スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

順位戦回顧&本性の永遠性

2012-03-19 18:40:54 | 将棋トピック
 昨年6月に展望した第70期順位戦は,先週金曜のB級1組の一斉対局で全日程を終了。恒例ですので今年も回顧しておきます。
 A級は羽生善治二冠が9戦全勝で優勝。森内俊之名人にリターンマッチを挑むことになりました。本命にはしなかったものの,挑戦自体は驚くような結果ではありません。ただこのメンバーでの全勝は称えられなければならないでしょう。降級は丸山忠久九段と久保利明九段。
                         
 B級1組橋本崇載八段と深浦康市九段が昇級。名前をあげた5人のうちのふたりなので,順当といえば順当な結果に思えます。ただ,橋本八段が1期でここを突破したのは立派だといっていいのではないでしょうか。降級は藤井猛九段と中村修九段。
 B級2組は本命の広瀬章人七段が全勝で昇級。ずっと混戦が続いていたクラスで全勝は特記するべき出来事。もうひとりの昇級は飯塚祐紀七段で,こちらは僕には予想外でした。確かにこってり将棋が順位戦向きというのはあると思います。
 C級1組は大混戦となり,佐藤天彦六段と豊島将之六段で決まりました。佐藤六段の方は名前はあげませんでしたが,若手精鋭のひとりですから,順当な結果のひとつといっていいのではないでしょうか。
 C級2組は阿部健治郎五段,中村太地五段,船江恒平五段が全勝で昇級,名前をあげたひとりの菅井竜也五段は9勝1敗で届きませんでした。このうち船江五段は初参加での昇級で,これは凄いこと。菅井五段にも勝っています。もちろん昇級3人の結果にはケチをつけることができませんが,一応はリーグ戦という体裁を採用しているのですから,全勝が3人も出るというのは制度的に欠陥があることの証明のようには感じます。

 個物がそれが様態化している属性に包含されて存在する場合,その個物はその属性が存在するならば必然的に存在するということになります。そうでなければそれは属性に包含されているということにはなりませんから,これはそれ自体で明白な事柄です。しかるに第一部定理一九により,属性の存在は永遠です。よってこの様式で個物が存在するといわれる場合には,その個物も永遠に存在するといわれなければならないでしょう。いい換えれば,この場合には個物は永遠という観点から認識されなければなりません。よって第二部定理四四系二により,この仕方で個物を認識するということは,実は理性の本性に属するのだと僕は考えます。
 このこと自体は,これは個物に限らず,おおよそ事物の本性というものがどのようなものでなければならないかということを考えることによっても帰結すると僕は考えています。
 たとえば,三角形の本性には,その内角の輪が180°,つまり二直角であるということが含まれています。そしてこのことは,三角形が現実的に存在するか否かということとは関係なしに,真理でなければなりません。いい換えれば,三角形の内角の和が二直角であるということは,三角形が現実的に存在するかしないかということとは無関係なのです。つまり,たとえ三角形が現実的には存在しなくなるということがあったとしても,いい換えれば一切の三角形が一定の持続のうちには存在しなくなったとしても,なお三角形の本性にはその内角の和が二直角であるということが属していなければなりません。このことから分かるように,三角形の内角の和が二直角であるということは,一定の持続のうちの真理であるわけではなく,永遠の真理なのです。
 この三角形の本性に妥当することが,あらゆる事物の本性に妥当すると僕は考えます。よってある個物の本性を認識するということは,永遠の真理を認識していることに等しいのだと僕は考えるわけです。つまり一般に事物の本性を認識するということは,永遠の相のもとにその事物を認識するという意味であると僕は理解します。つまりこの仕方で個物の本性を認識することは,理性の本性に属すると僕は考えるのです。
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