しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

マネーボール

2011年11月27日 00時08分16秒 | 作品名(ま行)
第248回「新たな道には苦難はつきものである。」

サクセスストーリーと聞いて、どんな作品を思い出すだろう?個人的には「摩天楼はバラ色に」や「エリン・ブロコビッチ」が最初に頭に思い浮かぶ。フィクションであれノンフィクションであれ、サクセスストーリーというのは沈み込んだ心を元気にしてくれます。今回の作品「マネーボール」もとてつもない成功というわけではないが、固定概念を覆すという意味では、その心地よさを味あわせてくれる作品だと思う。

2000年、ア・リーグ地区優勝決定戦、オークランド・アスレチックスはあと一歩というところで優勝を逃してシーズン終了となった。シーズンオフに入るとそれまでチームの主力となっていた3選手が他球団へ移籍していった。彼らの高騰した年俸を支払う力は球団には無かったのだ。ゼネラルマネージャーのビリー・ビーンは少ない予算でペナントレースを乗り切る為に孤軍奮闘する。ある日、トレードの話で訪れたインディアンスの事務所でピーター・ブランドという男と出会う。彼は統計学を利用してスター選手が不在でも強いチームを作れるという。ビリーは彼を引き抜いて、その「マネーボール理論」で資金が少なくても勝てるチームを作ることにした。ところが古い慣習を捨てきれないスタッフ陣や監督からは猛反発を受け、理論が十分に生かされないまま開幕を迎えてしまう。果たして、その理論は本当に効果を発揮することができるのか?

「事実は小説より奇なり」という言葉がある。意味としては世の中の実際の出来事は、作られた小説よりもかえって不思議で波乱に富んだものであるということ。ノンフィクションを題材としている本作は、いい意味で波乱に富んだものだったと思う。もしも、この作品をフィクションとして作ったとしたら、作品を盛り上げる為に1年目のシーズンから快進撃でワールドシリーズ優勝!これでもかと「マネーボール理論」を持ち上げていた事だろう。
この作品で私が好感を持ったのは、そんな出来過ぎた話にせずに結果は昨年と同じだったというところ。もちろんノンフィクションだから嘘の結果は描けないでしょうが、それでも理論を用いて、ある一定の結果を残した点はかなりドラマチックでした。

そして、主役であるビリー・ビーン自身の過去を絶妙に織り込んだ点も評価できます。予告編を見る限りでは、彼は野球の事はまったく知らずに理論だけを持ち込んだ人物なのかと想像していました。ところが彼自身もかつてメジャーの選手でかなり期待されて入団した人物でした。そんな彼は選手としては成功せずにスカウトになるという挫折を味わう事になります。そんな彼の過去があるからこそ、この理論を導入しようと思ったところが彼の過去を描くことでより鮮明に仕上がっていました。

作品の点数は★★★★☆です。悪かった点は一番重要な「マネーボール理論」の説明が出塁率にだけスポットが当たっただけで、細かい理論が紹介されていなかったこと。帰宅後にネットで調べるとかなり細かい理論だったことを知り、もっと攻撃時や守備時などにはどうするべきかなどを選手に浸透させていくプロットがあったら、さらに面白くなったと思います。

そしてなにより私が眉をしかめたのは、中盤に登場するトレード期限の最終日。まるでマネーゲームのように電話をかけまくり、選手をトレードして喜ぶ様には嫌悪感を持ちました。プロの世界なのだから当たり前だと言われればそれまでなのですが、あまりにも簡単にトレード・解雇されていく様子にいい気持ちはしませんでした。

映画を観ている最中に「この理論を金持ち球団が使ったら?」と考えていたら、やはり現実の世界でもすでに行われているようです。そしてビリー・ビーン自身も現在ではこの理論は試行錯誤の時期であると語っているようです。それでも新しいものを取り入れることへの前向きな姿勢は見習いたいと思います。

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アンフェア the answer

2011年11月20日 20時26分06秒 | 作品名(あ行)
第247回「残るカードはあと2枚・・・かな?」

以前から苦言を呈している「テレビドラマからの映画化」ですが、今回の作品「アンフェア the answer」も同様の戦略で作られた映画です。前作からすでに4年経過しているので映画の冒頭で簡単なあらすじは流されますが、ドラマや映画を観ていないとやっぱり十分には楽しめないと思います。

警視庁検挙率ナンバー1の女刑事「雪平夏見」彼女はかつて刑事だった父親を殺害された事件を追いかける為に刑事になった。しかし、あまりの自分勝手で独断専行な性格が災いし、現在は北海道・西紋別署に勤務となっていた。ある日、都内でネイルガンによる連続殺害事件が起こる。被害者が発見された現場には被疑者と思われる指紋などが残されていたが、やがてその被疑者が次の被害者となって見つかるという予告連続殺人となっていく。そして、4人目の被害者となったのが雪平夏見の元夫であった佐藤和夫だった。そして、その現場には雪平の指紋が残されていた。被疑者となって逮捕された雪平は、取り調べの途中で東京から来た東京地検検察官の村上を人質にし、逃亡を図る。東京へ来た雪平はやがて犯人が父親を死に追いやった「警察内部の不正」に関係していることを知り、単独での捜査に乗り出していく。

