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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

シンガポール航空国際カップ&カーリーの解釈

2006-05-16 22:44:02 | 海外競馬
 14日にシンガポールでシンガポール航空インターナショナルカップというGⅠ(日本ではアメリカと同様にGradeのGですが,シンガポールではヨーロッパ同様にGroopのようです)競走がありました(なお,レース映像を紹介したかったので,シンガポールターフクラブにリンクしたので英語です,映像は下の方の「Race Video」をクリックしてください)。ここにホッカイドウ競馬所属のコスモバルクが出走し,見事に勝利を収めています。
 この馬は2歳時にJRAの500万条件を勝って以降,1戦を除いて中央か海外で走っているという馬。2歳でGⅢを勝つと,3歳時には弥生賞とセントライト記念でGⅡ2勝,皐月賞とジャパンカップでは2着でした。4歳の昨年は不振で,今年も緒戦の日経賞で敗れていたのですが,ここで大仕事をやってのけました。
 地方所属馬が海外で勝つこと自体初めて。鞍上の北海道の五十嵐冬樹騎手は,初のGⅠ勝ちを海外で達成しました。必ずしも強い相手というわけでもなく,2000メートルはおそらくこの馬の最適の距離で,勝つ条件が揃っていたとはいえ快挙には違いありません。ドバイのハーツクライもそうですが,僕個人としては,野球のワールドカップで日本が優勝するより嬉しいニュースです。

 すべての個体が精神を有するということについて,言及している人はそう多くありません。まあ,三角形が精神を有すると考えられるような言明について,真面目に考える気にならないとしても不思議ではないでしょう。
 カーリーはこれは常識的に精神を有すると考え得るものが精神を有する解釈するべきだという意味のことを述べていて,それはカーリーによるスピノザ解釈であると同時に,カーリー自身の考え方でもあると思われます。ただカーリーは,なぜこの一文がそのように解釈されるべきであるかを,あまりきちんと説明していません。そして僕がエチカを読む限りでは,このような解釈を許容するべき部分はないように思えるのです。
                         
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朝日オープン&第二部定理一三備考

2006-05-15 21:21:40 | 将棋
 朝日オープン第四局は先手の藤井九段の四間飛車に後手の羽生選手権者が△5三銀右(実際には後手の3一の銀は動いていないわけですが)型の超急戦。
 定跡的には先手がよいとされていたようですが,後手の端攻めが意外に厳しかったようです。藤井九段のカウンターによる反撃もかなり鋭かったのですが,あと一歩届かずといった感じで羽生選手権者の勝ち。3勝1敗として,朝日オープン3連覇となりました。
 ファンとしては4局で終ってしまったのはちょっぴり残念ではありますが,この第四局はそれを補ってあまりあるような名局で,プロの将棋を十分に堪能できたと思います。

 今日からのテーマは第二部定理一三の備考,中でも岩波文庫版では109ページの中ほどにある「すべての個体は程度の差こそあれ精神を有しているのである」という一文に関してです。
 これを文字通りに解釈するなら,人間も,馬も,蜘蛛も,雑草も,石鹸も,三角形も(僕があげたのは物体ばかりではありますが)精神を有するということになるでしょう。とすると,いかにも馬鹿げたことをいっているかのように思えます。まあ,馬とか蜘蛛,もしかしたら雑草あたりまでは精神を有すると認められる人がいるかも分かりませんが,石鹸や三角形が精神を有すると真面目に考える人は,ほとんど,あるいはまったくいないでしょう。
 そこで今回のテーマは,この一文をどのように理解するべきなのかということです。もちろん,僕は『エチカ』のことは『エチカ』に訴えて考えます。
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ヴィクトリアマイル&第二部定理一二まとめ④

2006-05-14 22:27:50 | 中央競馬
 第1回ヴィクトリアマイルは好スタートから一旦インの好位に控えたダンスインザムードが,直線で前が開いたところを楽々と抜け出して快勝しました。GⅠとしては楽勝の部類だったと思います。
               
