旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

小保方晴子さんの新万能細胞を生み出したもの

2014-01-31 14:55:07 | 時局雑感



 30歳の若き女性研究者が、新たな万能細胞を作り出したニュースが駆け巡っている。理化学研究所に勤める小保方晴子さんという女性で、博士号を取って未だ5年、30歳の若さで同研究所のユニットリーダーを務める方だという。なかなかの美人で、立ち居振る舞いもチャーミングだ。

 問題は、なぜこのような快挙が起こったかその背景だ。本日付日経新聞の新井重徳記者の記事によると、それは次のように書かれてある。

「その背景には、先入観のない柔軟な発想と、若手を抜擢する理研の風土という2つの「型破り」があった」

 先入観のない柔軟な発想というのは、それを育む理研の風土にもよるのだろうが、かなりの部分は個人に属する。しかし、若手の抜擢というのは個人ではどうにもならない。理研という研究所はどうしてその風土を手にしたのだろうか? その中にあった小保方さんという才能の幸運を喜ぶ。
 大学病院などで、教授の後を弟子たちが金魚のウンコのようについて歩いている情景を見るが、そこには柔軟な発想も若手抜擢もありそうにない。新発見など生まれそうもない雰囲気だ。
 この理研の「型破り」は、単に研究分野だけでなく、日本のすべての企業、団体に求められるものであろう。


不安の多い今年の先行き

2014-01-29 17:30:23 | 政治経済


 先週土曜日の7チャンネル「週刊ニュース新書」に浜矩子氏が出演して、「今年の株価は一万円まで下がり、賃金は上がらない、物価は上がる」というようなことを言っていた。かなり大胆な予測であるが、氏に言わせると、今の株価が維持できるような要因は一つもなく、国民生活が良くなるような要因もないということだ。氏は、アベノミクスはアホノミクスだと言い続けている。
 少なくとも株価下落の予想は、早速週明けの月曜日に4百円の下落に現れた。その後も上げたり下げたりしているようだが、確かに先行きは暗いようだ。トルコなど新興国の経済情勢も怪しくなった。
 4月から消費税が上がることを考えると憂鬱になる。安倍首相は外国ばかり飛び回り、やたらと援助や借款の話をばらまいているようだが、日本にそんな金があるのだろうか? 少なくとも庶民のサイフの中とは隔たりのありすぎる話だ。
 いずれにせよ消費税引き上げ後は、できるだけ何も買はないことにしようと思っている。余生は短いというのに、先行き暗いなあ……


庭の紅梅が開花

2014-01-27 14:55:39 | 時局雑感



 庭の紅梅が芽ぐみ、一輪だけ花開いた。春はそこまで来ているのだ。

 数日前から、よく見ると小さい蕾をつけているのが見えた。昨日今日の暖かさで、一輪だけが一気に咲いたという感じだ。

   
              


 この梅は娘が生まれた年にそれを記念して植えた。毎年、その誕生日1月31日までには必ず花をつけて来た。今年は寒いので無理かな? と思っていたが、この暖かさで一気に来た。自然は裏切ることをしないのだ。
 今夜はちょっと早いが誕生会をやる。娘の好きな焼肉を食べに行くのだが、その会に正に花を添えてくれた。

 


第6回山桜桃の会 … 純米大吟醸「ひらの」と「九平次」、加えて「仙人」に会えて大満足

2014-01-25 13:30:20 | 



 昨夜は早くも6回を数える山桜桃の会を『串駒』で開いた。串駒は昨年同時期にこの会の立ち上げ会をやった場所だ。なぜこの飲み屋が再び選ばれたかと言えば、昨年会えなかった「仙人」こと大林店主にどうしても会いたいという要望によるものだ。。
 それと、会員のMiさんが名酒「浦霞ひらの」を入手したのでみんなで飲む機会を求めていたこと、加えて、入会を狙うSiさんが今や人気の「醸し人九平次」を持参してみんなで飲みたいと懇請あったことによる。つまり、それら名酒を飲むに相応しい飲み屋を選んだというわけ。

