スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王将戦&原因としての欲望

2007-03-20 22:06:56 | 将棋
 王将戦七番勝負第七局。昨日の段階で独創的な戦いになったといいましたが,佐藤棋聖の指し方はかなり意外性のあるものだったようで,渡辺竜王も図面を使って解説されていました。2日目に入って封じ手(39手目)は▲7八金上。ここから後手が左辺(先手から見て盤面の右側)の厚みを生かして押え込みにかかったのに対し,先手は封じ込まれる前にと左側から攻めかかりました。この展開の中で,53手目に▲9四歩と垂らしたのが一見するとぼんやりしているようですが,好手だったのではないかと思います。ここから先手は桂得に成功。さらに75手目に▲8三飛成とした局面では圧倒的優勢に立っているものと思います。僕は今日は7時前まで一度もアクセスする時間がなかったのですが,それは▲5三銀と打ちこんだところ。ここからは即詰みですので,本当に終りの場面だけでした。ただこれが107手目ということですので,後手もかなり不利な局面から随分と頑張ったようには思います。佐藤棋聖としては作戦がうまくいかず,一方的な敗戦となってしまいました。これで羽生王将が4勝3敗で防衛。王将獲得が通算10期となって,永世王将の称号も獲得しました。永世王将は大山一五世名人に続く2人目。大山永世王将は王将獲得20期ということで,羽生王将はまだ半分ですが,年齢を考えれば,少なくともそれに迫るところまではいけると思います。
 明日は高知で黒船賞。ここはリミットレスビッド◎,メイショウバトラー○,ニホンピロサート▲のJRA3頭が強力。ほかでは川崎のロッキーアピール△。
 浦和では桜花賞があります。こちらはタガタメ◎に期待。ブラックムーン○とアグネスターフ▲が相手で,カネショウバナナ△とパチョリ△も。

 人間には他人を裁きたい,他人を罰したいという欲望があって,この欲望をあたかも合理的に充足させる手段として,裁判や刑罰(犯罪)といったものが制度化された。この一環として,犯罪を犯した人間を刑罰に処し得るような概念として責任という概念も形成されることになった。これは,スピノザの哲学よりは,どちらかといえばニーチェとかフーコーといった思想家の考え方に近いものではないかと思いますが,このような考え方というのは,確かに因果論的な発生を含むような仕方で責任という概念を説明しているといえるのではないかと思います。同様に,ある何らかの秩序については,それを維持したいという欲望が人間のうちに発生することによって,それを維持させるための一手段として,責任という概念が産出されるに至ったと考えても,やはり同様に責任という概念の発生を,目的論的にではなく,因果論的に説明しているといえるのではないかと思います。いずれにしても,責任の一般論の中にはある誤謬があるのであって,そうであるからには第二部定理四〇の意味からして,発生の原因の方も誤った観念(混乱した観念)ですので,それが何かを特定することにはさしたる意味もないと思いますが,こうした方法が,責任の発生を因果論的に説明するひとつの方法であることは間違いないでしょう。
コメント (2)
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