桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

パスポート

2008-09-04 | Weblog
昨年、布川事件は国連に訴えに行った。
俺は、長い拘束生活のトラウマを背負い、狭い空間に長くいることに耐えられない。だから、俺は参加出来なかった。
今年、日本政府は国連の自由権規約委員会に報告を提出し、その審査が行われる。本来、人権規約を批准した国は、5年に一度、自分の国の人権状況を報告する義務を負う。だが、日本は、その義務を守らない。
今年の日本の報告は、約4年も遅らせて9年目の提出だった。国際社会の一員として人権規約の条約を批准している以上、その義務を守る責任があるのに、我が日本政府は、国際社会でも恥知らずだ。
今月、自由権規約の審査をする委員長と副委員長が来日するが、日本政府に対して、かなり厳しい注文を出している。何回にもわたり、日本政府は同じような言葉で同じような内容の解答しかしていない。だから、「今度は違った言葉で、違った内容の解答をして欲しい」と。
我が布川事件の再審経過を見ても、実に検察の態度は不誠実だ。その法務省がやること、一事が万事だね。その実態を、今度は俺が直接語りたくてジュネーブ行きを決心した。でも、俺は、まだ無期懲役。パスポートが出ない。事前に外務省の審査を受けて許可されないとダメ。
今日は事前審査の書類(判決文、仮釈放許可書など)を提出に来た。
さて、どんなことになりますか。

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