 大外枠から直線でも一番外を息長く伸びたエアメサイアが2着を確保。先週に引き続き内側が有利な馬場状態でしたので,2着とはいえかなり強い競馬。枠順が逆であれば結果もまた違ったかもしれません。3着には僅かの差でしたがディアデラノビアが食い込んでいます。
 ラインクラフトはパドックからややテンションが高めで,スタートもうまくいきませんでした。はっきりと断言はできませんが,状態面が敗因ではなかったかと思います。

 明日は朝日オープンの第四局です。羽生選手権者が勝てば防衛。後手番だけに作戦が注目されます。

 最後の疑問,すなわち身体の中に起こることということで,スピノザが何をいわんとしているのかということについては,残念ながら現在の僕の能力では分からないとしかいいようがありません。ただ,それが,人間の身体を組織しているある部分が,ほかの物体と関係することによって運動をするということではないと考えます(これは,第二部定理九系が第二部定理九の帰結事項ではないというのと同じ意味です)。僕は共通概念を暫定的な結論として与えましたが,正しいという気はあまりしません。ただ,自分の身体の中に起こることについて,我々人間が,何らかの十全な観念を有するとスピノザが考えていることだけは間違いないでしょう。
 これで第二部定理一二を巡るテーマは今回は終わりにします。明日からは別のテーマについて考えていくことにします。
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名人戦&定理一二まとめ③

2006-05-13 21:08:43 | 将棋
 一昨日と昨日に指された将棋の名人戦第三局は,谷川九段の先手番で,▲7六歩△3四歩▲6六歩という出だしから相矢倉になりました。多少のつば競り合いの後,先手から本格的に攻撃を仕掛ける形となり,結局はその攻めが最後まで途切れることなく先手の勝ち。難解な将棋ではあったものの,谷川九段からみれば快勝という結果に終わり,対戦成績を1勝2敗としました。森内名人の3連勝では今後への興味が薄れる感もあったので,将棋ファンとしてはよかったかなと思います。森内名人からすれば迷惑千万な希望でしょうが。将棋の内容について,渡辺竜王神崎七段が図面を使って解説されています。第四局は18日と19日。記事は20日です。
 明日は今年から新設のGⅠ,ヴィクトリアマイルです。馬場状態が微妙ですし,また18番ですが,エアメサイア◎に期待します。ラインクラフト○もほぼ互角ですが,昨秋からのレースの使い方が僕の好みではありません。レースにいって力を発揮できないケースが往々にしてありますが,ダンスインザムード▲があっさり勝っても不思議ではないです。ここはこの3頭がかなり強力。可能性を残す馬として,ヤマニンシュクル△とディアデラノビア△をあげておきます。

 第二の疑問に関しては,僕は定理九から定理九系を導くことはできないと結論します。定理九から定理九系を導くためには,観念の対象の中に起こることの原因は,観念の対象であるということが前提されなければなりませんが,これは無条件に前提できないと考えるからです。よって,この流れで定理一二を導くことはできないと思います。しかし,定理九系は定理七とその備考からは導き得ますから,定理九系の内容,そして定理一二の内容のうちには,その因果関係を離れた部分において,なお保持するべきものがあると考えます。すなわち,定理九から定理九系,そして定理一二が導き得ないと結論したからといって,定理九系と定理一二が不成立であるとは僕は考えません。
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井上雅央&定理一二まとめ②

2006-05-12 21:32:20 | NOAH
 10日のコメントにレスしてあります。
 昨晩はG+で独占ノア情報があったので見たのですが,前に井上雅央選手について書いた記事に誤りがあったことに気付いたので訂正しておきます。武道館でのタイトル戦について,井上選手がシングルのタイトルに挑戦するのは初めてと書いたのですが,前に白のGHC(グローバルハードコア)のタイトルには挑戦したことがあったようです。したがってその点は間違いでしたね。ただ,シングルマッチでメーンイベント出場というのはこのときが初めてであったと思いますし,タッグマッチも含め,日本武道館でメーンイベントに出たのもこれが初めてだった筈です。

