桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

梅雨忌

2014-06-28 | Weblog
昨夜は、猿楽町のYMCA青少年センターで福岡事件と呼ばれる冤罪事件で処刑された西武雄さんの法要が行われた。
西さんの不運は知っていたが、実際に、彼の描いた仏画や写経などを見たらば、改めて気の毒で胸の詰まる思いになった。
色々な仏画を見ているが、西さんの描いた仏様ほど、気高く、清らかで美しく感じたものはない。写経もだが、彼の精神が表れていた。西さんの無実は、あの作品に示されている。
法要では篠笛も演奏され、その澄んだ音色は仏画に共鳴するようで、気が付いたらば涙が流れていた。お名前は失念したが、篠笛奏者の第一人者だそうで、ご夫婦なのか、婦人との合奏は、実に見事な音色だった。福岡刑務所で教戒師をしていた古川泰道氏が、西さんの無実を信じて生涯を救援活動に費やされたのだが、亡くなられた後は、ご子息が総てを投げ捨てて父親の活動を引き継いでいる。その尊い活動は、称賛されようが、俺も自分の出来る限りの闘いをしたいと、西さんの前に誓った夜だった。しかし、自白もない、証拠もないままに、共犯者とされた人の自白だけで有罪にされ、殺されたのだから、本当に酷い話だ。司法取引が導入されたならば、こんな冤罪が増えるのだろうなぁ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