旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

自らをも問責した自民党の無節操 … 首相問責決議案の可決

2012-08-30 13:00:20 | 政治経済

 

 昨日、小野党7会派の提出した野田首相の問責決議案が参院で可決された。この案は、民主党はもちろん、それに同調した自民党と公明党をも糾弾する問責決議案であった。驚いたのは、それに「自らをも問責する」自民党が賛成して可決したことであった。

 私は民主党と野田首相は問責されてしかるべきと思っている。国民は「何とか自民政治を変えてほしい」と願って民主党を選んだ。ところが、公約にも掲げていなかった消費税増税を強引に持ち出し、こともあろうに自民党と一緒になって消費増税を進めているのであるから、それは十分に問責に値する。ところが、一緒になって増税を進めてきた自民党が、自分も非難されている7党の問責決議案に賛成したから、何が何だか分からなくなった。

 7党の案には問責理由として次のような文言が入っている。
 「最近の国会運営では民主党・自民党・公明党の3党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に法案を成立させるということが多数見受けられ、議会制民主主義が守られていない」
 「参院で審議を行うなか、社会保障部分や消費税の使い道等で3党合意は曖昧なものであることが明らかになった」

 これは明らかに、民主党だけでなく自民党をも糾弾している。これに賛成するということは、「ハイ、我々自民党は議会制民主主義は守っていません。それに3党合意なんて仰せのとおり曖昧なものでございます」と言っているようなものである。(事実は言っている通りであるが…。)
 この無節操ぶりにはあきれてものが言えない。野田を倒して早く政権を取りたいあまり、筋も道理も捨て、ミソもクソも一緒にして賛成したとすれば、とても政党の体をなしているとは言えない。国の内外に問題が山積しているこの時期に、権力欲しさに国民不在の政局だけを追っているような政党は、存在するだけでも害といえよう。


秋はいつ来るのだろうか?

2012-08-29 14:57:32 | 時局雑感

 

 猛烈な残暑が続いている。予報によれば今月いっぱい、最高気温が30度を、最低気温が25度を下回ることはないらしい。立秋を過ぎてすでに20日を越えるが、秋はまだ来そうにない。

 「歌いつがれた日本の心・美しい言葉」と題して懐かしい日本の歌を連載してきた。春の歌5曲、夏の歌5曲を書いてきたので、秋の歌を書きたいと思っている。しかしこの暑さではとてもその気になれない。通年なら、8月の下旬ともなれば朝晩は涼しくなり、雨戸を開き冷たい風を迎え入れるとスズムシやマツムシの鳴き声が一緒に入ってくる。「ああ、秋が来たんだ」と季節を実感する。そして「歌いつがれた秋の歌」の最初の一つを書くはずであるが、今年は未だ夏が続く…。

 そもそも虫の鳴き声も聞こえてこないようでは秋を実感することはできない。この暑さの中でも夜ともなれば虫は鳴いているのだろうか? 考えてみれば、今年はこれまで夜になっても雨戸をあけ放つことがない。熱帯夜を逃れるために窓を閉め切って一晩中冷房だ。鳴いているとしても虫の声が聞こえないはずだ。

 季節の歯車は狂ってしまったのだろうか? ただ、先日秋田に向かった早朝のバスから見上げた空には、確かに“秋の雲”が高く浮かんでいたのだが…。もっともそれは、東北に近づくにつれて夏の雲に代わり、秋田も西馬音内も東京と変わりなく暑かったが。

    
    8月17日早朝の関東の空(秋田行バスの中より)


秋田「文化の旅」まとめ … プロの技を追った三日間

2012-08-27 17:10:50 | 

 

 「秋田“文化の旅”」という副題を付けた西馬音内盆踊りの旅もようやく終わった。文化の旅と大上段に振りかぶっただけの内容はあったのか?

