スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦&マイペース

2011-01-06 20:48:56 | 将棋
 久保利明棋王への挑戦者が決定する第36期棋王戦挑戦者決定戦変則ニ番勝負第二局。
 変則なのでまた振駒。ここも広瀬章人王位の先手で中飛車に。渡辺明竜王は居飛車穴熊に潜りました。攻め合いで中盤が開始されましたが,先手は息切れして受けに回ることに。難しかったと思いますが,穴熊で攻めたのですから,後手ペースではあったろうと思います。
                         
 ここで☖6五銀と打ちました。部分的には変なところに銀を手放すわけで,決め手級の手でなければおかしいと感じました。しかし実戦は☗5五馬☖5七龍☗9一馬☖4五歩☗4七金☖5四龍と進み,☗4三歩と攻めの手番が先手に回ることに。以下☖同銀☗4二歩で第2図。
                         
 後手変調と思って観戦していましたが,ここで☖7一歩と打ったのが好手だったよう。対して受けずに☗同龍☖4四馬☗4一龍☖同銀☗4一歩成と攻め込んだのは,善悪は別に広瀬王位らしいと思いました。第3図に。
                         
 今度はここで後手が☖3六馬と踏み込み寄せ合いに。この寄せ合いは王手か詰めろの連続で先手玉を受けなしにできれば後手の勝ち,できなければ先手の勝ちという分かりやすい形に進展。後手が正しく寄せたか,また先手が正しく受けたかは不明ですが,結果的には受けなしとなり,後手が勝ちました。結果論ですが,第3図での踏み込みが勝因になったといっていいのではないかと思います。
 先輩の貫録を見せる形で渡辺竜王が挑戦者に。五番勝負は来月6日に開幕します。
                       

 僕は散歩をするとき,人混みはなるべく避けるようにしています。というのは,人混みでは自分のペースで歩くということができないからです。逆にいうとこれは,僕は好んで自分のペースで歩くということを意味しています。そうでないと歩くことによって僕はカタルシスを得ることができないのです。
 しかし,妹と一緒ですと,当然ながら僕は自分のペースで歩くというわけにはいきません。前にもいいましたが,僕は平均的には1㎞を10分程度で歩きますが,このペースだと妹はついてくることができないからです。したがって,妹と一緒の場合は妹のペースに合わせて歩くことになり,これが僕にとってはひとつの苦痛,肉体的な意味ではなく,精神的な意味での苦痛になり得るのです。
 それでも,単にスピードが遅いというだけであれば,それほど大きな問題とはならないのかもしれません。ただ,これはダウン症の人間一般の特徴としていえるのか,あるいは妹の個性になるのか分かりませんが,とにかくマイペースなのです。たとえば僕たちは,バスの時間が迫っていれば急ごうとしますし,あるいは信号が赤に変わりそうだとなればやはり急いだりするのが普通です。しかし妹はそうしたことにも我関せずで,一定のペースを崩すということをしません。これはもちろん歩く場合に限ってということではなく,普段の生活全般からして同様。少し寝坊したから急いで食事を摂るなどということは絶対にしませんし,身支度や歯磨きとかいったことに関しても同様です。よってそのような場合には急ぐことに慣れているこちらとしては,このマイペースぶりに焦りというかイライラを感じてしまうということがあるのです。どちらかといえば,妹を作業所まで送っていくときに僕が感じた精神的な負担の理由としては,時間の無駄よりもこちらの方が大きかったかもしれません。
 しかし,こうした日々を繰り返しているうちに,このようなことに精神的な負担を感じてしまうのは,むしろ僕の精神の方が病んでいるからなのかもしれないというようにも感じるようになってきました。急ごう急ごうとすることは,ある意味では合理的なことであるといえるでしょうが,必ずそうしなければならないというものではないからです。第四部定理四から明らかなように,人間は受動から逃れられませんから,このことが僕の精神的な負担となったのは事実ではありますが,逆に妹からひとつ教えられたという一面もあると僕は感じているのです。
コメント
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