伊丹監督が亡くなって早くも15年。その足跡を宮本さんがたどる番組を観た。ふわっとした雰囲気の彼女ならではの語り口で面白かった。子どもの頃にTVで観た伊丹十三は独特で、難しいことをぺらぺらとしゃべるお喋りな印象。それが何の番組だったのかは忘れたが彼のしゃべりは演技なのかそうではないものなのかが分かり難いと感じたことを覚えている。当時、結構な年齢だったとは思うが若者らしくなく、かと言って年配者の感じもせず、年齢不詳な感じがした。23歳と35歳で結婚した彼ら。宮本さん曰く「先生と生徒のような関係だった」とか。全ての決定権を伊丹さんが持ち、それに従う宮本さん。甘えん坊で酔うとひざまくらをせがんだ姿が可愛らしかった。そこには男と女、夫婦にしか分からない微妙な空気が流れ、いいなぁと思わされた。私ら夫婦にもそんな空間があるだろうかと考えたりもして・・・・。64歳で彼は自死を選んでいなくなった。でもそれはいかにも彼らしい終わり方だったではないかしら。約30年で夫婦生活は終了。彼女はいつかそんな日が来ることを予感していたのでは? 軽やかに見えるその姿にそんな気がした。ありがとう、宮本さん。今のあなたもとっても素敵ですよ。