スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

JRA賞&最大の競争相手

2011-01-08 18:46:14 | 中央競馬
 2010年のJRA賞は6日に発表されました。例年同様,競走馬部門のみ紹介します。
 年度代表馬はヴィクトリアマイル秋の天皇賞を勝ったブエナビスタ。大レースの勝利数ではこれを上回る馬もいましたが,負けたレースもすべて2着。年間を通して最高のパフォーマンスを示したのは間違いなくこの馬で,妥当な選出と思います。個人的にも,投票権があれば,この馬に投じました。ほかに京都記念を勝っています。部門別では最優秀4歳以上牝馬で,一昨年の最優秀2歳牝馬,昨年の最優秀3歳牝馬で,3年連続の受賞。
 最優秀2歳は牡馬が京王杯2歳ステークスと朝日杯フューチュリティステークスを勝ったグランプリボスで,牝馬はデイリー杯2歳ステークスと阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったレーヴディソール。これらは各々の大レースが代表馬決定戦のようなものなので順当。とくにレーヴディソールは今年のレース振りを楽しみにしています。
 最優秀3歳は牡馬が皐月賞有馬記念を勝ったヴィクトワールピサ。三冠は3頭で分け合いましたが,有馬記念を勝ったのが大きな決め手で,順当な選出。ほかに弥生賞も勝ちました。牝馬は桜花賞,オークス,秋華賞の三冠を達成したアパパネ。こちらはこの馬以外にはあり得ません。昨年の最優秀2歳牝馬で2年連続の受賞です。
 最優秀4歳以上牡馬は宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタ。この部門はやや難しい選択だったと思います。僕に投票権があったとしても,エスポワールシチーとかなり迷ったでしょう。
 最優秀短距離馬は高松宮記念を勝ったキンシャサノキセキ。オーシャンステークスと阪神カップも勝っていて,ここは順当でしょう。
 最優秀ダートホースはフェブラリーステークスかしわ記念を勝ったエスポワールシチーで,これも妥当と思いますが,下半期はやや残念な結果でした。昨年も最優秀ダートホースで2年連続。
 最優秀障害馬は中山大障害を制したバシケーン。この部門は端境期で,過去の受賞馬と比べるとやや見劣りする感は否めませんが,大レース勝ち2頭のうちどちらを選択するかとなれば,こちらになるのは理解できます。

 マイペース平和主義者であると感じられる妹と比較するなら,僕たちは必要性という観点からいうならば不要な場合にも他と争うということに慣れた生活を送っているといえると思います。そして僕が妹と共に過ごす時間が増えて感じるようになったことは,実は僕たちの日々の生活において,最大の競争相手となっているもの,あるいは僕たちが最大の競争相手と目しているものこそ時間tempusなのではないだろうかということでした。
 僕たちは時間を無駄に過ごしたと思うと後悔します。また,忙しくなるとあたかも時間というものが自分を追っているかのように感じます。電車やバス,飛行機などの乗り物が時間通りに運行しないと,それがたとえ少しのものであったとしてもイライラを感じたりします。しかるにこうした事柄は,僕たちが時間というものを気にしているから,もしかしたら必要以上に気にしすぎているからだといえなくもありません。
 第二部定理四四の備考Scholiumでスピノザが示しているように,時間というのは人間の表象imaginatioです。しかるに妹はおそらく時間というものを表象しません。あるいは表象するimaginariとしても,僕たちとは違ってごく限定的にであると思われてなりません。つまり妹は,争うということの本質的な意味自体を知らないというだけでなく,僕たちが日常の生活において最も競争相手として争っているともいえる時間というものを,少なくとも僕たちほどには表象しないように思えるのです。これではマイペースになるのはむしろ必然的necessariusであるといえるのではないでしょうか。実際に妹は,時間が迫っているという理由で急ぐということは,急かされない限りはしませんが,逆にいくら時間的に余裕があるという場合でも,だからゆっくりするということもしません。あくまで時間的な意味でどんな状況であるのかということには関係なくマイペースなのです。そんな妹を見ていますと,どうもこの仮説は正しいのではないかと思えてならないのです。
 妹が平和主義者であるということで,だから僕たちよりも優れているのだということをいいたいわけでは必ずしもありません。ただ,次のことは確かにいえるようにも思います。もしもすべての人間が,妹が現に有しているような心性であったとしたら,たとえば科学技術は現にあるほどまでには発展しなかったでしょう。しかし一方で,世界は現にあるよりもずっと平和であったことでしょう。
コメント
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