スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典さきたま杯&普遍数学

2019-05-29 19:03:22 | 地方競馬
 第23回さきたま杯
 主張したウインムートがハナに。キタサンミカヅキ,モーニン,サクセスエナジー,ブルドッグボスの4頭が2番手集団を形成。5番手にアンサンブルライフとコスタアレグレ。7番手にコウエイエンブレムとサンライズノヴァ。大きく離れてレヴァンタール。コスモマイギフトとミヤジマッキーはそこからさらに大きく離されました。前半の600mは36秒4のミドルペース。
 3コーナーを回るとブルドッグボスが内でサクセスエナジーが外の2番手に並び,ウインムートを追う形。コーナーの途中でブルドッグボスは失速し,その内からキタサンミカヅキが進出。モーニンも後退して外からサンライズノヴァが捲ってきました。直線に入るところでサクセスエナジーがウインムートに並び掛けるところまでいきましたが,直線ではウインムートが再びリードを広げていき,そのまま逃げ切って優勝。サクセスエナジーが2馬身半差で2着。内を回ったキタサンミカヅキが2馬身差の3着で外を回ったサンライズノヴァが4分の3馬身差で4着。
 優勝したウインムート兵庫ゴールドトロフィー以来の重賞2勝目。このレースは勝つ力がありそうな馬が6頭いて,そのうちの1頭。ただ,浦和コースは得手不得手が顕著に出るケースが多く,この馬は昨秋に大敗を喫していましたのでその点は気掛かりでした。2回目ということで慣れがあったのかもしれませんし,あるいは逃げの手に出たら楽なペースになったことがよかったのかもしれません。今年はこのコースでJBCスプリントが行われることになっていますので,そこに向けてという点では,コースに対する不安がなくなったのは大きいといえそうです。母は2004年に小倉2歳ステークスを勝ったコスモヴァレンチでその父はマイネルラヴ。6つ上の全兄に2012年に函館スプリントステークス,2013年にシルクロードステークスと兵庫ゴールドトロフィー,2014年にJBCスプリント,2016年に東京盃を勝ったドリームバレンチノ。Mutはドイツ語で勇気。
 騎乗した和田竜二騎手はさきたま杯初勝利。管理している加用正調教師は第12回以来11年ぶりのさきたま杯2勝目。

 デカルトRené Descartesのように幾何学を代数学に置き換えてしまえば,幾何学の対象も知性intellectusの外に存在をもたないとしてしまうことが可能になります。これはこれで利点もあります。数学は数学的原理だけですべて説明することが可能になり,形而上学に訴える必要がまったくなくなるからです。とりわけデカルトの哲学の場合,神Deusは思惟するものではありますが,物体的実体substantia corporeaは神とは別の実体と規定されます。ですから物体的実体を第一原因causa primaないしは最近原因causa proximaとして発生するものについて,それを数学の対象としなければならない必然性necessitasも欠いていえるでしょう。ですから,知性の外に存在する事物を数学の対象とすることができるか否かということは,スピノザの場合に特有の疑問であるわけではないといっても,その疑問がデカルトに投げ掛けられる場合とスピノザに投げ掛けられる場合とでは,意味合いには違いがあると考える必要はあります。
 スピノザの場合はデカルトのようにはいきません。スピノザはそもそも計算とか解析といったことは,それが数学であることを認めるにしても,枝葉末節にすぎないと認識していただろうと思われます。ですから幾何学を代数学に置き換えるという手法自体を採用することができません。いい換えれば数学の原理だけで数学のすべてを説明するのは,最初からスピノザの念頭にはなかったのだと解する必要があります。デカルトが幾何学に代数学を導入することによって普遍数学を導入したことに照合させていえば,スピノザには普遍数学という種の考え方は当初から存在せず,むしろ普遍哲学とか普遍形而上学というのがまずあって,数学というのはそこに含まれるような学問でなければならなかったと解するのが適切ではないかと僕には思えます。もちろんこのとき,数学だけがそういう普遍哲学ないしは普遍形而上学に含まれるのではなくて,あらゆる学問,それは自然科学であるか社会科学であるかを問わず,すべての学問がそこに含まれなければならないとみていたのだと僕は考えます。スピノザが幾何学を数学だと考えていたのも,本来はこのような観点から説明されるべきなのだろうと思います。
 もうひとつの理由はなお重大です。

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