 先ず第一は何と言っても「伝統の盆踊り」を自ら踊り、本場の味を十分に味わったということだろう。いかなる能書きを聞こうとも、美しい写真や映画を見ようとも、現場に赴き、自ら参加することに勝るものはない。これこそ文化に触れる本髄といえるからだ。私は踊りこそしなかったが、衣裳を整え練習を重ね本場に出向いて踊った5人に心から敬意をささげた。

 それほどの事をするのだからその前後に、相応の“その地の文化”に触れたいというのがみんなの声であった。「文化に触れる」とはどういうことか? 結局は「その道のプロの技に触れること」だろう。それで、かなりの準備とお願いを重ねて計画を練った。
 すでに書いた第三日の、「酒造りの森谷杜氏」と「蕎麦作りの『彦三』猪岡店主」もそれである。
 それだけではない。二日目もすべて「プロの話」を追った。
 たざわ湖芸術村では、世界一となったビールを飲んだだけでなく、それを作る工場長の話を聞いた。地元のホップや麦芽、ドイツから取り寄せた酵母を地元で育て上げた苦労話を聞いた。ちょうどそこに『わらび座』の花形女優丸山有子さんが現れ、交流を深め写真も撮った。

  
    前列中央ポーズをとる丸山有子さん

 田沢湖では、湖畔の名店『たつこ茶屋』に立ち寄り名物の「やまめの塩焼き」と「味噌たんぽ」を食べたが、この店はクニマス探しに生涯をささげたクニマス漁師・三浦久兵衛さんの店。久兵衛さんは2006年84歳で亡くなったが、今はその孫娘さんがやっている。
 娘さんはヤマメを焼き、味噌たんぽを焼いてくれながら、「さかなくんが西湖でクニマスを見つけてくれた。祖父が生きていたらどんなに喜んだかわからない」としみじみ語った。そこには「あと4年生きていれば…」という無念さがみじみ、プロの血を引く人の風情が漂っていた。
   やまめの塩焼き
  
    中央が、三浦久兵衛さんの孫娘さん

 正味二泊二日の旅で、これだけそれぞれの道のプロに話を聞くというのは、そう簡単にできることではない、と自負している。


西馬音内の名店『彦三』の名物蕎麦で打ち上げ

2012-08-25 14:23:50 | 

 

 「西馬音内(にしもない)を訪ねて『彦三』のそばを食べないで帰るなんて考えられない!」と各方面に言われ続け、何とか夕食をとろうとしたが、なにせ目的は盆踊りを踊ることで、ゆっくり夕食の時間は取れない。結局最終日の昼食をかろうじて『彦三』に充てて思いを果たした。
 もちろんここは早くから予約をしないととても入れない。「表に看板もないが地元に根ざし愛される店」として名高いこの店は、店主の猪岡さんが自らそばを栽培し(羽後町蕎麦栽培研究会の会長)、美味しい、珍しい蕎麦食を食べさせてくれる。
 本来なら時間をかけて「そば懐石」に挑みたかったが、今日のうちに600キロ先の東京調布までバスで帰る身、「おすすめ彦三セット」で我慢する。しかし店主の計らいでそれに「そばの刺身」と「そばがき黒ゴマだれ」を加えてもらう。
 「そばサラダ」に始まるセットの中の「そばがき揚げ」とともに、この「刺身」と「ゴマだれ」は美味しかった。きちきちとした「そばの刺身」を食べながら誰かが「この刺身、どうやって作るんですか?」と尋ねると、「それは企業秘密」と一蹴された。当然のこと!
 
 美味しく珍しいそば料理を食べながら店主の話を聞く…、
 「…蕎麦は種をまいて実るまで60日かかる。春と夏、年2回栽培している。耕作放棄地を増やさないで、耕地を守っていくことと、グリーン・ツーリズムにつなげるのが夢…」
 「土産に2キロばかりそば身を差し上げるので、みんなで分けて家で育ててほしい。プランターで大して水もやらないで育つのでトライしてほしい」

 そして最後に「そばの蜂蜜」を一口ずつふるまってくれた。これはまた、強烈にそばの香りのする蜂蜜で驚いた。
 大サービスはこれにとどまらない。「みなさん、せっかく踊りに来てくれたんだから、本場の踊りをひとつ」と見事な男踊りを披露してくれた。『天の戸』の森谷杜氏に引き続き、まさにプロの世界を見せつけられる思いであった。

