ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

G7、経文を並べたのみで閉幕ー学校で教えてくれない経済学

2006-09-17 09:30:29 | 経済学
シンガポールで開催されていたG7(先進7ヶ国財務省・中央銀行総裁会議)が9月16日、閉幕した。共同声明の中で、人民元の一層の為替レートの柔軟性について中国を名指しで求めた文言が目立った。

その他について、声明文では、米国経済はスローダウンするが依然堅調であること、ユーロ圏も好調を持続していること、日本がゼロ金利を解除したことなどを列挙した。原油高騰については、投資の促進とエネルギー消費の効率化を求めるにとどめている。これといった具体的な打つ手がないのであろう。

テロ資金対策の強化も声明文に盛り込んでいるが、経文を並べただけで、イランを名指し出来なかった。欧日と米国との間での舞台裏での利害が必ずしも一致していないことを浮き彫りにさせたようだ。舞台裏での中国、ロシアの姿が見え隠れしている。

名指しした人民元についても、G7会合前に中国を含めて開かれた昼食会で受けた印象を、「G7が為替相場に柔軟性を持たせるよう我々に圧力をかけた感じを持たなかった。」と中国中央銀行総裁は語ったと今朝のWSJ紙は紹介している。中国らしい反応が面白い。

WSJ紙によれば、Paulson米財務長官は、「(為替柔軟性については)個人的な推測であるが、中国を特定の対象にしていない。」と話した。「中国と個別に話し合う性質の問題である。為替に柔軟性をもたせることは中国の国益である。」と述べ、IMF総会終了後その足で中国を訪問し、為替に限らず様々な問題を中国政府との話し合いに期待感を持たせる発言をしたとWSJ紙は紹介している。中国通として自負するPaulsonさんの出番である。

WSJ紙によれば、人民元にスポットライトが当てられたようだが、日本円についても、ユーロ高が対円で特に進行していることを受けて、欧州参加国は声高にさらなる円高を求めたようだ。ECB(欧州中央銀行)総裁は、「円相場は日本経済の回復を反映することで意見が一致した。」と発言したとWSJ紙は紹介している。円安が進むと見るのは甘いだろう。

G7の会合に参加できない人間や特定の情報ルートを持たない人間にとっては、新聞その他のメディアの報道が唯一頼りになる。米国のWSJ紙に限らず、NY Timesや英国のFinantial Timesの記事も目を通してみたいと思うが如何せん余裕がない。

G7が最も脚光を浴びたのはNYプラザホテルで開かれた1985年のプラザ合意である。会合のあとドル安・円高が一気に進んだ。今回のG7共同声明では、 米国の指導力が年々低下していることがあからさまに出ている。先が読みにくい時代にいよいよ入ってきた。月並みな話だが、自分の健康は自分で守る。自分の経済も自分で守る以外なさそうだ。(了)

江嵜企画代表・Ken



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする