広島で指された第6期女流王座戦五番勝負第一局。女流公式戦での対戦成績は加藤桃子女流王座が4勝,里見香奈女流名人が6勝。ほかに女流の非公式戦で里見名人が1勝,奨励会編入試験で加藤王座が1勝しています。
振駒で加藤王座の先手。里見名人のごきげん中飛車で,⑤でしたが手順が相違しただけで①の変化に合流しました。後手に研究があったようですが,先手もうまく対応。全般的に主導権は後手が握っていましたが,だから後手の方がよかったというわけでもないように思います。
先手が歩を打った局面。後手は△4五銀と打ったので双方が退けない展開に突入。ここから▲4三角成△同金▲同歩成までは一本道でしょう。後手は△4六銀とこちらに進出。先手は▲5八金と馬に当てたので△3七銀成▲同桂△同馬まではまた一本道でしょう。先手は▲1八飛と逃げました。
この先手の指し方は駒損しておいて相手に手番を渡すのですから普通は損です。ですがいい位置にと金を作ってあるので,この場合にはあり得るのかもしれません。実際にこれで不利になったというわけでもないように思えます。
後手は一旦は△4六馬と引き,わざと▲5七銀打とさせてから△3六馬と寄りました。これは打たせた銀を後で狙いにするという構想だったものと思いますが,よい判断だったのではないでしょうか。
先手は手番を得たので攻めるところ。▲5二金から絡んでいくのと一段目に飛車を打つのと二通りが考えられますが,選択されたのは▲3一飛でした。
一段目に飛車を打つのならここに打ちたくなるところですが,この場合は打ち場所としてよくなかったのかもしれません。というのも△7六桂▲7七銀と進んだときに△7五角と打つ手が発生してしまったからです。
これが銀を狙いつつの飛車取り。先手が▲8二金△同玉▲6一飛成と進めたのは仕方なかったと思いますが△7一金とがっちり受けられて,ここからは後手の方がよいようです。
里見名人が先勝。第二局は来月3日です。
スピノザが破門される以前に,シナゴーグから将来にわたって年金を贈るという,離脱防止策の和解案を提示されていたことは史実とします。スピノザがなぜそれを断って破門される道の方を選んだのかは,「レンブラントの生涯と時代」の読解のためには僕にとって有利に働いてしまう可能性の方が高いので,棚上げしておくことにします。つまり和解案があったという史実だけに注目するという意味です。
その案があったということを,少なくともフラーフは知っていました。彼の発言の内容から,同時にそれはスピノザが破門されたことも知っていたということを意味しなければなりません。フラーフがそれをスピノザから聞かされたと考えられなくはありません。ファン・ローンJoanis van Loonはこのときの会話の中で,スピノザのことを我々の友人といういい方で表現している部分があるからです。僕はスピノザとフラーフは友人であったどころか会ったこともなかったという可能性もあり得ると想定していますが,もしそうでなかったとしても構いません。ローンのいい回しからすれば,もしこの一件をフラーフが知っていたなら,ローンも知っていたということになるであろうからで,その点が重要です。
僕があり得るとした想定の場合も考えましょう。フラーフは,ファン・ローンの訪問を受けた前日に発生した暗殺未遂の一件に関しては,高等警察から報告を受けたのですでに知っていると言っていました。では破門および和解案についても,フラーフはどこかから報告を受けてそれを知っていたのでしょうか。いい換えれば,フラーフが市長という立場にあったから知り得たことだったのでしょうか。僕にはそうは思えません。
異端思想を否認するなら年金を贈るというラビの申し出を拒絶したスピノザのことを敬服していると言ったフラーフの発言は,とても長い発言の一部です。その中でフラーフはかなりスピノザを高く評価しています。そしてこの長い発言が終了するとそれを受けてローンは,本当にフラーフがそこまでスピノザ,実際の文言としては我々の不幸な友人を賞賛するなら,フラーフはスピノザを保護する手段をとるだろうという主旨のことを言います。
振駒で加藤王座の先手。里見名人のごきげん中飛車で,⑤でしたが手順が相違しただけで①の変化に合流しました。後手に研究があったようですが,先手もうまく対応。全般的に主導権は後手が握っていましたが,だから後手の方がよかったというわけでもないように思います。
先手が歩を打った局面。後手は△4五銀と打ったので双方が退けない展開に突入。ここから▲4三角成△同金▲同歩成までは一本道でしょう。後手は△4六銀とこちらに進出。先手は▲5八金と馬に当てたので△3七銀成▲同桂△同馬まではまた一本道でしょう。先手は▲1八飛と逃げました。
この先手の指し方は駒損しておいて相手に手番を渡すのですから普通は損です。ですがいい位置にと金を作ってあるので,この場合にはあり得るのかもしれません。実際にこれで不利になったというわけでもないように思えます。
後手は一旦は△4六馬と引き,わざと▲5七銀打とさせてから△3六馬と寄りました。これは打たせた銀を後で狙いにするという構想だったものと思いますが,よい判断だったのではないでしょうか。
先手は手番を得たので攻めるところ。▲5二金から絡んでいくのと一段目に飛車を打つのと二通りが考えられますが,選択されたのは▲3一飛でした。
一段目に飛車を打つのならここに打ちたくなるところですが,この場合は打ち場所としてよくなかったのかもしれません。というのも△7六桂▲7七銀と進んだときに△7五角と打つ手が発生してしまったからです。
これが銀を狙いつつの飛車取り。先手が▲8二金△同玉▲6一飛成と進めたのは仕方なかったと思いますが△7一金とがっちり受けられて,ここからは後手の方がよいようです。
里見名人が先勝。第二局は来月3日です。
スピノザが破門される以前に,シナゴーグから将来にわたって年金を贈るという,離脱防止策の和解案を提示されていたことは史実とします。スピノザがなぜそれを断って破門される道の方を選んだのかは,「レンブラントの生涯と時代」の読解のためには僕にとって有利に働いてしまう可能性の方が高いので,棚上げしておくことにします。つまり和解案があったという史実だけに注目するという意味です。
その案があったということを,少なくともフラーフは知っていました。彼の発言の内容から,同時にそれはスピノザが破門されたことも知っていたということを意味しなければなりません。フラーフがそれをスピノザから聞かされたと考えられなくはありません。ファン・ローンJoanis van Loonはこのときの会話の中で,スピノザのことを我々の友人といういい方で表現している部分があるからです。僕はスピノザとフラーフは友人であったどころか会ったこともなかったという可能性もあり得ると想定していますが,もしそうでなかったとしても構いません。ローンのいい回しからすれば,もしこの一件をフラーフが知っていたなら,ローンも知っていたということになるであろうからで,その点が重要です。
僕があり得るとした想定の場合も考えましょう。フラーフは,ファン・ローンの訪問を受けた前日に発生した暗殺未遂の一件に関しては,高等警察から報告を受けたのですでに知っていると言っていました。では破門および和解案についても,フラーフはどこかから報告を受けてそれを知っていたのでしょうか。いい換えれば,フラーフが市長という立場にあったから知り得たことだったのでしょうか。僕にはそうは思えません。
異端思想を否認するなら年金を贈るというラビの申し出を拒絶したスピノザのことを敬服していると言ったフラーフの発言は,とても長い発言の一部です。その中でフラーフはかなりスピノザを高く評価しています。そしてこの長い発言が終了するとそれを受けてローンは,本当にフラーフがそこまでスピノザ,実際の文言としては我々の不幸な友人を賞賛するなら,フラーフはスピノザを保護する手段をとるだろうという主旨のことを言います。
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