 最初の疑問についてですが,自然のうちに存在するもので神なしに存在したり概念できたりするものはない(第一部定理一五)のですから,個物の認識は一定の仕方で神の認識に依存します。つまり,自然のうちに存在するもので,それ単独で認識し得るものは何もないのです。で,この疑問というのは,まさに人間の身体や人間の精神をそれ単独で認識しようとするから生じるような疑問なのであって,疑問のあり方自体がエチカにおいては誤りであるといえます。むしろ人間の身体や人間の精神を神と関係付けて考える限り,この疑問の内容(人間が,自分の身体については十全に認識しないのに,自分の身体の中に起こることについては十全に認識し得ること)は少しもおかしくありません。したがってこの疑問については完全に解消できたものと考えます。
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ニーチェとスピノザ・孤独&第二部定理一二まとめ①

2006-05-11 22:49:27 | 哲学
 昨日のコメントにレスしてあります。
 ニーチェはスピノザについて,孤独な哲学者といういい方をすることがあります。ドゥルーズのことばを借りれば,ふたりともハンマーを持って哲学する在野の哲学者(講壇哲学者の逆の意味で)であり,また存命中はその哲学が社会的な非難を浴びせられたという意味で(両者とも無神論といわれましたが,無神論というのは野蛮という意味を帯びていた時代です)似通っていた部分もあり,その意味でニーチェがスピノザに自身をなぞらえるのは理解できます。ただ,ニーチェのいい方には,少し揶揄している印象も僕は受けます。それはスピノザが生涯独身であったという意味での孤独なのですが,実はニーチェも独身を通していたので,この揶揄は僕にはよく分からないのです。

 第二部定理一二定理九系から直接的に帰結します。そしてその意味は,人間の精神は自分の身体の中に起こることについて,十全な観念を有するということでした。そして僕の疑問は以下のみっつに分けられます。①人間の精神は,自分の身体の十全な観念をもたないのに,なぜ自分の身体の中に起こることについては十全な観念をもてるのか。②定理一二は定理九系から直接的に帰結するが,定理九系は定理九の帰結事項といえるのか。③スピノザが定理一二で身体の中に起こることというとき,スピノザはそのことばで具体的に何を意味しようとしているのか。
 
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羽田盃&身体の中に起こること

2006-05-10 23:24:54 | 地方競馬
 羽田盃は11番ゲートからサンキューウィンが逃げ,二番手に同じ厩舎のグッドストーンという展開になったため,ペースがあまり速くならず,結局そのままでワンツー。すべての前哨戦同様にここも逃げ切りで決まりました。後方から早めに動き,直線は大外を伸びたトキノシャンハイがゴール寸前で3着を確保しました。勝った左海誠二騎手のインタビューはこちらです。
 明日から名人戦の第三局。決着は12日,記事は13日です。

 共通概念を身体の中に起こることと考えれば,定理九系の内容,そして定理一二の内容を保持することはできると思います。この場合,身体の中に起こることというのを,人間の身体の本性から必然的に導かれる特質と考えていますから,ある具体的な運動の場合とは異なって,その原因について考慮する必要はないからです。そして,この定理一二に関する僕の疑問を,エチカに訴えて解決する方法としては,今のところ僕にはこれ以外には思いつきません。しかし一方で,この解釈はどうも正しくないような気もしているのです。でも,今の僕の力では残念ながらこれ以上は先に進めないので,いずれはこの問題にまた立ち戻ることがあるかもしれませんが,一旦はここでこのテーマを終えることとし,明日からはまとめに入ることにします。
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大垣記念&共通概念

2006-05-09 20:15:16 | 競輪
 大垣記念は永井選手の先行を稲垣選手が巻き返しにいったところで落車。このあおりで山口選手と佐藤選手も落車したため隊列が短くなり,そこを荒井崇博選手が自力で捲って優勝。荒井選手マークの合志正臣選手が2着で3着には青木佳辰選手が食い込みました。
 荒井選手の記念Vは昨年8月の函館記念以来です。

 明日は大井で南関東牡馬クラシック第一弾の羽田盃。あまりレベルの高くない中で混戦,前哨戦も逃げ切りばかりで難しいです。内田博幸騎手が乗らないというのはイヤですが,一応の中心はサワライチバン◎でしょう。ただしグッドストーン○との実力差はほとんどないと思います。あっさり勝つ可能性があるのはサンキューウィン▲。あとトキノシャンハイ△とカネショウアトラス△もあげておきます。

