桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

プロペラ機

2011-10-30 | Weblog
これまで、何度も乗った飛行機は、総てがジェット機だったが、今日、初めてプロペラ機に乗った。
プロペラが回ると、その振動が機体に伝わり、座席にも響いて、何か不安になる震えだった。
座席は4席が1列の小さな機内で、今までにない窮屈さだったが、それは別にだから何だの違和感を感じなかったから、俺の背負っているトラウマも鎮まったのかも知れない。
プロペラ機は高度を下げて飛ぶみたいで、今までになく鮮やかに地上を眺められた。雲に遮られることもあったが、見下ろす東北の山々は、紅葉の始まった部分と緑の部分の対比も美しくて、色とりどりの柔らかいベルベットを纏ったように見えた。
やがて津軽海峡を渡り、北海道の山になったらば、今度は灰色に見える枯木に混じる紅葉が、灰色の海に浮かぶ色の島のように見えて綺麗だった。
プロペラ機だからこそ味わえた景色を楽しみながら新潟から北海道に入った。

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