「経絡治療の最高峰」と言われるのが「一穴鍼法」です。
では、経絡治療とは何か?
経絡治療学会の『経絡治療・基礎編』で、岡部素明氏は経絡に着いて以下のように述べています。
【思想や哲学と科学が未分化の時代に生まれた医学故に、科学としての西洋医学とは全く異なる観点に立って、診断し治療するという理論体系を持っている。すなわち、社会的に実在する人間を全人格的、全身体的な人間として診断治療する医学であって、科学的に分析した人体を対象とする医学ではないのである。それゆえ、人間を人間としてありのままにみつめる人間学として、充分に今日的価値を有するのである。】
そして、経絡治療を要約すると、
① 経絡は全身を循行する
② 五臓六腑と連絡している
③ 経絡をめぐるものは気血である
④ 気血は生命活動の根幹である
⑤ 気血が体表に反映されたものが経穴である
⑥ 経穴には過不足がある
⑦ 過不足の気血を調整するのが経絡治療である
さて、では実際の経絡治療とはどのようなものかを見てみると、
① 四診で気血の過不足を判断して証立てをし
② 証立てに従って選穴・刺鍼して気血の過不足を調整する
ということになりますが、四診で最重視されるのが脈診ですが、脈診だけでは一穴鍼法はできません。
なぜかと言うと、脈は瞬時に変わるからです。
これは鍼灸学校の講義でもよくやるのですが、砂糖をちょっと、ほんとにちょっと舐めさせるだけで、脈が沈んでしまうのです。
ですから、鍼灸院に来る前に喫茶店でコーヒーに砂糖を入れて飲んだとします。
そうすると、脈は沈んでしまいます。
しかも、その人の、最近弱い臓腑の脈が沈んでしまうので、その臓腑の虚を補う治療をすることになります。
ところが、病気というのは、根本的に弱い臓腑があり、その臓腑から波及した症状が現れている場合が多いのです。
たとえば、動悸が出た場合、心臓の異変ととらえがちですが、根底に肝の虚があれば、肝の治療をしなければならないのです。
では、根本的な肝の虚はどこに現れているかと言うと、虹彩や脊椎やその他の症状に出てきます。
ですから、新城一穴鍼法では、心臓や心包治療はせずに、肝を治療するわけです。
一穴だけを使うのですから、診断や生理学で考える訓練が必要です。
昨日、3人の方が首の痛みを訴えてきました。
2人は右首、1人は左首でした。
3人とも一穴鍼法で痛みを取りました。
使ったツボは肝査穴と脾査穴です。
この動画を見ると、その答えが出てきます。
↓
http://youtu.be/Hw4KmiAumCk