2017年2月14日 向田邦子と太田光

　太田光さんが向田邦子さんの作品について、尊敬の念を込めて書いた本を読んだ。なるほど、と感心させられる場面も多く読んでいて楽しかった。彼女を良く理解している。それは彼の感じた部分とこちらが思う部分が一致していたところが多かったせいかも知れない。友人、知人と向田さんの作品についてあれこれ話した事がないので、妙に嬉しくなった。こんな感性の人もいたのだな。もっともこれを読んだ多くの人々が同じ様に感じていたかも。そんな風に思わせる内容だった。ただ、途中でやたらに向田さんを褒めるのでちよっとやり過ぎ？　思いくどくない？　と感じたのも事実。向田さんは孤独で頑固で妹思いの優しい姉さん。男運と長生きの運には恵まれなかったが人生を精一杯生きられた。志半ばで亡くなられた事を太田さんも悔んでいたが、彼女のファンなら誰もが思う事。神様って意地悪だな。３５、6年前の夏、飛行機事故を伝えたラジオニュースを今も覚えている。日航ジャンボ機が墜落する数年前の事だったが、それよりも随分前の出来事の様に思える。時代がだいぶ進んだ。