文屋充徳コントラバスリサイタル風景(スケッチ&コメント)
江嵜企画代表・Ken
文屋充徳コントラバスリサイタルが西宮市プレラホールで2月1日
午後7時から開かれ楽しみにして出かけた。コントラバスの演奏会を
聴くのは生まれて初めてだった。
楽器を抱え込まんばかりに体全体で支え、左手で太い弦を抑え、右手で
弾きながら演奏される姿を目のあたりにして、遠目から拝見しながらも、
大変な力仕事なんだなと実感した。しかし、ズーン、ズーンと深く伝って
くるコントラバス独特の重厚な響きが今も体に残っている。
ずぶの素人の感想であるが、コントラバスの独奏だけだったら7時から
休憩15分入れての、2時間近い演奏におそらくついていけなかった。
ピアノ伴奏された林典子さんに救われたというのが正直な感想である。
文屋充徳氏によればドイツでの演奏活動を40年以上続けておられる。
マックス・ブルッフのドイツの曲、コル・二ドライ 二単調作品47から
演奏がはじまった。チーソン・イム氏のメモリーという韓国の3曲を
はさんでベートーベンのソナタ へ単調作品17から3曲、3つの
アダージオいずれも文屋充徳編曲で締めた。
アンコール曲は五木の子守歌が選ばれた。厳しい境遇を語る歌詞、哀愁を
帯びたメロディーがコントラバスと伴奏のピアノがコラボレーションして
強く印象に残った。あたかもアンコールを催促するかのように拍手が止まない。
これで最後ですと断っての、チェコの子守歌がまたよかった。
今回の演奏会は、伴走者林典子さんの父上が母校高校の後輩のHさんである。
時間があればいかがですかと声をかけていただいた。貴重な機会を得たことに、
ひたすら感謝である。(了)