かつて「親が長生きするのも子にとってはストレス」とつぶやいていた母。彼女の両親つまり私の祖父母は96歳と99歳まで生きた。共に長生きだったのだから本人たちにとっては人生を全うした大往生で幸せな最期だったと思う。しかも介護は全て娘たちの手によるものでこれ以上のものはない、って感じだった。端から見ているだけの私はのん気にしていたが実際に手を貸し続けていた娘たちはどれだけ大変だったか。祖父母には娘3人と息子がひとりの4人の子がいた。介護の担当は殆どが長女である伯母。距離的に近くに住んでいた事もあるがその為に近くを選んで住んだとも言えるようだ。その次に手伝っていたのが次女の母。三女は体が弱かったし長男に至っては長々と同居こそしていたが嫁姑問題で論外。つまり長女と次女のふたりが交代で介護の負担を背負った。介護保険などない10年~20年前の話。当時60代にもかかわらず頑張っていた娘達。今、自分が介護をされる立場になって昔を思い出しているとしたら”ごめんなさい。全くその気がありません”とは言い出し難い。けど、40代でもそんなの無理でっせ、と思うのに昭和ひとケタのあの世代は何でも引き受け、耐え続けていたのは何故? やっぱり戦争の時代に育ったせいか。我慢我慢で生きてきてここでも耐えている。どこかおかしい。そして悲しい。かと言って楽な老後をプレゼント出来ずにいる自分にも腹が立つ。が、何が出来る?