  

 この二つの酒は素晴らしかった。「ひらの」が、浦霞を醸す(株)佐浦の名杜氏平野佐五郎、重一両氏をしのぶ酒であることは言うまでもない。南部杜氏の至宝と言われた両杜氏は浦霞を不朽の銘酒に仕上げ、全国新酒鑑評会の金賞受賞回数33回と全国トップの地位に押し上げた。この両氏をしのぶ山廃純米大吟醸「ひらの」は、ふくよかで豊満な味を湛えながら何の抵抗もなく飲める透明感に満ちていた。
 一方、今を時めく「九平次」(これも純米大吟醸)は、これまた芳醇、山田錦の味を出し切り、きわめて個性的な酒であった。蔵元久野九平治氏の心意気を感じる酒であった。このような、伝統的な蔵と新境地を切り開いた蔵との名酒を並べて味わえる幸せを感じた。
 料理はいつものコースであるが最後の鍋を、今回は「鴨肉のはりはり鍋シャブシャブ」とした。これも結構でしたなあ。

 
       

 しかし、今日のお目当ては何と言っても「仙人」だ。「ひらの」と「九平次」を一口づづ飲み終えたところに現れ、みんな歓声を上げた。初めて会った人は、その奇怪な迫力に驚いたことだろう。

          
 自分の似顔絵(高瀬斉氏筆)のふすまを開けて仙人登場
 
 待望の仙人こと大林禎店主に会えて喜びの面々
 
 


基地問題に対する沖縄県民の意識

2014-01-23 14:05:57 | 政治経済


 今朝の民放番組で、基地問題に対する沖縄県民と本土国民の意識のズレについて論じていた。普天間基地の県内移設に対する賛否を問うた意識調査では、沖縄県民を対象にした調査では「賛成22%、反対66%」という結果に対し、本土国民対象では「賛成48%、反対34%」ということだ。
 本土国民では賛成が半数に近く、反対は三分の一に過ぎないが、沖縄県民は三分の二が反対している。県外移設が沖縄県民の民意と言っていいだろう。
 しかも、ここにきて沖縄県民の基地に対する意識も変化して来たという。かつての冷戦時代にあっては、「自由陣営を守るためには基地の提供もやむなし」という意識があったが、最近の軍事力の向上もあいまって、「何も沖縄に基地がなくても守れるのではないか」という意識が強まったという。
 これは何も左翼系の人の意見ではなく、自民党支持者たちの意見もそのような傾向が強いというのだ。その裏には、観光業などで基地経済以上の発展が生まれていることにも影響されているという。
 インタビューに対し、「かつてはイデオロギーが先行していたが、それよりも沖縄のアイデンティティが主要な物差しになってきつつある」と答えていた。

 恵まれた観光資源と沖縄独特の産業、まさにアイデンティティに生きる沖縄の人々にとって、基地は大変な害悪であろう。本土人がいつまでも旧来の考えにとらわれている間に、現地は変化しており、それに伴い沖縄の人々の意識も相当に変わってきているのではないか?
 意識のずれは怖い。基地問題はその点からも新しい段階に入りつつあると思う。


早くも春を待つ心

2014-01-22 15:41:57 | 時局雑感


 厳しい寒さが続いたが、このところ最高気温10度前後に戻ってきた。24節気では大寒の時節にあたる。
 暮12月22日の冬至を境に、明けて1月5日が小寒、この22日が大寒、これから2月4日の立春までが大寒とされ、一年で一番寒い時節と言われる。
 寒さも小から大に向かうのだろうが、逆に「小寒の氷、大寒に溶ける」という言葉もある。つまり、2週間もすれば立春であり、日々春に向かっているのである。昔の人は季節の変化を微妙なニュアンスを込めて言い表してきたのであろう。

