スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王将戦&急死の状況

2011-12-01 18:56:42 | 将棋
 第61期王将戦挑戦者決定リーグは,一足先に全日程を終了した豊島将之六段が5勝1敗。4勝1敗で追う佐藤康光九段が広瀬章人七段に勝てばプレーオフとなる状況で,月曜の最終一斉対局を迎えました。この日までの対戦成績は佐藤九段の2戦2勝。
 リーグ戦ですから振駒はなく佐藤九段の先手。広瀬七段のごきげん中飛車に佐藤九段自身も開発に関わった③B。相銀冠の持久戦になることは多いのですが,本局は先手が矢倉に組む趣向。中盤が何とも不思議に思えた将棋でしたので,少し長めに。
                         
 ここで先手は▲1五角と打ちました。後手はすでに角を打っていますが,先手も手放すことになりますので,それなりの目算がなければ指せないような手に思えます。後手は△8一飛。この将棋は,全般的に後手の指し方が消極的だった印象が残っているのですが,これもその一手。ただ,先手が打った角を遊ばせるように指すという考え方は一理あります。先手が▲5六銀とぶつけたのに対して△6六銀とこちらの歩を取り▲同銀△同角で銀交換。▲7七桂は当たりではないのですが△4四角と引き上げました。すかさず▲5三銀ですが,さすがにこれは織り込み済みでしょう。△1四歩と突きました。
                         
 ここで▲5九角と逃げましたが,これは本局で最も驚いた手。△6九銀は誘われている気もしますが打ちたくなるところ。ここも▲6八金右が普通だと思うのですが▲6七金右と上に逃げ,△7八銀成▲同王としました。玉は薄くなるは角は眠りにつくはで先手がまずいように思えるのですが,△5五歩▲4七銀△5六歩▲同銀と5筋の歩を切った後,△4二金打と取ったばかりの金をこんなところに投入するようでは,そうでもなかったようです。手の意味は銀の入手。▲4四銀成△同歩で目論見達成。▲7五歩に狙いの△5八銀。ここから▲7四歩△同銀▲7五歩△8三銀と進みました。
                         
 ここで▲2六角。後手は△4五歩と桂馬を取りましたが,▲7四銀と打たれると結局△5三歩で目覚めた角筋を遮断することになり,どことなくちぐはぐな感じもします。対して何もせずに▲4四角と出たのですが,この手は思いつきもしません。貴重な手番を得た後手は△6四桂を選択。ここで▲6八王と寄り,△6七銀成▲同銀の交換を強要したのはうまい指し方だと思いました。△3三金上にすぐには切らず▲5五角と引き,△5四金と投資させてから▲3三角成。△同桂▲2二飛成となったところでは,先手がはっきりとよくなっているように思います。
                         
 第4図以下は後手の反撃が強力ではなく,着実に寄せた先手の勝ち。佐藤九段が1敗を守ってプレーオフに。対局は明日です。
                         

 納棺の儀の翌日となる10月4日が通夜。場所はの通夜と葬儀を執り行ったのと同じ斎場でした。もっとも,当時は母の異変が生じる前でしたから,母が運転する自家用車で行ったわけですが,今はそういうわけにはいきません。ただ,通夜のときはアパートの叔父も行くということでしたので,同乗することができました。
 通夜は午後6時から。ただ事前にしておかなければならないこともありますから,5時頃には現地に到着しました。そしてそこでようやく,K伯母の急死のときの状況というのがはっきりと分かりました。
 すでに説明しましたように,K伯母は死の前日には寺に出向き,そこで普通に昼食を摂っていました。母の方が先に寺をあとにしたようですが,その後で,М伯父がK伯母を入院中の病院まで送りました。ところが病院に戻ったK伯母は,気分が悪くなったそうで,その晩に病院で出された夕食にはほとんど手をつけなかったのだそうです。K伯母の病院からの外出というのが,このときが最初であったのか,それとも以前にもあったことなのかは僕には分からないのですが,いずれにしても入院中とは異なった1日を送ったということは間違いなく,その疲れで気分を害するということがあったとしても,それは不思議ではないように思います。
 午前3時頃に看護師が部屋を巡回しました。そのときにK伯母は目覚めていたということで,看護師が気分について尋ねたそうです。するとK伯母はだいぶよくなったという主旨の答えをしたとのこと。ところが30分ほど後に看護師が再びK伯母の部屋に来たとき,すでにK伯母の意識はなかったようなのです。
 最初はこれについて,食べ物を喉に詰まらせたためだと説明されたので僕は訝しく思ったのですが,実際には,窒息には違いないものの,喉に詰まったのは食べ物ではなく,K伯母の吐瀉物であったということです。そしてこれなら理解できる話です。看護師に声を掛けられた後,K伯母がまた眠ったのかどうかは分かりませんが,睡眠中にも嘔吐は生じますし,実際にK伯母は気分を害していたからです。そしてとくに睡眠中の嘔吐は,窒息の危険があるということは,僕も知っていました。だから僕も急死の状況にようやく合点がいったのです。
コメント
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