この作品は、もはやテレビシリーズの時から見続けてくれているファンの暖かい目線で観ないとダメなのかも知れません。正直、今回の事件について犯人が何をやりたかったのかまったく見えてきませんでした。(USBを取り返したいだけならば、もっと簡単な方法があったはず。)雪平夏見もほとんど捜査らしきことはしていないし、結末に辿り着いてから冷静に考えてみれば、すっかり相手側の手のひらに乗っかって動かされている。考えれば考えるほど稚拙な計画。この作品から観た人は何が何やらといった感じではないのでしょうか。

それなのに、私が最後まで鑑賞できたのは、テレビシリーズからのこの作品の「お約束」の部分をわかっているからに他なりません。次々と減っていく登場人物。次々に現れる裏切者。最後にあの人が出てきても、「ああ、やっぱりね。残るは彼と彼か・・・」とこの意味不明な事件と行動を許せる心があったからではないでしょうか。

点数は★★★☆☆です。これでも贔屓目での点数です。劇場での鑑賞はオススメしませんね。一年後に「土曜プレミアム」枠での放送を待ちましょう。検挙率ナンバー1の刑事がなんであんなに簡単に騙されてしまうのでしょうか。「answer」とタイトルについていますが、全然答えは出ていません。どうやらまだまだ続編を作りたいのでしょうね。裏切者になり得る手札が2枚残っていますからね。

それにしても、どうしてフジテレビ制作の映画には「愛国者達」(メタルギアより引用)のように裏で手を引く巨大な組織が多く登場するのでしょうか?後々、「SP」+「アンフェア」みたいな映画を作りたいのでしょうかね?だったら、それに「踊る大捜査線」も加えてしまったらどうでしょう。きっと・・・・(笑)

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コンテイジョン

2011年11月13日 20時14分10秒 | 作品名(か行)
第246回「脅威は静かに、それでも確実に忍び寄る。」

私がパニック映画を好きなのは、以前からこのブログに書いてきた。そのパニックの要因となるものに天災・人災(火災や地震)、地球外生命体によるものなどいくつかあるが、今回の作品「コンテイジョン」は私たちの生活により身近な「新種ウイルス」による全世界的なパニックを描いた作品。監督がスティーブン・ソダーバーグ、出演にマット・デイモン、マリオン・コティヤール、ローレンス・フィッシュバーンとこのスタッフ・キャスト陣を聞いただけで映画ファンならワクワクしてしまいます。

それは香港から始まった。出張で香港に滞在していたべス・エムホフは、シカゴにいるかつての恋人との密会をし、空港にいた。熱とせきの症状が出ていたが、ただの風邪だと思っていた。同時刻、香港では若者が、ロンドンではモデルの女性が、東京ではビジネスマンが次々と死亡していた。べスは夫であるミッチと息子が待つ自宅へ帰ったが、容体が急変し病院で亡くなってしまう。ミッチが失意の中で自宅に戻ると息子が同じ症状で死んでいた。新種のウイルスは静かに、それでも確実に猛威を振るい始めていた。

この映画、良く言えば「もしも新種のウイルスが全世界に蔓延したら?」という定義の基、忠実に作られたリアリティに溢れた作品。悪く言ってしまえば、あまりに忠実に作られ過ぎていてドラマチックな展開もないまま終わってしまうドキュメンタリーのような映画です。そんな作品ですが、個人的にはとても楽しめました。さすがに主要な登場人物を名俳優さん達が演じているだけあって、緊迫感もあるし、未知のウイルスが徐々に人間に忍び寄る恐怖は、映画が終わった後にドアノブとか、エスカレーターの手すりなどに触るのを思わず躊躇してしまうくらいリアリティがありました。

おそらく鳥インフルエンザやコレラや天然痘など、今では恐れるほどではない病気も発見された当初は同じような状況で始まり、人々の懸命な努力によって克服してきたのだろうと容易に想像ができます。そして、この先もこの映画と同じような出来事が決して映画の中ではなく実際に起こるのだろうと怖くなりました。

点数は★★★★☆です。パニック映画を代表できるほどの派手さはありません。それでも最後まで楽しめたのは、監督の演出や俳優陣の演技によるものだと思います。できればもっとエピソードを増やせばもっと面白くなったのでは?ジュード・ロウ扮するフリーの記者やマリオン・コティヤール扮するWHO職員の誘拐のエピソードが中途半端過ぎたのではと思います。
不謹慎にも事態が収束に向かい始めると「あ、もう終わるのか」と残念がってしまいました。

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ステキな金縛り

2011年11月06日 10時35分20秒 | 作品名(さ行)
第245回「荒唐無稽なお話を魅せる手腕はお見事です。」

私の好きな脚本家に三谷幸喜がいます。「やっぱり猫が好き」で知ってから、テレビドラマや映画、舞台など多くのものを目にしてきました。ところが彼の作品全てがとても面白くて素晴らしいものかと聞かれれば、決してそうではありません。特に「ザ・マジックアワー」は私の中では最も低評価をした作品です。ですから、今回の「ステキな金縛り」も劇場へ足を運ぶべきなのか、迷っていました。

お話は、弁護士になったものの失敗続きで事務所に迷惑ばかりかけている宝生エミは、事務所の所長である速水悠から最後のチャンスだとある事件の容疑者の弁護を担当することになる。ある事件とは妻を殺した容疑で逮捕された矢部五郎の弁護だった。彼は妻が死んだ時はアリバイがあるという。その日は自殺しようと奥多摩をさまよい、結局死にきれずに旅館に宿泊した。その旅館で一晩中、落ち武者の幽霊が自分の上に乗り、金縛りにあっていたというのだ。エミは半信半疑でその旅館を訪れた。すると自分の上にも幽霊が現れた。彼の名は戦国時代に死んだ「更科六兵衛」。確かにその日は彼に乗っていた。エミは六兵衛に証人として法廷に立つようにお願いする。ここに前代未聞の幽霊を証人とした裁判が開かれようとしていた。

なぜ鑑賞しようか迷っていたのに、劇場へ向かったのか?それは11月1日からWOWOWで開催されていた「三谷幸喜生誕50周年記念祭」で舞台「ベッジ・パードン」を観たからでした。そこで主人公である夏目漱石の相手役ベッジ・パードンを演じていたのは深津絵里さんでした。その舞台での彼女の演技を見て私は「なんてキュートで演技の上手い女優さんなんだろう」と改めて思いました。そしてそんな彼女が主演を務めている「ステキな金縛り」を観たいと思ったのです。

期待した私の気持ちは裏切られることはありませんでした。142分というちょっとコメディでは長い上映時間ですが、決して間延びすることなく、笑いも目一杯に盛り込まれ、ちょっとホロリとさせるところもあり、とても素敵な作品に仕上がっていたと思います。

ただ苦言も少し。これは個人的な趣味というか、笑いのツボになってしまうので共感を得られないかも知れませんが、阿部寛演じる速水弁護士のタップや、クドい位に登場しあっという間にいなくなる市村正親演じる阿部つくつくなど、そこは必要じゃないだろうと思うところがいくつかありました。その笑いでは私は笑えませんでした。他にも幽霊の都合に合わせて裁判が簡単に開かれる所など、あまりにも都合が良すぎる点などが気になりました。

点数は★★★★☆です。幽霊の見える人に3つの条件が存在するなど、独自のルールがきちんとしていて、しかもそれが無理なくストーリーに織り込まれているのは流石といったところでしょうか。それにしてもチョイ役にも関わらず、これだけ多くの俳優さんが登場するのは三谷監督の人望が成せる技なのでしょうか?

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パラノーマル・アクティビティ3

2011年11月02日 09時12分36秒 | 作品名(は行)
第244回「結局、物語は進展せず。この事件は終わるのか?」

低予算で作られたPOV映画「パラノーマル・アクティビティ」が大ヒットし、日本版も作られ、今回の「パラノーマル・アクティビティ3」で4本目となったホラー映画。「ソウ」シリーズが区切りを付けた今、ハロウィン時期の新たなお楽しみとなるのでしょうか?アメリカでも初登場1位となったみたいですから、おそらくまだまだ続くのでしょう。

物語は1作目の主人公だったケイティと2作目の主人公クリスティがまだ幼かった1988年9月、母親とその恋人の4人での新たな生活を始めた矢先に超常現象は起き始めた。深夜に足音がし、誰かがいる気配がするのだ。結婚式などをビデオに撮影する仕事をしていた母親の恋人が家のあちこちにビデオカメラを設置し、その怪現象をカメラに収めようとする。するとそこにはかつての事件の発端となる恐ろしい出来事が記録されていた。

まず、なにより驚いたのは予告編で使われていたシーンがほとんど本編に使われていなかったこと。姉妹が鏡の前で「ブラッディ・マリー」と唱えるシーンや母親が寝室に引き込まれるシーンなど、ほぼ全てが本編には登場しない。これは観客に混乱をもたらすのではないだろうか?新鮮さは増すかもしれないが、予告編で起こった現象を本編と関連付けて考えていいのか?そして、そのシーンは時間軸的にどこに入るのか?など色々考えてしまいました。

そしてなによりPOV映画の特徴なのですが、撮られた映像そのものや起こっている現象について観客に対して答えは用意されていません。おそらくこの事件はこうやって起こって、実はこういう事だろうと観客側で想像するしか無いのです。それはこの映像があくまで偶然撮られたものだから(というテイで)。こんな風にPOV映画の楽しみ方をわかっていないと、つまらない作品かも知れません。そして今作も前作までと同様に何の結論も用意されていません。想像力を膨らませて、そこに映る恐怖を味わってください。

点数は★★★★☆です。個人的にこのシリーズを楽しく鑑賞してきているので、今作についても事件の全容がおぼろげながら見えてきて楽しめました。しかし、この作品が出来たことでさらなる謎も増えてしまいます。今度はどの時間軸で描かれるのでしょうか?

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