 第一部定理三九のような仕方(第一部定理三八も同様です)で人間が認識する観念を,『エチカ』では共通概念といいます(第一部定理四〇備考一参照)。
 スピノザは共通概念を公理と等置しますが,確かに公理はこうして僕たちの知るところとなるのでしょう。で,人間の身体の特質というのは,人間の身体の本性から必然的に導かれるわけですから,人間の身体の特質を人間の精神が十全に認識することに関しては,たとえ人間の精神が自分の身体の十全な観念をもたないとしても,論理的に齟齬は来しません(これについては最初の疑問以下の考察を参照してください)。
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棋聖戦&定理三九証明

2006-05-08 21:02:30 | 将棋
 棋聖戦の挑戦者決定戦は後手の鈴木八段のごきげん中飛車に,先手の羽生三冠が角交換から▲9六歩という佐藤棋聖を意識したような(この手順は佐藤棋聖のごきげん中飛車に対する得意戦法)指し方。その後,持久戦となって互いに手待ちを繰り返し,千日手(昨年度の挑戦者決定戦の羽生・三浦戦は持将棋指し直しでした)も懸念されましたが,後手の方から打開したような感じになり,激しい攻め合いとなりましたが,羽生三冠の攻め筋が切れ模様となり,最後は鈴木八段が即詰みに討ち取り挑戦権を獲得しました。鈴木八段はA級からは陥落してしまいましたが,さすがに実力者です。佐藤棋聖と鈴木八段の番勝負は初めて。第一局は6月5日です。
 明日は競輪の大垣記念の決勝。二分戦なので難しいです。僕は先行争いがあるとみて加藤慎平選手◎に期待。後ろの山口富生○選手にもチャンスはあるでしょう。稲垣選手がすんなり先行なら荒井崇博選手▲の出番。この場合には合志正臣選手△も怖いです。

 人間の身体が外部の物体Aに刺激を受けるとき,人間の身体にもAにも共通の特質Xがあるとします。特質は事物の本性から必然的に導かれるので,Xの観念は神が人間の身体の観念を有する限りでも,Aの観念を有する限りでも,同じように神のうちにあるでしょう。したがってこの場合(人間の身体とAが刺激し合う場合),人間の精神はXを認識するでしょうが,それは十全な観念であるということになります。なぜならXの観念が人間の身体の観念を有する限りで神のうちにあるということは,人間の精神がXを十全に認識するというのと同じ意味だからです。これで定理三九は証明できました。
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NHKマイルカップ&特質

2006-05-07 22:46:06 | 中央競馬
 第11回NHKマイルカップはロジックが勝ってファイングレインが2着。
 降雨というコンディションの関係もあったかもしれませんが,レース中終始インコースを回ってきた2頭が後続を少し離してのワンツーとなりました。ということは,大外枠だったフサイチリシャールにはそれ自体が大きなハンデだったのでしょうし,マイネルスケルツィは出遅れた上に引っ掛かってしまい,あれではディープインパクトでもない限りGⅠは勝てませんね。

 明日は将棋の棋聖戦の挑戦者決定戦です。

 第二部定理三九を理解するためには事物の特質proprietasとは何かということを理解する必要があります。
 特質とは,もちろん事物のある性質のことですが,とくに,事物の本性essentiaから必然的にnecessario導かれる性質のことです,つまり,因果関係にたとえれば,原因causaである事物の本性から結果effectusとして生じるような事物の性質のことで,この意味においては(原因と結果がそうであるように)本性の対義語であるということになります(事実,スピノザはしばしば本性と特質を対立的な意味で用います)。
 事物の本性は,各々の事物によって異なりますが,特質の場合には一致することがあります。たとえば,三角形と四角形は異なった図形であり,したがって本性としては完全に異なりますが,しかし,三角形にも四角形にも共通の性質というのはやはりあるわけです(もちろん異なった性質もあります)。それが事物の特質なのだと考えてよいだろうと思います。
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岸和田記念&第二部定理三九

2006-05-06 21:27:35 | 競輪
 また1日遅れとなってしまいましたが昨日決勝レースのあった競輪の岸和田記念。逃げた山崎芳仁選手の番手から抜け出した大分の大塚健一郎選手が優勝,西武園記念に続いて記念競輪連覇となりました。
 北日本と九州ですから,こういう連係は最初で最後になるかもしれません。大塚選手にとっては東のマーカーが不在であったのが幸いした感じです。また,それでも先行した山崎選手もさすがですね。
 2着は最後方から追い込んだ矢口啓一郎選手,3着は一丸安貴選手でした。

 そして,今日からは大垣記念が始まっています。決勝は9日。こちらは前日に予想して当日に掲載する予定です。

 明日はNHKマイルカップです。フサイチリシャール◎とマイネルスケルツィ○は,戦ってきた相手や着差を考えるとほぼ互角。この2頭がここは強力です。大外と最内というのはちょっとイヤですが,一方が崩れることがあっても,もう一方は勝ってくれるのではないかと思います。ほかの馬をあげるとなると難しいですが,最も魅力を感じるのはキンシャサノキセキ△。レースにいって少し抑えすぎている感じがします。そして鞍上(武豊騎手)込みでロジック△。それからドラゴンウェルズ△まで。

 第一部定理九から第一部定理九系を導くことはできないが,第一部定理七とその備考から考える限りでは第一部定理九系の内容には保持するべきことが残っているという結論は,ある意味では矛盾したことをいっているのかもしれません。そこでこの齟齬に何らかの折り合いをつけるべく,多少は無理気味にでも『エチカ』に訴えるとしたら,そのヒントとなるのは第二部定理三九ではないかと考えます。
 「人間身体および人間身体が刺激されるのを常とするいくつかの外部の物体に共通でかつ特有であるもの,そして等しくこれら各物体の部分の中にも全体の中にも在るもの,そうしたものの観念もまた精神の中において妥当であるであろう」。
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かしわ記念&第二部定理九系の内容

2006-05-05 22:52:23 | 地方競馬
 かしわ記念は今日は2番枠から逃げの手に出たアジュディミツオーがそのまま逃げ切ってGⅠ4勝目。2着にブルーコンコルド,3着にサカラートと人気順に入り,えらく堅い結果となりました。ナイキアディライトは2番手からの競馬となったのですが,それでも大崩れはせずに5着となっています。
 ところで,川崎記念のときもそうだったのですが,今日もアジュディミツオーは外に張り出してきました。左回りだとそういう傾向があるのかもしれませんが,やや後味の悪さを残すだけにちょっと残念ではあります。

 第二部定理九系が第二部定理九から導けないとはいえ,だから第二部定理九系が保持している内容がそれで無効になるとも僕には思えないのです。形相的にAがあって,このAの中に特有のXがあるなら,第二部定理七の実在的な意味からして,Xの観念はAの観念の中にあるでしょう。そしてそうであるなら,Xの観念はAの観念を有する限りで神のうちにあるというべきであって,Aの観念とさらにほかのものの観念を有する限りで神のうちにあるという方が,どう考えてもおかしく思えるからです。
 したがって,第二部定理九系の内容には,なお保持するべき点があると僕は考えます。それではこの内容というのをどう考えたらいいのでしょうか。
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朝日オープン&定理九と系の関係

2006-05-04 20:36:06 | 将棋
 朝日オープン第三局は後手・藤井九段の四間飛車に羽生選手権者は5七銀左の急戦で対抗。羽生選手権者がこの形の将棋を指すのは久しぶりだったそうですが,どうも用意の作戦ではあったようです。中盤で藤井九段の方に疑問手が重なったようで形勢に差がついてしまい,結局終盤戦に突入することがないまま63手という短手数での投了となりました。これで羽生選手権者が防衛まであと1勝。第四局は15日に指されます。余談ですが羽生選手権者はチェスの大会に出場するため,一昨日までドバイに行っていたそうです。
 明日は船橋でかしわ記念GⅠです。ベストより1ハロン長いですがブルーコンコルド◎が中心。もちろん強敵はアジュディミツオー○です。モエレトレジャー…の出方次第ですが逃げられればナイキアディライト▲の残り目も。この3頭が強力だと思います。サカラート△が来ても不思議ではありませんが,ローテーションがきついし,距離も短いと思われます,

