スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スポーツニッポン賞鎌倉記念&國分の書評

2016-10-06 19:25:52 | 地方競馬
 北海道から4頭が遠征してきた昨晩の第15回鎌倉記念
                                     
 先手を取ったのはゴーフューチャー。この後ろにマルボルクシチーとサイバーエレキングが並んで追走。外を回って4番手にストーンリバー。さらに内のキャンドルグラスと外のルデマレが並んで続き,ここまではほぼ一団。少し差が開いてセイジーニアスとマイティキングの2頭。また開いてキャプテンロビンが続き,発走後の正面では離れた最後尾に置かれていたティーケーグラスが3コーナー手前ではこのあたりまで追い上げてきました。発走後の正面でペースが上がっていた分だけハイペースであったでしょうか。
 3コーナーを回るとサイバーエレキングは後退。単独の2番手にマルボルクシチーが上がり,3番手にストーンリバー。向正面半ばでは早くも鞭が入っていたキャンドルグラスが内を回って4番手に取りつき,大外を捲るようにティーケーグラスが5番手に。直線に入るところのコーナーワークで逃げるゴーフューチャーが後ろとの差を広げたのですが,マルボルクシチーの外からストーンリバーは脚を伸ばし,残り50m付近でゴーフューチャーに追いつくとそのまま差し切って優勝。逃げ粘ったゴーフューチャーが1馬身差で2着。内からしぶとく伸びて一旦は3番手に上がったキャンドルグラスを大外のティーケーグラスが捕えて1馬身半差の3着。
 優勝した北海道のストーンリバーは前々走で北海道重賞のブリーダーズゴールドジュニアカップを優勝。今年の北海道の2歳馬の中でも上位にランク付けできる馬なので,川崎コースに対応できれば間違いなく好勝負できると考えていました。2着馬とは通ったコースの差が大きいですし,こちらは遠征競馬だったことも考慮に入れれば,現状では着差以上の力量の差があると考えてよいのではないかと思います。血統面からは成長が見込めますので,今後の動向には注目でしょう。祖母の半兄に1989年のスプリングステークス,1990年のスワンステークス,1992年の東京新聞杯を勝ったナルシスノワール。同じく半弟に1998年のプロキオンステークスを勝ったテンパイ
 騎乗した北海道の井上幹太騎手は南関東重賞はこれが初勝利。管理している北海道の堂山芳則調教師は第10回,12回に続き3年ぶりの鎌倉記念3勝目。

 『破門の哲学』はすでに書評を掲載してありますので,ここでは重複を避けた説明をします。
 『スピノザの方法』の第六章に,『破門の哲学』についての言及があります。その中に,『破門の哲学』がスピノザの破門を描いた伝記的書物と思われているふしがあるという脚注があり,これは僕を驚かせるものでした。読んだ方であれば分かるでしょうが,これは伝記的書物ではありません。國分が同じ脚注でいっているように,理論的な哲学書として読まれなければなりません。
 僕はこの本を,スピノザの生活の背景にあるものとスピノザの思想とを比較して,スピノザの主張が変化していく要因を探求したものであるというように大雑把には解釈してます。一方,國分は,スピノザの哲学的方法論の転換の問題を主題とした最初の研究であるとし,とくに清水がスピノザが用いる「与えられたもの」という語句に注目したのは独創的でありかつ正確であると評価しています。
 『スピノザの方法』は方法論を主題として扱った書物なので國分がそのように評価したのかどうかは分かりません。ただ,僕の見解としていえば,清水が哲学的方法論について言及しているのは確かだけれども,哲学的方法論だけを主題として論じているというようには考えません。独創的なことは事実ですし,同じく國分が指摘しているように,この中には有益な指摘が含まれているのも間違いないと思います。
 ただし,國分が『破門の哲学』を全面的に肯定的に評価しているのかといえばそうではありません。國分は清水の主張は批判的に検討されなければならないと考えているようです。そして別の脚注においては,清水に対してふたつの疑問を投げ掛けています。そのうちのひとつは,清水がスピノザの方法論の考察の読解の対象として『エチカ』を軽んじているという点です。清水は『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』が未完に終わった理由を,方法論的な挫折として呈示しますが,それは『エチカ』によって克服されたと考え得るというのが國分のいわんとするところです。これは僕からするとドゥルーズに近い見解を國分は有しているという判断になります。ですがこの点については探求しません。
コメント
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