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中国、9月自動車生産前年比減、本年初   No56

2004-10-21 12:59:40 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 かねてから怖れられていたことであるが、中国の9月の自動車販売高が、
前年同月比3.6%減少したと中国自動車製造業協会が発表した。

 世界景気の先行きを占う意味でも今回のニュースは警報ベルになる
であろう。警報ベルが鳴っていても聞く耳を持たない人には
聞こえないから、「あの時」として、あとで振りかえるひとが
結構多いかしれない。

 誰も悪い話を喜んで聞ききたくない。特に日本人は耳障りな話や
自分の気に食わぬ話を無視して、解決を先延ばししてきたことで
苦い汁を後で飲まされるケースが政治でも教育の世界でも
一番身近で一番大事な自分の健康についてもはなはだ多い。
あとの祭りである。

 かつて米国がくしゃみすれば日本は肺炎になるとよく聞かされた。
いまは中国がくしゃみすれば世界景気が肺炎になるというから
中国がいかに大きな影響力をもっているかがよく分かる。
 
 現在世界のGDP(国内総生産)に占める中国の比率は6%で
それほど大きくないように見える。ところが中国は世界の工場として
2年程前から各国が中国での工場建設に血眼になっているから
中国が少しスピードを緩めるだけでそのはねかえりが
数字以上に大きくなる。

 エコノミストやアナリストは難しい数字を並べて説明しないと飯が
食えない商売だからいろいろ理屈をつけて説明する人が多い。
データも大事であるが、経済も所詮、人間様がかかわっている
世界である。商売は心で動く。万人が先行き不安だなとおもうと
データ以上にマイナスに働くから怖い。

 病は気からという。気持ちの持ち方一つで悪くも良くもなる。
経済もよく似ている。自信をもって中国貿易に取り組むのと
心配しながら取り組むのと月末に帳面を閉めて見たら
売り上げが極端に落ちていたり、予想以上に値段が下がって
いたりする。

 売れ行きが少しでも落ちてくると少しでも売上を伸ばそうとする。
真っ先に値下げ合戦が激化するであろう。中国の自動車販売では
性能を詳しく調べて車を買う人はまれで値段が安い方から車が
売れて行くそうだからなおさらであろう。

 値段の世界は魚釣りと同じである。餌〔値段〕を少しずつ
上へあげてやると魚は飛びつく。値段(餌)を下げて行くと
消費者(魚)は、怖がって逃げていくと釣りのプロから
聞いたことがある。
魚心水心ということばもあるが、人間といえども所詮動物。
突き詰めれば、えらそうなことをいくら言っていても
魚と同じである。当然買い控えが起こるであろう。

 中国の車の値段は世界の常識と比べて異常に高く設定されていた
ようだ。いまの中国では車を持つこと自体がステータスシンボルである。
日本でも昔同じような時代があった。比較的高く設定されていた値段が
一端崩れるとどうなるか。反動も大きいだろう。

 中国自動車製造業協会の調べによれば、中国の
自動車の在庫が今年1~3月期の8万台から9月に11万
5,000台に増加した。徐々に水かさ〔在庫〕が増している
と伝えられる。

 話しは飛ぶが、昨日の台風23号は兵庫県中心に
痛打を浴びせたが、予想以上の死者が不幸にも出たのは
川の増水で急激に水かさが増えたからだと話している人が
目だった。経済の世界も同じである。あまりにも異常に
中国に傾斜しているから一端川から堤防を越えて水が
溢れると予想以上の被害をもたらす。

 しかし、米国はじめ多くの自動車関係者は
今回の中国の9月の自動車販売減を冷静に評価しているのは
救いである。ここ2年の中国の自動車業界の動きはあまりにも異常で
あったとの認識で一致していることだ。

 過ぎたるはなお及ばざるが如し。度を越してしまった
ことをいさめた孔子の『論語』のなかの言葉である。(了)


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