桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

久しぶりの故郷

2021-09-19 | Weblog
1週間、大阪に滞在して帰ってきたら、もう稲刈りを終えた田が多くて風景が変わっている。
秋だねぇ。
稲刈りをしている田も、そこで動くのはコンバイン。機械を操作する人と刈った米を運ぶ軽トラがいるだけで、俺の思い出にある秋の田圃とは違う。
実りの秋に人の歓喜が満ちていたのは、もう遠い過去のことだ。

日野町事件集会

2021-09-19 | Weblog
昨日は大阪弁護士会館で日野町事件の1日も早い再審開始を願って日本弁護士連合会主催の集会だった。
このご時世でリモート集会だったが、それでも会場には百名もの関係者が集まって大盛況だった。
1部が日野町事件の問題と再審問題を絡めての指宿先生の講演。
2部が阪原兄妹と袴田秀子さん、西山美香さん、青木恵子さん、名張事件での支援者が登壇してのトーク。
1部と2部の間には俺と野田淳子さんが唄った。俺はゆらゆら春、野田さんは日野町事件に巻き込まれて獄死した阪原弘さんを唄った父へ。
リモート集会にありがちな接続不良で開始時間が遅れたり、スムーズな進行が出来なかったことなどで2部は時間がなくなり、大巾な予定変更となり、余り当事者の語る時間はなかったが、でも、短くても当事者の想いは力があって、それぞれが充分に闘いへの想いと日野町事件への想いを語れたと感じた。
日野町事件は大阪高裁での進行が、なぜかストップしている。
前任裁判長が検察に釈明を求めた、それの答えがなされないままに放置されているのだ。
犯人の投棄した金庫のあった場所を阪原さんが案内したとする検証調書にある写真が、ネガで帰路のモノを往路とした過ちだと判った、その入れ換えの理由。発見された遺体の姿勢と遺体に残る死斑とは科学的に矛盾する理由など、3点の釈明を求めたのに、それすらの進展にも今の裁判体は動かないとか。
このような裁判所こそ、冤罪を作る原因だ。
そもそも日野町事件は検察が示した犯行では有罪に出来ないとして、坪井裕子と言う裁判長が司法修習同期の検察官に秘かに連絡して訴因変更を行わせて有罪にした。裁判所の卑劣な企みで有罪にした冤罪事件だ。他の冤罪以上に裁判所に責任がある。だから、今の大阪高裁裁判体は、その再審を阻止したくての懈怠なのかも知れないが、許さないし、許せない。
もし再審請求する弁護士が証拠の写真の入れ換えをしたならば、どうなるか。
たちどころに棄却。有無も無くひと蹴りされるだろう。
ところが、警察や検察が証拠の不正を行ったのを明らかにしても、あぁたらこうたらと弁明する反論を許して、なかなか裁判所は明確な判断をしない。いや、奇天烈な警察や検察の弁明を受け入れたり、見逃したりして再審を認めないことが覆いのは、なぜだ。
名張事件では有罪証拠とされた歯型鑑定が松倉と言う似非医師の写真拡大操作の偽造だと判っても見逃された。袴田事件では味噌タンクの5点の衣類だ。1年2ヶ月も味噌の中にあった衣類の血液が赤いままだなんて、こんなバカげた証拠が認められたままだ。
湖東記念事件では事故死の鑑定書が隠され、東住吉事件では発火事件記録が隠され、それぞれが有罪だった。
なぜに裁判所は、裁判官は警察や検察の不正を見逃すのだ。
また日野町事件では事実を歪めて警察と検察の不正を言い繕い、自らも荷担した冤罪作りの事実を覆い隠そうと思っているのだろうか。
過ちを過ちと認めさせるために、もっと声を上げて社会に、この裁判所の怪しさも含めて知らせてやる❗️と思った集会だった。