桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

未解決凶悪事件ファイル

2008-07-28 | Weblog
こんなタイトルの本が出版されている。
多分、知らない人の方が多いよね。
その本には、29件もの未解決事件のことが書かれている。これだけの犯人が逃げ回り、どこかで生活をしてるわけだけど、この数は多いと言うべきか、少ないと言うべきか、評価は分かれよう。勿論、俺の評価は、余りに多いだ。人の命を奪った人がノウノウと暮らしてるなんて、信じられない。なぜ逮捕出来ないのだろうか。
警察の捜査能力が低下してることは間違いない。問題は、なぜ能力が低下したかだ。
日本の警察は、まず国家的治安警備を最優先に考えている。犯罪を取り締まる刑事部門を、「泥つ刑」と呼んで軽蔑した歴史が長い。泥棒を取り締まる部門より、公安や警備部門は国家を守るから偉い、格上と言うわけだ。そうだろうか。違う気がする。
泥棒や人殺しは市民の暮らしを守る重要な任務。これが無くて社会の平安はない。社会の平安が無くて、国家の平安も安泰も無かろうものだが、どうも日本警察組織の思考は曲がってる。国家は一部の人や組織を指し、一般国民は、その一部を支える存在でしかないと考えている。それゆえに、国家体制を守る公安警備が第一、国民生活を守る刑事捜査を軽視してるわけだ。捜査手法にも進歩が無い。科学的証拠からの捜査よりも裏社会に繋がる情報での捜査を重視するため、複雑化した社会では重大犯罪の検挙率が低下するのは必然なのだ。
真面目な警察官は多かろうに、裏金に塗れた警察の実態は、我々が思うよりも深刻に朽ちているのかも知れない。
真面目な警察官、頑張れ!

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