2017年2月27日 作家・又吉直樹

　芥川受賞からしばらく時間が空いた。二作目を世に送り出すために又吉さんは書き続けた。その姿を追ったドキュメント番組が昨夜NHKで放送された。半年にわたり彼を取材。番組の放送時間は短かったので、僅かな場面しか垣間見る事は出来なかったが久々に面白いドキュメントだった。横に付かれるとやり難い事も多かっただろう。でもそこはさすが芸人。自分を上手く見せる術も知っている。飾り気がなく自然体なのが凄くいい。36歳、と年齢を聞いてもそんなものかとも思うしもっと若そう、逆にもっと年長者にも見えるから不思議な人。幼少期からどこか人と違う、と本人が感じていたというから感性は確かなもの。醒めた目元も魅力的。究極の孤独、と言い切った小説を書く作業。メモやノートに頼らずにただPCに向かう姿はちょっと怖かった。それでも夜を徹して書きたいものを書き続けるなんていいなー。忘れていた、忘れようとしていたものをちらりと思い出させてくれた。ありがとう、又吉さん。