土曜日、母校の大学にて就職セミナー:模擬面接会に面接官役で参加。
個人面接、個々へのアドバイス、全体への共通項としての注意など、できるだけ細かく話しをしようと心がける。
一生懸命聞いてくれた参加者のみなさん、ありがとう。
中でも、忘れられない学生がいました。
その子の履歴書を見た瞬間、ちょっと驚きました。
「学生時代に力を注いだこと」の項目が「家でお皿を洗うようにしました」。
…何か、特別な学生なのかと思い、面接の前に学生課の方にも伺ってみたのですが
「…この子は…ちょっと…大変なんですけど、普通の学生なんです。」
ちょっと大変 の部分が気になったのですが、いざ面接を行う演習室へ行ってみると、待機していた学生さんたちがいっせいに立ち上がる。
「よろしくお願いいたします!」
みんな、ごく普通の女の子たち。
何番目かに、例のお皿洗ってました、の子の順番になる。仮名:アキさん。
見た目は、本当にごく普通の女の子。短大1年生。むしろカワイコちゃん(^^♪
でも、しゃべれない。声も小さくて、おとなしい。人の後ろに隠れてしまうような子。
本題に入る。
「学生時代に、がんばったことは何ですか」「…あの…毎日、お皿を洗うようにしました」
「…毎日、お皿を洗っていたんですね?」「はい」「どうして洗おうと思ったんですか」
「…あの…家族のためにもなるし…将来一人暮らしをしてみたいので…そのためにやろうと思いました」
なるほど。 途中省略。
「…興味のあることは何ですか」「…カメ、です。」「かめ、ですか?うさぎとかめ、のカメですか」「…いえ…小さいのではなくて、ガラパゴスゾウガメです。」
「ガラパゴスゾウガメですか?なんで、興味をもったんですか」
「…テレビで見たんですけど、世界中にたった1頭しかいないカメがいるんですけど、すごく長生きしてて、ひとりぼっちのカメなんです」
「…そのカメに、興味を持ったということですね」「はい、そうです。」
途中省略
カメの話から発展して、聞いていくと、はにかみながらでもいろんなことを話してくれる。話しているうちに感じました。「ひたすら純粋」な子なんだ、と。
本当に素直で、とてもいい子。ただ、自分の出し方を知らないだけ、のように思う。
こういう話(お皿洗いやカメの話など)は、面接官どうしでネタになる話題。
ネタとしてはあがるけれど、それで採用につながるかは、正直にいってわかりません。
他の教室では、泣いてしまう子もいたようで、廊下で学生課の方が励ましていたりする姿もみかけた。
…圧迫面接?いまどき?いろいろな面接官の方が来ているので、やり方もそれぞれあるだろうとは、思う。
あの、カメの女の子も、そういう教室で面接受けたら、即泣かされてしまったかも。
「あなたお皿洗ってましたって何ですかこれ」「カメ?興味がカメって具体的にいうとどういうこと?小学生の飼育係じゃないでしょう」など、と。
そういうやり方もある。
でも、私は「まず聞こう」と思った。さらに、シート(履歴書)をみれば、だいたいどんな学生かはわかるものです。こちらもそのつもりで対処します。
アキさん、この子は、もうここまで書くのですら「いっぱいいっぱい」なんだ、と思った。
今日、この面接会に参加しただけでも、とんでもなく大変な決心で、よく来てくれたと思った。
総括になるけど、学生課の方々から「どの学生も、もう一歩の押し出しが弱いので、そのあたりのご指導をお願いします」と言われてもいました。
1次、2次面接あたりまでは進むけど、最終選考で残れない、という。
「自分を押し出す」ために必要なのは、まず「自分に自信を持つこと」です。
どんな商品でも、「これはいいです。本当にいいですよ!」と本人が本当にいいものだ、素晴らしいものだと信じていなければ、人には勧められない。
人も、モノも、同じ。
自分が自分を信じていなければ、押し出すことなんかできない。
こういうセミナーの面接においては、
まずは、「自信をつけさせる」ことが一番大事、だと思っています。
あなたは素晴らしい、それがあなたのいいところ、もっと自分の価値に気付いて。
