リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2017年6月18日 映画・時代屋の女房

2017-06-18 22:06:07 | Weblog

 全体的には暗い印象の映画。だけど、笑顔が素敵な夏目雅子さんが登場すると画面が一気に明るくなる。不思議な人だ。若くして亡くなったから余計にそう感じるのかも知れないが、年を取る姿を見たかった。カラッとしていて気風がいい。スタイルは抜群だし、セリフもハッキリしていて聞き取りやすい。頑張ってセリフの練習をしたのだろうな、と思わせる素人のような初々しさもある。亡くなった当時、多くの俳優仲間や監督が彼女の死を悼んだ。その気持ちがこの映画を観て、よく分かった。彼女以外の出演者も個性的で味のある人たちが多い。津川雅彦さんの嫌らしい感じや朝丘雪路さんの妙な色気。名古屋章さんの豪快な笑い、大坂志郎さんの控え目な演技、陰湿で粘っこい渡瀬恒彦さん。それぞれが上手く絡み合って素晴らしい作品に仕上がった。派手なドラマ展開はない。ラストで夏目雅子さんが何事もなかったかのように、ケラケラと笑いながら日傘を手に歩道橋の階段を下るシーン。何気ない姿だが、とても印象に残った。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする