しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

宇宙人ポール

2011年12月25日 21時02分25秒 | 作品名(は行)
第252回「SF好きのSF好きによるSF好きのための映画」

やけに今年は異星人の登場する映画が多い年でした。「スカイライン-征服-」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と・・・そして今年を締めくくるのは「宇宙人ポール」です。これだけ異星人の登場する作品が多く公開されるってことは、個人的な見解ですが、来年あたり彼らが私たちの前に出現するのかも知れませんね(笑)

SFオタクのイギリス人青年、クライブとグレアムは、念願だったコミックの祭典「コミコン」に参加するためにアメリカを訪れていた。そのついでにアメリカ中西部のUFOスポットを巡る旅に出る為にキャンピングカーをレンタルし意気揚揚と出発した。その途中彼らは、ネバダ州の「エリア51」でポールと名乗る宇宙人と遭遇する。その姿は彼らの良く知る「ミスターグレイ」そのものだった。彼は60年も前から政府の保護を受け、施設の中で暮らしてきたが、政府にとって不必要となったので殺されそうになったところを逃げ出してきたというのだ。ポールは2人に仲間が迎えにくる地点まで送ってくれと頼む。かくして彼ら3人の珍道中が始まった。政府の追手が迫っていることも知らずに・・・

正直、それほど期待をした作品ではなかったのですが、こんなに楽しませてくれる作品になるとは夢にも思っていませんでした。主演と脚本を務めるサイモン・ペグとニック・フロストの「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」など俳優&脚本家としての才能は知っていましたが、コメディ映画をこれほど楽しんだのは久しぶりでした。

物語はテンポも良く、まったく時間を感じさせない作りになっています。そして、あちらこちらに仕込まれたSF映画のパロディやカメオ出演など、もうSF映画ファンなら楽しめること間違い無しの作品です。スピルバーグにアイデアを与えた件や、ポールが向かっている場所が、あの有名な場所だったりとSF映画を多く観てきた人ならニヤリとしてしまう演出満載です。

そして、そんな中にも恋愛あり、友情あり、多少のアクションあり。とあらゆる要素を盛り込んでいながら、まったく嫌味がない。宇宙人であるポールのキャラクターもそこら辺にいる陽気なアメリカ人みたいで、お話が進んでいくと彼が宇宙人であることを忘れてしまい、そこにいることが自然なことのように思えてしまうくらい、愛らしいキャラクターでした。それこそ、今目の前に宇宙人が現れたら、間違いなく友好的に接してしまうことでしょう。

点数は★★★★★です。あんまり難しい事を考えず、理屈など抜きにして楽しめる作品です。この冬にオススメの1本です。あまりCMなどが展開されていないのが残念です。

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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

2011年12月18日 23時16分34秒 | 作品名(ま行)
第251回「らしいテイストを上手に残した作品でした。」
今週は待ちに待っていた「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の公開される週です。「新スパイ大作戦」を観て以来のファンである私としては見逃すわけにはいきません。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントをチームリーダーとして描かれる物語はハラハラドキドキしながらも、とても魅力的なエンターテイメントを提供してくれるシリーズに仕上がっています。

物語はモスクワ。刑務所に収監されていたイーサン・ハントの脱出劇から幕を開けます。脱出を遂げた彼に早速、ミッションが下されます。それは「コバルト」と呼ばれる男が核戦争を起こそうと画策しているというのだ。彼に与えられた任務はコバルトの正体を探り、核戦争の危機から世界を救う事。まずはクレムリンに潜入し、現れるはずのコバルトの正体を探ろうとする。ところが、任務中に侵入者を知らせる警告が発せられ、ミッションの中止を余儀なくされる。その直後、クレムリンが大爆発を起こしイーサンも爆発に巻き込まれてしまう。脳しんとうだけだったイーサンは病院を抜け出し、ロシア訪問中のIMF長官と合流する。すると長官から驚愕の事実を聞くことになる。クレムリンの爆破がイーサンのチームによる犯行となり、アメリカ大統領はゴースト・プロトコルを発令、IMFはその機能を停止させられてしまった。犯人として追われる立場になったイーサンに残された道は孤立無援のまま汚名を晴らすことだけだった。そして彼のチームはドバイへ・・・

私がこの作品を観る前に心配していたこと、それはいつものことなのですが、「スパイ大作戦」らしさを失っていない事。それからもう1つは作品ごとに変わる監督さんの演出についてです。特に今作の監督はピクサーの「Mr.インクレディブル」や「レミーのおいしいレストラン」といったアニメ作品を監督したブラッド・バード。やはりアニメと実写ではその演出方法など大きく違う部分があると思っているので、どんな作品になるのか、心配していました。

しかし、そんな心配が私の老婆心であったことは上映開始後15分でわかります。スクリーンの上でいつも通り動き回るイーサン・ハントは見事に輝きを放っていました。前作で結婚し家庭を持ったことで一線を退いているのでは?と思っていたのですが、彼は健在でした。前作での結婚も今作での重要なプロットになってきます。前作から今作の間にとても重要な事件が彼の身に起こっています。

そして、もう1つの心配。「スパイ大作戦」らしさ。それは変装やハイテク装置などお馴染みのアイテムの存在。それらが効果的に活用されていること。今作では、壁に吸い付く手袋やコンタクトレンズ型カメラなど、魅力的なアイテムが続々登場していきます。残念だったのは変装のプロットがあまり目立たなかった事。変装しようとマスクを作るシーンはあったのですが、途中で機器トラブルのためアッサリ、変装無しに変更されてしまいガッカリでした。

点数はもちろん★★★★★です。見事な脚本と素晴らしいテンポで時間をまったく感じさせない傑作です。もちろん少しは荒唐無稽というか、ちょっと無理があるだろう。と思ってしまう場面が無いわけではありません。超高層ビルの外を登っていたら、ホテル側が気付きそうなものだし、ガラスを外したらセンサーが働きそうなものですよね。

個人的に大好きなキャラクターが1人いて、彼が今作は登場しないのかと心配していたのですが、しっかり登場してくれてめちゃめちゃ嬉しかった。(残念ながら1シーンだけでしたが)前述しましたが、前作と今作の間に起こった事件が重要なプロットになっていますので、是非とも前作はチェックしておくことをオススメします。

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リアル・スティール

2011年12月11日 20時10分26秒 | 作品名(ら行)
第250回「二兎追うものは一兎も得ず」

今回の作品「リアル・スティール」の予告編を観た時に「あれ?これってプラレス三四郎じゃん?」って思った貴方は筆者と同じアラフォー世代じゃないでしょうか?ロボットがリングで戦うなんていう設定だけでワクワクしてしまいます。そんな設定にさらに親子の絆の話を絡めようだなんて、無理があるんじゃないのかな?と思っていました。映画を観る前までは・・・

時は2020年、人がリングの上で殴り合っていたのは既に過去の事。今は人に変わりロボットがリングに上がり戦う「ロボットボクシング」が人々を熱狂させていた。かつて将来を嘱望されたボクサーだったチャーリー・ケントンも芽の出ないボクサーを引退し、今ではロボットをトレーラーに積み込んで各地を転戦する毎日だった。しかし、資金力に乏しい彼は全盛期の過ぎた型落ちのロボットで細々と暮らしていた。ある日、裁判所からの召喚命令で赴くと、かつての恋人が死んだ事を告げられる。そしてチャーリーと彼女の間に生まれた11歳になった男の子マックスの親権を巡る審理の場だった。マックスの親権を求める叔母のデボラ夫婦が金持ちであることがわかるとチャーリーはあっさりとマックスの親権を放棄し、その見返りに金を要求した。生まれた事は知っていたが育児を放棄した彼にマックスを育てる気など全く無かったのだ。そして叔母夫婦が海外旅行に出かける間の数ヶ月だけ面倒を見る事にした。親子とはいえ会ったことすらない父と子のいびつな生活が始まった。ある日、ロボットの部品を探す為に忍び込んだスクラップ工場で2人はスパーリング用の旧式ロボ「アトム」を見つける。この出会いが彼らの人生に転機をもたらすことになるとは2人はまだ気づいていなかった。

正直、この映画をスピルバーグが製作総指揮を務めていようとも、それほど期待していた訳ではありませんでした。ロボットが戦うという設定と父と息子の絆という2つのプロットを同時に観客に見せようとすれば、必ずどちらかが疎かになり、薄っぺらいドラマを観客に対して見せることになる。

例えば、ブルース・ウィリス主演で公開された「サロゲート」。この作品は人々がサロゲート・システムを使い外に出なくなった近未来の世界観と子供を失った夫婦の心の傷が癒されるまでの2つの重要なプロットを織り込んで作られたのですが、アクション色が強かった為に夫婦の絆を描いたプロットが弱く、残念ながら名作とはなりませんでした。同様の心配を私はしていました。作品を観る前までは。

では、作品を観終わった今はどうかというと。その心配は杞憂なものだったと思っています。それくらいロボットボクシングも見応え十分だったし、父と息子の絆もとても見事に描かれていました。評価するのは何もかもがうまくいくハッピーエンドにするのではなく、万事うまくいかないながらも、それなりの希望を持たせる終わらせ方にしたところです。主人公自らが「なにもかもうまくいくと思ったのか?」と劇中で語らせるところがニヤリとしてしまいました。

この作品のように、人間関係を描く場合、そこに描かれた人物の心の変化が重要になればなるほど、その変化のスピードが大切になってきます。早すぎれば簡単な心境の変化に興醒めしてしまうし、遅すぎればそれだけ脚本に無理が出る。この「リアル・スティール」という作品はその辺りが絶妙でした。少しずつだけど確実に親子の絆を深めていく様子に思わず涙してしまいそうでした。

もちろんロボットが活躍するプロットも見事に描いてくれます。観た事もない「ロボットボクシング」の世界観を決して安直でなく、音声認識機能、シャドー機能、操作方法など現実味のある技術で未知の世界観を描いてくれました。

点数は久しぶりの★★★★★です。鑑賞前に描いていたイメージを上回る見事な出来でした。多少残念だったのは、悪役が不在だったこと。ライバルであるチャンピオン「ゼウス」側にいいキャラクターがいたのに中途半端だったこと。裏でもっと汚い手段で勝とうとしても良かったのでは?あとは「アトム」が実は・・・みたいに含み(秘密)を持たせたキャラクターだったほうがもっと盛り上がったと思います。

それでもこの冬に是非ともオススメしたい1本であることに間違いはありません。

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タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

2011年12月04日 15時00分47秒 | 作品名(た行)
第249回「新たなる冒険活劇を期待したものの・・・」
「タンタンの冒険」・・・このタイトルをテレビで見た時に私は思いました。「お、タイタンの戦いの続編をやるのか?」と。ヨーロッパでは知らない人はいないくらい有名な漫画らしいのですが、その存在を私は全く知りませんでした。おそらく、この作品の監督がスティーブン・スピルバーグでなかったとしたら、私は映画館へ足を運ぶことは無かったことでしょう。今回の作品は「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」です。

世界中を股にかけて活躍する少年ルポライターのタンタン、彼はある日街で行われていたノミの市で精巧に作られた「帆船ユニコーン号」の模型を見つけて購入する。その直後から2人の男に立て続けに買い取りたいと言われた。タンタンはユニコーン号に何か秘密があると睨み、図書館で調べることにする。すると、かつてユニコーン号は海賊に襲撃され、積んでいた財宝と共に消えた軍艦だったことがわかる。タンタンが自室に戻ると模型は消えていた。彼はノミ市で会ったうちの1人であるサッカリンが怪しいと考え、彼が居るムーランサール城へと忍び込んだ。案の定そこにはユニコーン号の模型があったが、それは同種の別個体であることがわかった。タンタンが再度自宅に戻ると部屋が荒らされており、侵入者の目的は模型ではなく、そこに隠された何かであることに気付く。そして先ほど模型を置いた棚の裏側から金属ケースに入った謎の羊皮紙を見つける。そこには模型が3つあり、そこに3枚の羊皮紙に隠された財宝のありかが書かれていることがわかった。タンタンは愛犬スノーウィと共に財宝発見の冒険へと出発する。

スピルバーグ監督、冒険活劇と聞けば「インディ・ジョーンズ」を思い出します。この作品も彼が監督をした冒険物と聞けば、否が応にも期待してしまうのは仕方がないことだと思います。原作の存在をまったく知らなかった私はワクワクしながら劇場に足を運びました。そこには私の少年心をくすぐってくれる素敵な作品があることを期待して・・・

しかし、その期待は裏切られることになりました。モーション・キャプチャを使い全編フルCGアニメーションで作られた今作はスピルバーグの新たな挑戦であることは認めます。しかし、肝心なのは脚本です。良くいえばテンポがいい。悪く言ってしまえば物事が簡単に進んでしまう。グルグル回るカメラワークであっという間に展開されるチェイスシーンや財宝を巡る謎解きなどがあまりにも簡単に行われてしまい、緊張感・緊迫感のようなものがまったく伝わってきませんでした。

おそらく原作のテイストを大事にしたのでしょうが、あまりに主人公側にご都合主義に作られてしまっていて、何が起こっても良い方に進むことで眠気まで呼び起こされてしまいました。

点数は★★★☆☆です。原作を知っていれば、お約束やキャラクターの名台詞等で楽しむこともできたのでしょうが、その辺りがまったく伝わってきませんでした。この作品は原作ファンやお子さんを連れたご家族で観るのが正しい見方なのでしょうか?

どうやら3部作で制作されることが決定しているようなのですが、大人も楽しめる「インディ・ジョーンズ」を彷彿とさせる作品が観たいと思いました。

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