スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典桜花賞&則することと反すること

2021-03-31 19:11:00 | 地方競馬
 名古屋から1頭が遠征してきた第67回桜花賞。ウワサノシブコは感冒のため出走取消で10頭。
 すぐにケラススヴィアがハナに立ち,2番手にスマイルミュ。3番手はグロリオーソとレディブラウン。5番手にプレストレジーナ。6番手にティーズアレディーとサブルドール。8番手にスセリヒメ。9番手にニジイロで最後尾にアイカプチーノという隊列で1周目の正面を通過。10頭が一団でした。前半の800mは51秒5の超スローペース。
 なかなかペースが上がりませんでしたが,2周目の3コーナーからスマイルミュがケラススヴィアに並び掛けていってペースアップ。ここでレディブラウンが一時的に離され,内からグロリオーソが3番手に。直線の入口ではケラススヴィアの手応えが楽で,並び掛けていったスマイルミュは押してついていく形。直線に入るとすぐにケラススヴィアが振り切り,そのまま楽に逃げ切って優勝。スマイルミュを内から差したグロリオーソが3馬身差で2着。ペースアップしたときには対応できなかったものの,最後までじわじわと伸びてきたレディブラウンがフィニッシュ直前で一杯になったスマイルミュを差して3馬身差の3着。スマイルミュがクビ差で4着。
 優勝したケラススヴィア東京2歳優駿牝馬以来の勝利で南関東重賞3勝目。前走は負けましたが,相手より斤量が1キロ重かった上での僅差。成長もあったでしょうが体重も13キロ増えていてのものでした。今日は前走の勝ち馬が出走取消になった上,体重も7キロ絞れていて,有利な枠も引けましたから,負けられないところ。順当な勝利といえるでしょう。ただこれだけ楽なペースで競馬をすることができてのものなので,どの程度まで高く評価することができるのかは不明な面も残りました。父はサウスヴィグラス。母の父はネオユニヴァース。祖母の3つ下の半弟に2006年に武蔵野ステークスを勝ったシーキングザベスト。Cerasus Viaはラテン語で桜の道。
 騎乗した船橋の森泰斗騎手ニューイヤーカップ以来の南関東重賞43勝目。桜花賞は初勝利。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞47勝目。第63回,65回に続く2年ぶりの桜花賞3勝目。

 神Deusの本性の必然性に則するとか,逆に神の本性naturaの必然性necessitasに反するといったことが,具体的にどのような意味をもっているのかということを考えておきます。
                                   
 スピノザがいう神の本性の必然性は,僕たちが一般的に使用することばでいえば,自然法則というのが最も近いと僕は思います。ただここでは注意が必要です。第三部序言でいわれているように,スピノザの哲学では自然Naturaの働く力agendi potentiaは常に同一です。したがって自然法則いい換えれば神の本性の必然性は,常に同一でなければなりません。僕たちは自然法則というとどうしても物理的な事象をイメージすると思うのですが,スピノザがいう神の本性の必然性つまり自然法則は,単に物理法則だけを意味するのではなく,思惟作用にも適用されるということには注意しておかなければなりません。しかし今は自然法則に則することや反することを具体的に示すことが目的なので,分かりやすく物理現象で示すことにしましょう。
 何が自然法則に反するのかということは,それほど難しく考える必要はありません。たとえば錬金術が成功することはないし,死んだ人間が生き返ることはないといったようなことです。つまり,いくら神の本性の必然性から無限に多くのinfinitaことが生じるのだとしても,金以外の何らかの金属を錬ることによって金が発生するということは生じませんし,現実的に存在するある人間,たとえばイエスが死んで埋葬された後に甦るというようなことも生じないのです。このことから分かるように,神の本性の必然性から無限に多くのことが生じるということと,神はどんな事柄でも生じさせることができるということは,同じ意味ではありません。現実的に存在している人間が死ぬということは必然ですが,死んだ人間が生き返るということは不可能なのです。
 もうひとつ,第一部定理二五にあるように,事物の本性essentiaの起成原因causa efficiensは神,つまり神の本性の必然性なのですから,事物の本性それ自体も神の本性の必然性に則しているのでなければなりません。他面からいえば,もしある事物の本性が神の本性の必然性に反しているとしたら,そうした事物自体は存在することが不可能であるということになります。

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