面接以外のシーンでも、そういうことを言ってあげる大人が回りにいるだろうか、と思う。
とかく、こういった場(模擬面接)などでは、「悪いところ」を指摘して、注意する、という方向に流れる。それももちろん大事だし、
私も指摘して気付いてもらうようにしている。
でも、「これも悪い」「これもできていない」「これじゃ通用しない」などと、マイナスのことばかり言われては凹むばかり。
その子のいいところを何とか見つけて、本人に自覚させる。自信をつけさせる。
まずは、そこから、そしてそれが私のやるべきこと、だといつも思って面接官係をやっている。
だから私は圧迫はやらない。泣かせてどうする。それが成長につながるならいいけれど、模擬面接一回目から涙涙でいいのかと思う。
…アキさん、大丈夫。まだまだこれからだよ。来てくれてありがとう。
いろいろ、話してくれてありがとう。
私は、世界でたった1頭になってしまった長生きのカメに興味を持ったあなたが好きです。
たった1頭なんて、寂しいよね。人(カメだけど)の寂しさに気付けるあなたが好き。そういう感性をもったアキさん、それがあなたの素晴らしさです。
毎日、お皿洗ってくれたらきっとアキさんのお母さんは助かるよ。
…毎日毎日一人でごしごしお皿洗いながら、ひとりぼっちのカメのことを考えているこの女の子を思うと、私は少し涙がでそうになる。
このままいったら、たぶんこういう子は面接で残れない。
…押し出しが弱い?人前ではきはき話せない?それがいったい人間の価値につながるのかと思う。
がんばれ、アキさん。
毎日お皿洗ってるの、いいじゃない。興味がカメでも、いいじゃない。
私はあなたみたいな子が大好きです。
(^^)/~~~
個人面接、個々へのアドバイス、全体への共通項としての注意など、できるだけ細かく話しをしようと心がける。
一生懸命聞いてくれた参加者のみなさん、ありがとう。
中でも、忘れられない学生がいました。
その子の履歴書を見た瞬間、ちょっと驚きました。
「学生時代に力を注いだこと」の項目が「家でお皿を洗うようにしました」。
…何か、特別な学生なのかと思い、面接の前に学生課の方にも伺ってみたのですが
「…この子は…ちょっと…大変なんですけど、普通の学生なんです。」
ちょっと大変 の部分が気になったのですが、いざ面接を行う演習室へ行ってみると、待機していた学生さんたちがいっせいに立ち上がる。
「よろしくお願いいたします!」
みんな、ごく普通の女の子たち。
何番目かに、例のお皿洗ってました、の子の順番になる。仮名:アキさん。
見た目は、本当にごく普通の女の子。短大1年生。むしろカワイコちゃん(^^♪
でも、しゃべれない。声も小さくて、おとなしい。人の後ろに隠れてしまうような子。
本題に入る。
「学生時代に、がんばったことは何ですか」「…あの…毎日、お皿を洗うようにしました」
「…毎日、お皿を洗っていたんですね?」「はい」「どうして洗おうと思ったんですか」
「…あの…家族のためにもなるし…将来一人暮らしをしてみたいので…そのためにやろうと思いました」
なるほど。 途中省略。
「…興味のあることは何ですか」「…カメ、です。」「かめ、ですか?うさぎとかめ、のカメですか」「…いえ…小さいのではなくて、ガラパゴスゾウガメです。」
「ガラパゴスゾウガメですか?なんで、興味をもったんですか」
「…テレビで見たんですけど、世界中にたった1頭しかいないカメがいるんですけど、すごく長生きしてて、ひとりぼっちのカメなんです」
「…そのカメに、興味を持ったということですね」「はい、そうです。」
途中省略
カメの話から発展して、聞いていくと、はにかみながらでもいろんなことを話してくれる。話しているうちに感じました。「ひたすら純粋」な子なんだ、と。
本当に素直で、とてもいい子。ただ、自分の出し方を知らないだけ、のように思う。
こういう話(お皿洗いやカメの話など)は、面接官どうしでネタになる話題。
ネタとしてはあがるけれど、それで採用につながるかは、正直にいってわかりません。
他の教室では、泣いてしまう子もいたようで、廊下で学生課の方が励ましていたりする姿もみかけた。
