旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年はどんな年であったのか … 科学界の光と影

2014-12-30 13:33:59 | 時局雑感


 まず日本に、いや世界に光を与えてくれたのが、ノーベル物理学賞を受けた赤崎勇、天野浩、中村修二、三人の科学者だ。この三人は、青色発光ダイオード(LED)を発明・実用化してその功績が評価された。正に世界に新しい光を与えたのだ。
 授賞式が行われたストックホルムの街がLEDの光で三人を迎えたように、この発見は既に実用化されて人類に大きな貢献をしている。2012年にノーベル生理学・医学賞を受けた山中伸弥教授のi
PS細胞も、身近な医療に役立つ実用的なものであった。網膜の再製など、加齢黄斑変性に悩む私には身近な光明だ。私の生きているうちには市販化されそうにないが。
 日本の科学者が、ノーベル賞という雲の上の存在を、実生活に引き下ろしてくれたことを誇りに思う。
 科学の世界で、もう一つ大きな夢を与えてくれたのが、はやぶさ2号の打ち上げであった。先祖はやぶさ号のドラマチックな帰還から数年、待ちに待った快挙である。途方もない遠いところに、途方もない時間をかけて向かう旅だが、それを寸秒の狂いもなく成し遂げようとする…、まさに途方もないロマンである。
 傘寿を迎えようとする老人にも、「はやぶさの帰ってくるまで、あと6年は生きよう」と、生きる勇気を与えてくれる。

 これらに反し、科学界に暗い影を落としたのが理化学研究所のSTAP細胞事件であろう。今年の日本科学会は、小保方さんに明けて小保方さんに暮れたと言っていいだろう。この若き美人科学者は、年初にさっそうと登場して、暮れに疲れ果てて姿を消した。
 彼女は、研究者として未熟であったのだろう。しかし、全てを彼女の未熟のせいにして幕引きが行われたようで、何ともスッキリしない。当初脚光を浴びたのは小保方さんであったかもしれないが、その論文は11人の共同執筆ということであった。貴重な人材を自殺で失ったりしたが、理研ともども残りの人たちはどうなっているのだろう。
 あの薄汚い政治界でも連座制というものがあって、陣営の一人が罪を犯せば候補者も連座することになっている。神聖なる科学界の事でもあり、もっとすっきりした処理をしなければならないだろう。


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