるので…。


 「山にも登らない人間が山の会の山行に参加していいのか?」という大問題があるが、このきっかけは、同メンバーと8月に秋田西馬音内盆踊りの旅に参加した時に「次の尾瀬にも是非!」としきりに誘われたので、その責任は誘った方にあると思っている。
 どんな旅になるか楽しみにしている。

     


ようやく来てくれた秋

2012-09-21 15:25:54 | 時局雑感

 

 「秋はいつ来るのだろうか」という題で投稿したのは8月29日のことであった。読み返すと、立秋から20日も経つのに未だ秋は来ない、と嘆いている。ところがそれから、なお20日以上秋は来なかった。
 以降ずっと夏日が続き、最高気温が30度を割り、最低気温が25度を割ったのは、ここ2,3日のことである。異常気象と呼んではいるが、毎年この傾向を強めるとすれば、暦を作り替えなければならないのではないか?

 幸か不幸か、9月はほとんど行事を組んでいなかった。何処にも出かけなかったし、人と会う会合もなかった (いくつかあったが参加しなかった)。この暑さの中では何もしないでよかったと思っている。まだあと10日あるが。
 反面、10月はかなり日程が詰まっている。
 先ず3日(水)はオランダ大使館の「ヘリング・パーティ」に参加の予定。スペインとの長期戦争を勝ち抜いたライデン市解放の日を祝って、ヘリング(にしん)とヒュッツポット(野菜のシチュー)でジェネーヴァ(オランダの蒸留酒)を飲むのを楽しみにしている。
 次いで7日は純米酒フェスティバルだ。すでに26回目を迎えるこの会も、何としても成功さねばならない。昼の部と午後の部、合計1200人の会はそれなりに大変であるが。
 中旬の17、18日は尾瀬に行く。尾瀬といっても尾瀬沼や尾瀬ヶ原ではなく、裏側の桧枝岐温泉の方である。私は山には登らず、木道を少々歩いて温泉を楽しむつもりでいるが、それにしても足腰が気になり、少しづつ家の周囲を歩いてトレーニングを始めている。
 続いて19日は鎌倉から三浦半島を逍遥する会(むつみ会)に参加する。鎌倉の浄楽寺が特別拝観日なので、運慶の阿弥陀三尊・不動明王などを拝観し、そのあと三崎港で食材を買い遊覧船に乗り、最後はみんなで会食をしようというわけ。最後の食事で一杯飲むのが大方の狙いであるが、そのためには運慶とか三崎港とかお膳立ても必要なのである。

 もうあの夏がぶり返してくることもなかろうから、やっと来てくれた秋を楽しむことにしよう。


領土問題をめぐる争い、特に破壊・略奪行為を憂う

2012-09-19 15:11:09 | 政治経済

 

 領土問題、特に尖閣諸島の領有権をめぐる日中の争いが、容易ならざる方向に発展しつつある。双方には歴史的経緯を経てそれぞれの言い分があろう。双方が「固有の領土」と主張するところから領土問題は発生するが、尖閣諸島については、途中の第二大戦後の処理も含めて、日本がその領土として実効支配し、かつ日本人の個人が所有地として所有してきたこともあり、一世紀を越えてあまり問題にもならなかった。
 ところが70年代ごろから海底資源が注目されるようになり、急に中国側が「固有の領土」を主張し始めた。先方はもっと昔から主張していたというのだろうが、過去一世紀にわたり問題とならなかった領土をどこまでさかのぼって「固有の領土」と主張するのだろうか?
 固有の領土などというものは遡りかかればきりがなく、どこかで線を引いて収めていくのが国際間の良識であろう。それを問題にするとすれば、、少なくとも冷静に、国のトップ機関で話し合うことから始めねばなるまい。

 ところが中国は、それを国民のいいなりに任せている。もちろん、国民が考えを表現することは止めることはできない。しかしそれが暴力沙汰に及び、日本の施設の破壊、略奪に及ぶのを放置する政府は、一国の統治機関の体をなしているといえるのだろうか?
 私は、中国民族についてはその長い歴史を生き抜いてきた実績、育て上げた多くの文化、特に日本が長きにわたって吸収してきた文化の数々からしても、一定の尊敬の念を持ってきた。ところが今回の姿を見て、とても尊敬出来るような民族ではないと思った。中国国民の品性はあんなものであったのか? 中国という国家の品位は地に落ちたのではないか。破壊も悪いが略奪に至っては海賊、泥棒の水準で、とても近代国家として話し合いの出来る相手ではない。
 