   


浅舞酒造(『天の戸』醸造元)訪問 … 森谷杜氏の案内に感動

2012-08-24 13:36:18 | 

 

 第三日は銘酒『天の戸』を醸す浅舞酒造を訪問。訪問といっても同蔵の森谷康市杜氏が西馬音内まで迎えに来てくれ、我ら一行のバスに乗り込んでくれて酒の話をしながら案内してくれたという実に贅沢な話。
 杜氏(とうじ)がまず案内したのは、横手盆地を見下ろす山の中腹…、そして語る。
 「私の一番好きな場所です。この山が崩れて、小山ひとつない平坦な横手盆地が生まれた。この山から流れ落ちる、また伏流水となって盆地の各所に沸く水が、稲を育て酒を生み、人々の生活を育む…」



 横手盆地と左先方に鳥海山(森谷氏撮影) 
  水を語る森谷杜氏

 その雄大な横手盆地を眺めながら、森谷氏が手提げの保冷庫から取り出したのは、9月1日発売予定という「亀の尾」という酒。「天の恵みに感謝して乾杯しましょう」という杜氏の音頭で全員で乾杯。酒のつまみも「豆腐のお菓子」を用意してくれてありました(涙、なみだ…)
   
    「天の恵みに感謝して」乾杯!  

 山を降りて案内してくれたのは酒米「亀の尾」と「美山錦」が穂揃いの時期を迎えた水田。
 それら周囲を取り巻く自然をたっぷり紹介してようやく蔵に案内してくれた。まず「湧水場」……、山に降った雨は伏流水となって、約20キロ近いここまで2か月をかけて流れ着き湧く、その水で酒を醸す、と杜氏は語る。

     
           蔵の湧水

 蔵の中を案内していただいた後、奥様と二人で作ってくれた10種類近い惣菜でいろんな酒を利き酒させていただいた。美味しかったなあ! 贅沢すぎる酒蔵訪問でした。

   


角館、たざわ湖芸術村、田沢湖……

2012-08-22 13:52:39 | 

 

 西馬音内盆踊りを踊り宿に帰り、夜中まで懇親会をやって翌二日目。まず角館を訪ねる。桜で有名な角館は濃き緑につつまれ強烈な日差しの下に静まり返っていた。
 先ずはその桜の名所「桧木内川の堤防」に立つ。2キロに及ぶ「桜のトンネル」を眺め、満開時はいかばかりであったかと偲びつつ記念撮影。

   
    桧木内川の堤防にて

 武家屋敷は三々五々、思いの場所を訪ねる。数回訪れた私は、稲庭饂飩の店で土産や配送を終え「猫グッズの店」によった程度であったが。
 全国に小京都と呼ばれる町は多いが、この角館は“本当の京都人の作った小京都そのもの”である。常陸から秋田に転封された佐竹義宣は現秋田市の久保田城に入り、出城である角館城を弟・芦名義勝に委ねる。義勝は現在の城下町の形を作るが三代で滅び、そのあと入城したのが「佐竹北家」と言われた佐竹義隣(よしちか)。彼は京都の大納言高倉家の出身で佐竹に養子に入った人物。その子・義明の妻も京都西三条家から嫁いできた。こうして角館の街は京都文化をそのまま取り入れて形成された。
 暑さにたまらず、集合場所近くの「ばばべらアイス」で涼を取る。

   

 昼食はたざわ湖芸術村で、「ピザとパスタで地ビール」を。ここの地ビールの中でも「アルト」と呼ぶエールは、昨年イギリスのコンテストで一位を獲得した国際級、「1050円で飲み放題」という券を購入して、昼間からグイ、グイやっていたらいい加減に酔っぱらった。

