桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

科学

2014-12-20 | Weblog

科学と言えば、誰もが数学的な絶対定数に基づくものとして信頼する

。その信頼を突き崩した「小保方」問題だったが、今日の新聞は、一斉に「STAP細胞は存在せず」と報じておる。

何で存在しないものが、あのように大々的に報じられ、科学的権威誌にも掲載されてしまったのか、その説明はない。

科学社会も、結構、いい加減でインチキなようだが、思えば、科学のいい加減さとインチキさを、俺たち冤罪者は骨身に沁みて知らされていた。

名張事件の松倉鑑定。松倉と言う医師が「葡萄酒栓、王冠に付いた歯型と奥西さんの歯型が一致している」とした鑑定書が出たことから、1審無罪が逆転して「死刑」有罪とされた。この鑑定がインチキだった。奥西さんの歯型と王冠の歯形を倍率を操作して合わせたことが暴露されたのだ。でも、有罪のまま。

足利事件では「DNA鑑定」をでっち上げた。「間違えた」のでは、絶対にない。不鮮明な写真を利用して、何百回もの試行と写真撮影を行い、たまたま似たような写真を作り上げたのだろう。

この足利事件と同じ方法で行ったでっち上げが「飯塚事件」だ。もう死刑が執行された飯塚事件、このでっち上げ鑑定の闇も、必ず晴らすしかない。

高知白バイ事件のスリップ痕のでっち上げもある。

和歌山カレー事件の「ヒ素鑑定」もでっち上げだ。

北陵クリニック事件の「筋弛緩剤鑑定」もでっち上げだ。

今日も科警研、科捜研と言われる場所で働く科学者たちは警察の要請でインチキ鑑定を作り続けている。そして、この鑑定の真偽を見分けられないに裁判官たちは、被告たちの正当な反論や再鑑定を無視して「有罪判決」を重ねているのだ。

信頼すべき科学を汚す科学者たちは、哀れと呼ぶべきか、恥じろと叫ぶべきか、いかにすべきだろうねえ。


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