学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
日本という国は四面環海の言葉どおり海に囲まれ
豊富な海洋資源に恵まれ、海からいろいろなことを
学んできた。その一方で、日本の国土面積の約70%は
山であり、山の恩恵も数々受けてきた歴史がある。
このような環境下から、漁師は潮を見る、
猟師は風を読むという生き方の基本的な智慧を
日本人の多くは学んできたはずだ。
ところが、それが昨今特に急速に薄れてきたように
感じられる。
ただ相場の世界では、万国共通で、
潮目、風向きを読み間違えると命取りになる
ケースが多い。
3月22日、米FRB(連邦準備制度理事会)は、FFレートの
目標金利を0.25%上げ、年2.75%と決め即日実施した。
これを受けて、3月23日のNY為替市場で、ドルは、
対ユーロで1ユーロ=1.2991ドル、対円で106.06円で
取引された。
同日、米労働省が発表した、2月の消費者物価指数
(1982~84=100:季節調整済み)が、前月比0.4%
上昇、予測の0.3%増を上まわったことが、米利上げを
支援するとの読みからドル相場上昇を後押しした。
特に対ユーロで、ユーロ売り、ドル買いが目だったのは、
ドイツの景気指標であるIfoの3月指数が、94.0へ
2月の95.4から低下したことが響いたようだ。
ドル堅調を受けて、NY原油先物5月相場は、バレル53.40ドルへ
前日比2.63ドル幅で急落した。
ロンドン國際石油取引所相場も、ブレント種5月物相場が、
バレル52.75ドルへ、1.84ドル幅急落した。
ドル相場のコインの裏表として動く要素の強い
金相場は、ドル堅調の地合いを受けて、
オンス425.40ドルへ6.20ドル下げた。
原油相場が史上最高値のバレル57ドルをつけた
背景には、中国、インドなどでの需要増が背景にあるが、
産油国は、ドル相場下落で、ドルの目減りをなんとしても
回避したいとする強い意思をしばしば表明していた。
銅、アルミ、ニッケルあどの非鉄相場も穀物など
含めた一次産品商品相場上昇の裏にも、原油同様、
ドル相場下落が後押ししていたことが指摘できる。
財政赤字、経常赤字2つ併せて1兆ドルの
俗にいう双子の赤字を米国は抱えている。
この巨額な赤字をファイナンスするため、
世界の投資家の目を米ドル資産に引きつける
残された数少ない手段が利上げであると
マーケットは既に読んだと思われる。
FRBは今回、インフレ懸念を声明文の中で
色濃く出した。世相一般、原油高騰をインフレ要因と
しているが、ドル安を最も怖れ、ドル安こそが
インフレの元凶であることを熟知している張本人が、
ほかでもない米FRB議長、グリーンスパン氏
その人であることを忘れてはなるまい。
利上げを続けて行けばリスクも大きい。
しかし、大きなリスクを十分承知しながらも
敢えて米国という国は、利上げを継続すると
漁師は潮を見、猟師は風を読んだのではなかろうか。
司馬遼太郎は、著書「風塵抄」の中で、
「日本人は古来、田んぼのなかで草むしりばかりして
過ごして来た。」と書いておられる。
漁師の血、猟師の血はどこへいったのだろうか。
日本という国で、農民の血が色濃く出てくると
激動の21世紀に生き残れないかもしれない。(了)
日本という国は四面環海の言葉どおり海に囲まれ
豊富な海洋資源に恵まれ、海からいろいろなことを
学んできた。その一方で、日本の国土面積の約70%は
山であり、山の恩恵も数々受けてきた歴史がある。
このような環境下から、漁師は潮を見る、
猟師は風を読むという生き方の基本的な智慧を
日本人の多くは学んできたはずだ。
ところが、それが昨今特に急速に薄れてきたように
感じられる。
ただ相場の世界では、万国共通で、
潮目、風向きを読み間違えると命取りになる
ケースが多い。
3月22日、米FRB(連邦準備制度理事会)は、FFレートの
目標金利を0.25%上げ、年2.75%と決め即日実施した。
これを受けて、3月23日のNY為替市場で、ドルは、
対ユーロで1ユーロ=1.2991ドル、対円で106.06円で
取引された。
同日、米労働省が発表した、2月の消費者物価指数
(1982~84=100:季節調整済み)が、前月比0.4%
上昇、予測の0.3%増を上まわったことが、米利上げを
支援するとの読みからドル相場上昇を後押しした。
特に対ユーロで、ユーロ売り、ドル買いが目だったのは、
ドイツの景気指標であるIfoの3月指数が、94.0へ
2月の95.4から低下したことが響いたようだ。
ドル堅調を受けて、NY原油先物5月相場は、バレル53.40ドルへ
前日比2.63ドル幅で急落した。
ロンドン國際石油取引所相場も、ブレント種5月物相場が、
バレル52.75ドルへ、1.84ドル幅急落した。
ドル相場のコインの裏表として動く要素の強い
金相場は、ドル堅調の地合いを受けて、
オンス425.40ドルへ6.20ドル下げた。
原油相場が史上最高値のバレル57ドルをつけた
背景には、中国、インドなどでの需要増が背景にあるが、
産油国は、ドル相場下落で、ドルの目減りをなんとしても
回避したいとする強い意思をしばしば表明していた。
銅、アルミ、ニッケルあどの非鉄相場も穀物など
含めた一次産品商品相場上昇の裏にも、原油同様、
ドル相場下落が後押ししていたことが指摘できる。
財政赤字、経常赤字2つ併せて1兆ドルの
俗にいう双子の赤字を米国は抱えている。
この巨額な赤字をファイナンスするため、
世界の投資家の目を米ドル資産に引きつける
残された数少ない手段が利上げであると
マーケットは既に読んだと思われる。
FRBは今回、インフレ懸念を声明文の中で
色濃く出した。世相一般、原油高騰をインフレ要因と
しているが、ドル安を最も怖れ、ドル安こそが
インフレの元凶であることを熟知している張本人が、
ほかでもない米FRB議長、グリーンスパン氏
その人であることを忘れてはなるまい。
利上げを続けて行けばリスクも大きい。
しかし、大きなリスクを十分承知しながらも
敢えて米国という国は、利上げを継続すると
漁師は潮を見、猟師は風を読んだのではなかろうか。
司馬遼太郎は、著書「風塵抄」の中で、
「日本人は古来、田んぼのなかで草むしりばかりして
過ごして来た。」と書いておられる。
漁師の血、猟師の血はどこへいったのだろうか。
日本という国で、農民の血が色濃く出てくると
激動の21世紀に生き残れないかもしれない。(了)