 逆の場合、日本人はあのような低劣な行為に及ぶだろうか? 竹島や北方領土で相手国の大統領が踏み込んだりしたが、韓国商品を略奪したり、ロシア人の店を破壊したりした話はない。
 つい半世紀前、軍国主義に踊らされてアジア諸国に攻め込んだり、また今も「橋下維新の会」の熱狂政治に多くが引き込まれそうになっているので自信はないが、高度経済成長と平和主義、民主主義の確立をもって第二次大戦の反省を乗り切った国民として、報道されている中国の若者の水準に落ちることはないと信じている。
 重要なことは、いざというときに国民の品格、国の品位を保つことが出来るかどうか、ということであろう。


77歳の敬老の日を想う

2012-09-17 18:25:05 | 時局雑感

 

 今日は敬老の日ということであるが、一体どのような人たちが祝われているのだろうか? 日本最高齢の115歳の老人が祝意を受けているシーンがテレビに流れていたが、この人はギネスブックにも載っているというし、矍鑠(かくしゃく)として「サンキュー・べりー・マッチ」とか言っていたので、これは祝われる値打ちがあるだろう。
 総務省の人口推計によると、高齢者人口とされる65歳以上の人口が3000万人を超え、総人口の24.1%となったと報じられているので、4人に一人ともなる高齢者を一々祝ってはいられないだろう。もちろん大多数は祝ってくれなど思ってもいないだろう。私も77歳だが老人とは言われたくもなく、事実、ワイフからも子供からも敬老の日のケの字も出なかった。
 まあ、80歳を越えなければ敬老の日の対象になるのは無理ではないか? よく働き、日本の発展に寄与した、という点では団塊の世代を含めた65歳以上も褒められてよいのであろうが。

 スポーツ界でも「高齢者」が頑張っている。先日も書いた金本選手(阪神)は44歳であるが、つい先ごろまで阪神のクリーンナップを務めていた。引退を声明して、最早これ以上の記録更新は無理かと悔やんでいたところ、昨日の対巨人最終戦でツーラン・ホムランを打って、歴代本塁打数475とし田淵を抜いて単独10位に上がった。あと2打点で歴代打点数であの長嶋に追いつくのだが、これもできるかもしれない。
 38歳の旭天鵬が今日まで負けなしの9連勝。先場所上位陣には通じず13連敗などしたが、下位に下がるとお山の大将で、若い連中を次々と投げ飛ばす…。9連勝はこの他に白鵬と日馬富士だけとなり、日馬富士の綱とりが現実味を帯びてきた。この横綱と横綱候補に絡んで、旭天鵬が高齢者の値打ちを高めてくれることを期待してやまない。


秋田羽後町の新そばに舌鼓

2012-09-16 17:07:34 | 時局雑感

 

 昨日午後、クール宅急便が届いたので開けてみると、秋田羽後町西馬音内のそば屋『彦三』さんからの届け物。送付状の品名には「新そばです」とある。それにしても重いなあ、と思いながら開いてみると、大きなペットポトルにたっぷりの「そばつゆ」も添えられて、打ったばかりの模様の蕎麦が詰まっている。
 添え状を見ると賞味期限2日とあるので、さっそく夕食で食べるかと思ったのであるが、ワイフは既に夕食の用意は終えているという。量的にも家族4人だけでは食べきれないほどある。これは一つ、先だって西馬音内を訪ねた連中を誘って“彦三の思い出”を語りながら食べようと電話すると、まず義兄が「明日はそちらに行く予定であった。ぜひともそばの昼飯に参加したい]という。これこれ、というわけで、本日の「そば昼食パーティ」と相成った。

 ところが昨夜、8時を回ったころ『彦三』の店主から電話があった。受話器の第一声は、「そばを送ったが食べたか」ということであった。「いや、かくかく云々で、先日お邪魔した連中も呼んで明日の昼飯でいただく」と答えると、「やっぱりそうか…、早く電話するんだった。今日食べてほしかった」と叱られた。
 やっぱりそうだったか…、と悔やんだが後の祭り。店主猪岡さんは先述した(8月25日付け本稿)通り蕎麦つくりのプロである。鮮度の落ちない一番おいしい時に食べてほしかったというプロの誇りに満ちた悔しそうな電話であった。「しかし、首藤さんが仲間と一緒に食べたいという思いやりも分かるので、それはそれでうれしいです」と最後は慰めてくれたが。

 ところが、今日、みんな集まって食べた「彦三そば」の美味しかったこと! みんな、「やっぱりちがうなあ」と大喜びで食べてくれた。さっそく電話して次々とお礼を述べた。私も、「お世辞抜きで美味しかった! ところで昨日食べていたら、どれほど美味しかったのだろう? これ以上の美味しさは考えられないが…?」と告げたが、猪岡さんはそれには答えなかった。
 昨日食べたら、本当にこれ以上に美味しかったのだろうか?