 お目当ての「アルト」
              
   
    結構出来上がりました

 それでも田沢湖を一周し、たつ子伝説、クニマス伝説に触れ、特に『たつ子茶屋』ではクニマスを追い続けた三浦老のお孫さんのお話など聞きながら「イワナの塩焼き」や「味噌たんぽ」を食べ、大満足で西馬音内への帰途に就いた。

  
       田沢湖から秋田駒ヶ岳を望む  
        
      


西馬音内盆踊りを満喫

2012-08-20 14:19:50 | 

 

 秋田から帰ってきました。まずは目的の第一「西馬音内(にしもない)盆踊り」から。

 心配した天候は快晴続き、東京に負けない暑さの中を二夜ともたっぷりと観賞した。この盆踊りの起源・沿革については全く記録がないらしいが、「伝承によると正応年間(1288~93)、修行僧源親が蔵王権現を勧請し境内で豊年祈願として躍らせたもの」(Wikipedia)といわれているようなので、700年の歴史を持つ踊りだ。

    
 一般には、五穀豊穣の祈りと先祖の霊を慰める踊りとされている。衣裳はすでに書いたように「端縫衣裳」か「藍染浴衣」を身にまとい、顔は編み笠か「彦三頭巾」で隠す。先祖の霊とともに居ることを願う姿といわれ、特に彦三頭巾は黒い布で顔を覆い目だけが見えるように穴が開いている姿は神秘的である。

       

 西馬音内盆踊りというと「優雅」とまず言われ、確かに流れるような優美さに包まれているが、特に男踊りなどはダイナミックで、むしろ逞しさ、荒々しさを感じた。何人かの男性の踊りが強く印象に残っている。また11時ごろからの終盤に入ると、囃子の歌はだんだん卑猥な歌になってくるようだ。方言で歌われるのでほとんど聞き取れず、聞きとれたのは「〇〇タマ」ぐらいであるが、かなりきわどい内容のようで、地元の女性が「クスッ」と笑っているのも聞こえた。
 しかし、たんに優美だけでない様々な要因に、この踊りが長い歴史を生き抜いてきた生命力を感じた。

  

 わが一行の中の五人も、二夜とも元気に踊った。この日のために修練してきただけあって、その水準は私の想像をはるかに超えるもので、地元の人たちに決して負けない立派な踊りであった。

      

  
              踊り終えた一行5人

 


明日から秋田西馬音内(にしもない)に行ってきます

2012-08-16 16:58:18 | 

 

 明日から秋田に行ってきます。西馬音内盆踊りの見学とその周辺の旅です。

 問題はまたしても天候だ。7月の白馬の旅は二日とも雨、または曇りで目指すアルプスの山々を見ることはできなかった。その代り、「ヒマラヤン・ブルー」など、得難い高山植物にたくさん触れたが…
 毎日秋田県湯沢市の天気予報を見ているが、明日から三日間、晴れマークは全くない! それどころか降水確率は、17日(明日)60%、18日40%、19日30%、となっている。だんだん良くなるとはいえ、かなりの雨を覚悟しなければなるまい。
 山登りは少々の雨でもそれなりの身支度で「雨天決行」と行くが、着飾った盆踊りとなれば決行は無理であろう。西馬音内盆踊りは、阿波踊り、郡上八幡盆踊りと並んで日本三大盆踊りといわれるが、いくら三大踊りでも雨には勝てまい。昨年も三日間雨で中止になったらしいが、再びその轍を踏むのか…?

 まあ、あまり気にしないで出かけよう。雨が降っても酒は飲めるだろうし、お天道様のやることは何が起こるかわからないので。


西馬音(にしもない)盆踊りの旅に期待するもの

2012-08-15 10:02:47 | 

 

 12日の本稿に書いたように、明後日から「西馬音内盆踊りに惹かれて“秋田文化の旅”」と称する2泊3日の旅に出かける。秋田文化の旅とは少々大袈裟だが、この旅の狙いはいろいろある。
 先ず第一は「西馬音内盆踊りの真髄を見極めよう」ということだ。それも単に見学に行くのではない。踊りに行くのだ。もちろん私は踊らないが、わが一行の主力部隊は、東京にあっても日ごろから西馬音内盆踊りに親しみ練習を積んできたが、いよいよ本番へ挑むというわけだ。師匠さんを先頭に現地に乗り込み踊る。その姿を通じて西馬音内盆踊りに触れることに私は大いに期待している。
 端縫(はぬい)衣裳や藍染め浴衣に身を固め、編笠を深くかぶった本場の人たちとの優雅な踊りを今から楽しみにしている。