 新聞やテレビは毎日暗いニュースや嫌な事件を伝えている。4月には消費税引き上げなど今年も辛い情勢が待ち受けている。しかし、暖かくなれば何か良くなるのではないかと期待もする。
 「春が来れば……」と人は夢を抱き続け、苦しい冬を生きてきたのだ。
 希望を持って春を待とう。


  
     キンカン? (散歩の道筋で)
       
              松沢病院脇のけやき

 


どうすれば沖縄県民の民意を実現できるのか … 名護市長選の結果を見て

2014-01-20 13:20:48 | 政治経済

 

 普天間基地の代替基地として新基地建設を容認するかどうかを主要な争点として争われた名護市長選は、建設反対を掲げる稲嶺知事が勝利した。前回に引き続く勝利であるが、前回の1600票差を4200票に広げた圧勝と言っていいだろう。
 問題は、この市民の民意、いやもっと言えば沖縄県民の悲願をどのようにして実現するかであろう。安倍政権は基地移設を一刻も早く進めようとしているし、沖縄県知事も公約を曲げてまで基地移設容認に踏み切った。
 戦後70年を経て、基地問題は新たな段階に立ち至ったのではないか?

 名護の辺野古に築く基地は普天間の代替基地であり新基地の建設ではない、という意見がある。しかし沖縄の人にとっては、戦時に強制的にとり上げられた市街地の真ん中の普天間基地が、やっと返還されるというのに、また新たな基地ができるのか!…というのが真意だろう。代替とはいえ新たな、しかも美しい海に新しい基地が作られることに変わりはない。
 普天間基地の返還こそ急務、その代替なら受け入れやむを得ないだろう、という意見もある。しかし沖縄の人に「と言うのならあなたの県が受け入れてくれ。もう沖縄はいいだろう」と言われたらどう返答すればいいのだろうか?
 代替基地が必要ならば、県外か国外に求めるしか道はない。日本国民は総力を挙げてこの問題を解決しなければならない時期に来ていると思う。

 何よりも安倍内閣は冷静にこの事実を受け止めるべきだ。同時に行われた南相馬市長選でも、自民党派を退けて脱原発派が勝利した。靖国に参拝したり、外国訪問ばかり繰り返してはしゃぎまわっている場合ではないのではないか?
 


いい材料は時間がたつほどよくなる … 山田洋二監督の映画つくり

2014-01-19 12:59:50 | 文化(音楽、絵画、映画)



 先日のNHK番組「あさイチ」に山田洋二監督が出て、キャスターの「80歳を過ぎてもますます盛んな制作意欲…、そのモチヴェーションは何処から生まれるのか?」という質問に山田氏はこんなことを言っていた。
「…作りたい材料は常に二つや三つは持っている。その中から一つ取り出すのだが、いい材料は時間が経つほどよくなる。悪い材料は時がたつほどダメになる」
「地下のセラーからワインを一本取りだす。飲んでみてまだ美味しくないものもあるが、時を経てじっくりと美味しくなったものもある。そのワインを飲むのだ」

 ワインを例にとり上げたが、まさしく、ワインを含む酒も全く同じだ。いい酒は時をおくほど美味しくなる。まろやかになり味に豊かさが出てくる。質の悪い酒は時間が経つほどまずくなる。春に搾って夏を越せない酒もある。
 酒は一般に寒つくりと言われ、冬から春にかけて造り夏は寝かせて、つまり熟成させて秋から市販するのだが、その夏も越せない酒では話にならない。そしていい酒は何年も寝かせるほどよくなる。エイジングという言葉がぴったりだ。
 映画つくりも同じことのようだ。時の推移に耐える普遍性を持ったテーマでないといい映画は生まれないのだ。寅さん映画はじめ山田映画が、常に国民に広く愛されるのは、テーマが時代を越えた普遍性を持っているからだろう。
 いくつも蓄えてある地下のワインセラーから、その質を湛(たた)えたワインを抜き出すところに、山田監督の類まれな才能があるのだろう。


