スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ドンカスターマイル&認識不可能な属性

2024-04-06 19:10:36 | 海外競馬
 オーストラリアのドンカスター競馬場で行われたドンカスターマイルGⅠ芝1600m。
 オオバンブルマイは12~13番手あたりでレースを進めました。かなり横に広がる馬群のわりと内目を回りましたので,直線の入口では順位はもう少し上がっていたかもしれません。直線はスペースが狭かったこともありますが,追われてからほかの馬に対して伸び負けるという形。勝ち馬からの差はそれほどなかったものの,13着でした。
 この馬はザ・ゴールデンイーグルを勝ちましたが,それは世代限定戦で,年長の馬と走るのはこれが初めて。しかも能力の差を見せつけての優勝ではありませんでした。その点ではここは今後に向けての試金石となるレース。着順は悪かったのですが,それほど差がないところまで走れたのですからまずまずなのかもしれません。ただ今日のレースぶりだと,瞬発力にはやや欠ける面があるといえそうです。

 僕たちが認識するcognoscereことができない属性attributumについても,第二部自然学②補助定理七備考でいわれていることは,成立すると僕は考えます。
                                   
 僕がこのように考える根拠は,第二部定義七にあります。この定義Definitioは,僕が個物res singularisの複合の無限連鎖といっている事象があることを暗黙の前提としていると僕はみています。なぜ僕がそのようにみているのかということは,ここでは再考しませんので,考察した当時のものを読んで下さい。僕は当時の見解opinioを現在も維持し続けています。
 この定義は個物に一般の定義なのであって,物体corpusおよび物体の観念ideaだけに適用されるとは僕は考えません。むしろ僕たちが認識することができない属性の個物についても妥当すると考えます。第一部定理二五系の個物Res particularesは,第二部定理七でいわれている個物と異なると考える余地はありますが,Deusの属性を一定の仕方で表現するexprimere様態modiであるという点では,表現されるexprimuntur属性がどの属性であるかということを問わずに成立するといわなければなりません。それと同じことが,第二部定義七の個物にも成立しなければならないと僕は考えるのです。
 よって,僕たちにとっては認識不可能なXの属性があるとして,そのXの属性の個物にも,複合の無限連鎖が適用されるということになります。すなわちより単純な個物が協働してひとつの個物を形成し,そうした複雑な個物がさらにほかの個物と協働してより複雑な個物を形成するといった具合の連鎖が,無限に進んでいき,その先にはXの属性の間接無限様態があるということになります。もちろんここにも論理の飛躍があると僕は考えますが,延長の属性Extensionis attributumについていったときと同じ理由によって,この飛躍はここでは無視します。さらにこのことは,Xの属性を対象とした思惟の属性Cogitationis attributumにも成立するのは,このことが延長の属性に対応する思惟の属性にも成立するというのと同じ根拠によって成立することになるでしょう。なのでこの備考Scholiumでいわれているのは,明らかに延長の属性とそれを対象とした思惟の属性についてではありますが,同じことは僕たちに認識不可能な属性にも成立するでしょう。よってこの備考を根拠に,神をひとつの個体とみることができるのです。
コメント
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