旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年はどんな年であったのか … 集団的自衛権行使容認をめぐる攻防

2014-12-28 14:08:23 | 政治経済


 不穏な国際情勢の続く中で、その不穏に油を注ぐ方向に日本は一歩踏み出したのではないか? 将来、日本を戦争の危険が覆うようなことがあれば、「…2014年、安倍内閣のあの閣議決定がすべての発端であったか!」と今年を思い起こすことになるだろう。
 自衛のために軍隊を持つが(これも憲法上相当な疑義があるが)、「よその国に出かけて戦争だけはしない」というところに最後の歯止めをかけてきた。憲法第9条があるからだ。ところが、こともあろうに一内閣の閣議決定で、それを可能とする実質改憲を決めてしまったのである。
 およそ、民主主義の国とは言えないのではないか? その延長線上で、安倍内閣は着々と自衛隊の海外派遣の準備を進めている。今日の新聞紙上でも、[ミサイル迎撃、海自艦に共同交戦装備 『集団的自衛権』念頭」(毎日新聞一面)、「自衛隊海外派遣で恒久法 政府・自民、国際協力迅速に」(日経新聞一面)という見出しが報じられている。

 もちろん、これら戦争政策に対する反対の動きも進んでいる。先の総選挙で、沖縄の四つの区すべてで基地拡張反対派が勝利し自民党が全敗したこと、また、安倍政権の政策に一貫して反対を表明してきた共産党が大きく躍進したことも、この民意の表れであろう。
 中でも、心に残る言葉が二つある。一つは、沖縄知事選で翁長氏の応援演説に立った菅原文太さんの言葉だ。
「政治の任務は二つある。一つは民を飢えさせないこと。もう一つは、…これが一番重要なことだが、絶対に戦争をしないこと」
 今や菅原さんの遺言となったこの言葉は、いかなる政治家の演説よりも迫力があった。心に深くとどめておこう。
 もう一つは、ノーベル平和賞受賞者マララさんの国連演説だ(本稿12月10日付ご参照)。これは教育の重要性についての発言であるが、イスラム国の「マララ殺害声明」の中で命を懸けた発言であるだけに、戦争勢力に対する痛烈な戦いと言わねばなるまい。
 私たちは、この17歳の少女の勇気をもらって、日本の当面する課題に立ち向かわねばならないと思う。


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