今年はどうなる … 文化

2014-01-16 14:57:52 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 昨年暮れ、娘のミャゴラトーリ(オペラ創作集団)が愛知県の田原小学校で全校生徒を前に演じたオペラ公演は、それなりの評価を得た。「愛の妙薬」という恋物語オペラを見た小学生たちは、極めて率直な素敵な感想文をたくさん寄せてくれた。
「言葉でなく歌で自分の思いを伝えることができるなんてスゴイ!」
「ピアノの人は一人で2時間も伴奏するなんてスゴイ。高い声や低い声が体育館中に響いて驚いた」
「惚れ薬と言ってニセモノワインを飲まされたが、最後はネモリーノがアディーナと結ばれてホッとした」などなど。
 中には「二人が結ばれるまで大変だったが、僕は平和な恋をして結婚したい」という生意気な小学生もいた。「日本語セリフでつなぐ原語公演」をつづけ、小学生にも原語アリアがわかってもらえることを娘は喜び、率直な感想文を「涙なしには読めない」と感動していた。

 早速、横浜の小学校から次のオファーが来たが、提示された予算では出演者に満足なギャラも払えない。愛知公演は旅費もかかり赤字であった。子供の喜ぶ姿を見ると何としてもオファーを受けたいが赤字も続く…。
 何とかならないか。国や自治体の援助はないのか。子供の情操教育に欠かせない分野だ。
 日本の文化予算は総予算の0.1%だ。フランスや韓国でも0.9%、ドイツやイギリスの0.3%から見ても見劣りする。アメリカは0.01%と少ないが税制の手厚い保護で民間の文化資金を向けている。
 一機何百億円もする軍用機を何台か減らしてくれれば、全国の小学校でオペラ公演がやれるのだが、安倍内閣は逆方向で軍事費の増加を打ち出した。民間企業も利潤第一主義で文化支援などには向かわない。
 この国の文化はどうなっていくのだろうか?


今年はどうなる … 政治、経済、国民生活

2014-01-15 14:57:41 | 政治経済

 

 今年はどうなると題して、酒、旅、人と自分の事ばかり書いてきた。自分の力や考えだけではどうにもならない政治や経済、それに伴う人々の生活はどうなるのだろうか?

 先ず政治だが、今年は間違いなく政治の年になるだろう。年明け早々、沖縄では普天間基地の辺野古移設をめぐって名護市長選が争われている。基地縮小、移設なら少なくとも県外へは沖縄県民の悲願であろう。戦後70年近くたって、いまだ広大なアメリカの基地を許し、しかもその7割を沖縄に押し付けたままでは事が収まるはずはあるまい。難しい問題だ。
 首都東京では突如と湧いた都知事選で、細川、小泉という元首相連合が脱原発を掲げて躍り出た。一極集中、国の顔を代表する首都東京で争うに格好のテーマだ。電力を大量に使用し、問題の東京電力の株主でもある東京から、国のエネルギー政策の論議を呼び起こすことを期待する。
 事の成り行きによっては、一強を誇る安倍自民党にくさびを打ち込むことになるかもしれない。

 経済はどうなるか? 景気は好転しているというニュースがかなり流されているが、その恩恵を受けるのは大企業中心で、中小企業や国民生活はよくはならないだろう。消費税増税はその最たるものだ。
 アベノミクスなんて一般庶民には何も役立ってないのではないか? 株高など関係ないし、円安なんて自動車や電機など一部輸出企業にはいいのだろうが、安い輸入商品に頼る貧困層には円安は打撃となる。異常気象からくる厳しい寒さを前に、油の値上がりだけでも身に染むだろう。
 今年の経済は、言われているほど好転することなどなく、消費税引き上げ後後半に向けて相当に波乱要因を含んでいるのではないか?
   


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