   
 
              


金本選手(阪神)の引退を惜しみ、その功績を称える

2012-09-14 14:23:41 | スポーツ

 

 「真っ先にオーダー表に名前を書き込まれる選手でいたい」と言ってきた野球人が引退を表明した。もう監督が金本知憲という名前をオーダー表に書き込む日はなくなる。
 広島時代に、故障者続出に悩む監督が先発メンバーを決めかねている姿を見てきた金本は、頑丈な体を作り、それを保って、監督が迷わずオーダー表に書き込む選手になりたいと誓ってきたという。(9月13日付日経新聞スポーツ欄)

 私は毎朝新聞を開きスポーツ欄をめくる際、「カープは勝っているか」と、「金本は打っているか」を最初に確かめる。前者は、いくら負け続けてもカープファンから逃れられない悲しい性(さが)によるものだが、後者は、特にここ1,2年、金本という打者に注目し続けてきたからだ。
 彼は連続出場などの不抜の記録を持つが、打者としてもすごい記録を更新中だ。安打数(2532本)ではあと5本で歴代5位の福本に並び、打点(1517点)でもあと5打点であの長嶋に並ぶ(7位)。また本塁打(474本)では歴代10位で田淵と並んでおり、あと一本打てば田淵を抜いて歴代阪神選手の中で単独一位となる。私はこれらの記録は必ず達成されるものと信じて、毎日新聞を見るのを楽しみにしてきたのだ。

 ところが…。引退記者会見で「最も誇りに思う記録は」と聞かれた彼は、200安打や400本塁打などについては「(感慨は)はまったくない」とつれなく、“1002打席連続無併殺打”を挙げて熱っぽく語ったという。曰く
 「(打率が上がる)内野安打ならだれでも走るけど、併殺打は打率が下がる。そこで全力で走れば(打率は下がるが)併殺にならない。これはよく後輩に話している」(以上9月13日付毎日新聞スポーツ欄)

 いかなる時も全力プレーを貫く…。どの監督であっても、このような選手を真っ先に先発オーダーに書き込むだろう。2003年、星野監督は「お前の野球に取り組む姿勢を、阪神勢に見せてやってくれ」と口説いて彼を迎え入れたという。(前掲日経新聞) そしてその通り、彼の姿勢に学んだ阪神はその年18年ぶりに優勝、2年後も優勝して金本はMVPに輝いた。
 さすがに星野の目は高いが、それに応えた金本こそ常人とは言えない。


イギリス風のパブでリアル・エールを飲む

2012-09-13 10:43:59 | 

 

 わが社のある浜松町スクェアビルの裏側にパブが開店した。開店準備中からドアに書かれた「PUBLIC HOUSE」という看板が目につき、GUINNESS(ギネスビール)などの文字も並んでいるので、てっきりアイリッシュ・パブと思っていた。
 開店が日曜日だったのでその日は行けなかったが、三日後にさっそく訪問したが、アイリッシュではなくイングランドスタイルのなかなか落ち着いた雰囲気のパブであった。ちょっと狭いのが残念だが、場所代の高価さから言って仕方ないだろう。それでもカウンター席7,8席、4人掛け丸テーブル二つ、奥には10人ぐらいの個室もあるので立派なものだ。

 何よりも驚いたのは「リアル・エール」を飲ませることだ。もちろんイギリスのリアル・エールというわけにはいかないが、長野県佐久市の某ブリューワリーから毎朝樽で発送され、午後4時に店に持ち込まれ、5時の開店に間に合わせている。
 持ち込まれた樽は、(イギリスや、アイルランドのように)地下に据え付けるところまではいかないが、カウンターの下に置かれて、長いポンプで吸い上げられ瓶に注がれて客に供す。その名も「よなよなYona Yona」と言い、ポンプの前には写楽風錦絵が下がっている。ザ・日本のリアル・エールだ、というところだろう。
 隣には「ギネスGUINNESS」のポンプが並んでいる。キリンあたりが樽で輸入したものらしいが、こちらはもちろんリアル・エールというわけにはいかず、せいぜい「ケグビア(酵母などをろ過・殺菌したもの)」であろう。あちこちで飲む黒ビールだ。

 それにしても「Yona Yona」は美味しかった。香りも豊かで、何とも生きている酵母をそのまま飲んでいるという感じで、イギリス定番の「フィッシュ・アンド・チップス」などで立て続けに3杯飲んだ。
 いいパブができてこれからも楽しみだが、通いつめ、飲みすぎる危険も感じている。

 
   ギネスを注ぐマスター
         「よなよな」のポンプ

   
       


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