 まず,定理九から定理九系を導いている部分に注目すれば,結論として,僕は定理九系定理九から導くことはできないのだろうと思います。なぜなら,定理九から定理九系を導くためには,観念の対象の中に起こることの原因(十全な)が,観念の対象であるということが前提となっていなければならないのですが,少なくとも観念の対象の中に起こることというのを,常識的な意味で理解する限りは,それを無条件に前提できるとは思えないからです。したがって定理一二についていえば,それを,定理九,定理九系,定理一二という順序で導くことは不可能であろうというのが僕のひとつの結論です。
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かきつばた記念&不成立の原因

2006-05-03 20:39:04 | 地方競馬
 30日のコメントにレスしました。
 かきつばた記念は川崎のロッキーアピールが逃げ切ってGⅢ2勝目。鞍上の山崎誠士騎手は嬉しい重賞初制覇となりました。好スタートから一旦はインコースに控えたプリサイスマシーンが2着。3着には吉田稔騎手に乗り替わったコアレスタイムが猛然と追い込み,スタートで安目を売ったメイショウボーラーは4着,レイナワルツは5着でした。

 明日は朝日オープン第三局を記事にする予定です。また羽生選手権者の先手なので,居飛車vs藤井システムになるのか,あるいは…。

 第二部定理七とその備考から第二部定理九系と第二部定理一二を導く場合には,確かに成立するということを念頭に置くなら,今回の仕方でその同じものが不成立になるということは,その原因が今回の考察の仕方そのものの中にあるということを意味します。したがって,考えられる原因としては,次のふたつがあると思われます。
 まず,第二部定理九系を第二部定理九から導いたこと。この場合には,第二部定理九系は,第二部定理九の帰結事項ではないということになります。
 もうひとつは,人間の身体の中に起こることというのを,人間の身体の一部を組織している物体がある運動をすることだと考えたこと。この場合には,それではこのことをどのように考えればいいのかを考え直さなければなりません。
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フォーラン&もうひとつの不成立

2006-05-02 21:24:57 | 血統
 ブルーコンコルドからアストニシメント(7-c)に至る途中に,フォーランという馬が出てきます。1932年産まれのこの馬,李王職蘭谷牧場が生産牧場で,朝鮮産となっていますが,これ,植民地時代の満州に作った牧場なのです。大陸は広いですから,そこでサラブレッドの生産をしようとしたことは自然なことだと思うのですが,考えてみれば随分と手間の掛かることをしています。日本で産まれた馬をわざわざ満州まで運び,そこで産まれた馬を今度はまた日本まで連れて帰るわけですから。もちろん当時はまだ馬の空輸はなかったであろうと思うので,船による輸送でしょう。そしてこの手間がなければ,今のブルーコンコルドはいなかったと考えると,何だか不思議な気もします。
 明日は名古屋でかきつばた記念があります。このメンバーなら59キロでもメイショウボーラー◎に期待しますが,あてにならない部分もありますので,軸ならプリサイスマシーン○の方がいいかもしれません。ただこのレースはここ2年は地元勢が勝っています。そこでレイナワルツ▲の出番もあるかもしれません。あとロッキーアピール△まで。

 定理一二は定理九系から直接的に帰結するわけです。なので,もしも定理一二が不成立であるのなら,定理九系も不成立でなければなりません。定理九系が成立するのに定理一二は成立しないということはあり得ないからです。またこのことは,僕が定理一二を不成立に導いたのと同じ方法で結論することもできます。なぜなら,そこで僕が人間の身体について考察した事柄は,少なくともすべての物体には妥当であって,そしておそらくは,すべての形相的な個物にも妥当であると考えられるからです。そしてそのように考えれば,ある観念の対象の中に起こることを,その観念が十全に認識するということ(定理九系はこのような意味に考えても間違いとはいえません)は,成立しないと結論することができるからです。
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