桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

恐怖

2009-12-24 | Weblog
俺が取手警察で調べられていたとき、真犯人が壊したらしい便所の窓の桟を持って見ろと言われたことがる。
早瀬四郎は「どうやって壊したのか、持って言ってみろ」と言った。犯人が持った物になど、触りたく無かったから、即座に断ったが、触っていたらばどうなったろうか?
きっと「物証が発見された!」と報道され、有罪の決定的な証拠にされたことだろう。
当時の鑑識員は捜査幹部に「指紋を合わせられないか」と言われたらしいから、これは邪推とも言えまい。事実、便所の桟に付いては、俺に触って見ろと言って示した後、何故か鑑定書を作成していた。
鑑識員に断られた捜査幹部は、あわよくば桜井に触らせたい、もしくは偶然に触れた跡が残らないかとか思い、この鑑識を実施したのだろう。
今朝も、何人かの男を殺したと騒がれている女性に物証が発見されたとの報道があったが、俺は信じないね。警察を信じるのは詐欺師を信じるより、もっと危うい。
今日は足利事件公判に行くが、怪しげな本丸的科学警察研究所の親玉が証言する。物証を作り出す研究所長、福島は何を話すのか、楽しみだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