…圧迫面接?いまどき?いろいろな面接官の方が来ているので、やり方もそれぞれあるだろうとは、思う。
あの、カメの女の子も、そういう教室で面接受けたら、即泣かされてしまったかも。
「あなたお皿洗ってましたって何ですかこれ」「カメ?興味がカメって具体的にいうとどういうこと?小学生の飼育係じゃないでしょう」など、と。
そういうやり方もある。
でも、私は「まず聞こう」と思った。さらに、シート(履歴書)をみれば、だいたいどんな学生かはわかるものです。こちらもそのつもりで対処します。
アキさん、この子は、もうここまで書くのですら「いっぱいいっぱい」なんだ、と思った。
今日、この面接会に参加しただけでも、とんでもなく大変な決心で、よく来てくれたと思った。
総括になるけど、学生課の方々から「どの学生も、もう一歩の押し出しが弱いので、そのあたりのご指導をお願いします」と言われてもいました。
1次、2次面接あたりまでは進むけど、最終選考で残れない、という。
「自分を押し出す」ために必要なのは、まず「自分に自信を持つこと」です。
どんな商品でも、「これはいいです。本当にいいですよ!」と本人が本当にいいものだ、素晴らしいものだと信じていなければ、人には勧められない。
人も、モノも、同じ。
自分が自分を信じていなければ、押し出すことなんかできない。
こういうセミナーの面接においては、
まずは、「自信をつけさせる」ことが一番大事、だと思っています。
あなたは素晴らしい、それがあなたのいいところ、もっと自分の価値に気付いて。
面接以外のシーンでも、そういうことを言ってあげる大人が回りにいるだろうか、と思う。
とかく、こういった場(模擬面接)などでは、「悪いところ」を指摘して、注意する、という方向に流れる。それももちろん大事だし、
私も指摘して気付いてもらうようにしている。
でも、「これも悪い」「これもできていない」「これじゃ通用しない」などと、マイナスのことばかり言われては凹むばかり。
その子のいいところを何とか見つけて、本人に自覚させる。自信をつけさせる。
まずは、そこから、そしてそれが私のやるべきこと、だといつも思って面接官係をやっている。
だから私は圧迫はやらない。泣かせてどうする。それが成長につながるならいいけれど、模擬面接一回目から涙涙でいいのかと思う。
…アキさん、大丈夫。まだまだこれからだよ。来てくれてありがとう。
いろいろ、話してくれてありがとう。
私は、世界でたった1頭になってしまった長生きのカメに興味を持ったあなたが好きです。
たった1頭なんて、寂しいよね。人(カメだけど)の寂しさに気付けるあなたが好き。そういう感性をもったアキさん、それがあなたの素晴らしさです。
毎日、お皿洗ってくれたらきっとアキさんのお母さんは助かるよ。
…毎日毎日一人でごしごしお皿洗いながら、ひとりぼっちのカメのことを考えているこの女の子を思うと、私は少し涙がでそうになる。
このままいったら、たぶんこういう子は面接で残れない。
…押し出しが弱い?人前ではきはき話せない?それがいったい人間の価値につながるのかと思う。
がんばれ、アキさん。
毎日お皿洗ってるの、いいじゃない。興味がカメでも、いいじゃない。
私はあなたみたいな子が大好きです。
(^^)/~~~
検索でたまたま来たのですが、この文章を見てなんだかすごくほっとしました。やっぱり話を聞いてくれる人がいるっていうのを実感できました。
私は海外から帰ってきたばかりで、友達もいません。いやなことばかりやって毎日すごしています。
でもやっぱり。
この文章を見て元気づけられました!
もっと書きたいことはイロイロ在ったのですが、今は文章に出来ないので、またこんどおじゃましてもいいでしょうか??
失礼しました^^
海外から帰国なさったのですね。お帰りなさい(#^.^#)日本は久しぶりですか?寒いですか?やっぱり花粉とか気になります?海外にも花粉症とかあるんですか?
またいろいろお話しましょう!
暖かくして、お過ごしくださいね(^_-)-☆
お元気でね!(^.^)/~~~