           
              羽後町リーフレットより

 第二は、この機会に少なくとも近辺の秋田に触れたいと企画した二日目の「角館、たざわ湖芸術村、田沢湖」巡りだ。これらは今や秋田にあっては定番先で、特にいうこともないが、あえて着目点とすれば以下の点か…。
 ①角館は東北の小京都といわれるが、他の小京都と違って「本当に京都人が作った小京都」で、それは他の小京都とどう違うのか?
 ②わらび座の芸術村はビールも作っているが、昨年、英国のコンテストでアルト(上面発酵ビールの一種)で一位を獲得したので、そのビールを飲みながら、できれば工場長の苦労話でも聞きたいものだ。
 ③田沢湖はクニマス伝説の地だが、2年前にさかなちゃんの活躍で西湖でクニマスが見つかったので、あらたな話題が花咲くことであろう。

 第三は、酒どころ秋田に行くのなら酒蔵の一つでも回ろうという三日目だ。純米酒蔵として名高い浅舞酒造(『天の戸』の醸造元)を訪問するが、、何と同蔵の森谷康市杜氏がわがバスに乗り込んでくれて、酒米の田圃や湧水場なども案内してくるというのだ。ちょうど酒米「亀の尾」の開花期に当たるので、これは今回の目玉の一つになると私はひそかに期待している。
 最後は利き酒をさせていただき、西馬音内の名物そば屋『彦三』で店主の能書きを聞きながらそばを食べるという算段である。
 2泊3日にしては充実した計画だと自負している。


新時代の到来を予感させるロンドン五輪日本選手団の活躍

2012-08-13 10:51:06 | スポーツ

 

 ロンドンオリンピックの日本選手団の活躍は素晴らしかった。序盤の水泳などで女性群の活躍や団体競技に強みを発揮する姿を見て、何か従来と違うものを感じていたが、その期待は最後まで続いた。
 メダル総数で過去最高の38個を勝ち取ったのはすごい。金メダル数による順位では下の方に並んでいるが、メダル総数の順位では6位ぐらいにつけており、決して引けを取らない。

 私はそもそも金メダル主義をとらない。「金メダルを取って来い」なんて期待をかけられる選手が可哀そうだと常々思ってきた。金メダルが取れなくて泣いて謝る選手に対し、豊田泰光氏(元プロ野球選手)が日経新聞コラム(毎週木曜日)で次のように書いていた。
 「取材を受ける側にあった私は選手の側に立ってしまう。『勝手に金メダル候補なんて祭り上げて期待したのはあんたたちでしょ、といっちゃえばいいんだよ』とか『誰に迷惑をかけたわけでもなし、すみませんなんて謝らなくていいんだよ』と心の中でつぶやく」

 一位と二位、三位の差、もっと言えば四位、五位などの入賞者との差はどの程度あるのか? 金メダルと銀メダルの差なんて、あるいは0.01秒、、あるいは数ミリの差ではないか。世界が集まるオリンピックの規模の大きさからみて、それらは差たり得ない。「評価さるべきは勝ったか負けたかではなく、いかに戦ったかである」(ジャック・ロゲ)とするならば、メダル差を越えた評価がいくらでもある。

 その中でなお国力を見るとすれば、私はメダル総獲得数を評価する。また、入賞者を含めた幅広い競技での活躍を評価する。日本は長い低迷の時期をたどっている。その扉を切り開くものは、幅広い種目で「何十年ぶりのメダル獲得」を重ねた、これら若者たちの力かもしれない。
 少なくとも、今回オリンピックのメダル獲得数が過去の記録を越えたことは、日本の国力の新たな発展を予感させる。


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