しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

シャマランレポートPART2(ネタバレ含む)

2006年10月22日 23時37分21秒 | 作品名(は行)

さて、今回は予告どおり「ヴィレッジ」についてレポートしたいと思います。この作品の予告も、いかにもホラーやスリラーを思わせるつくりになっていました。その為に鑑賞した人の中には「裏切られた」や「騙された」と思った人も少なくないでしょう。
ファンを公言している私も怪物の正体を知った時には、「うわっ。駄作だ!」と思ったくらいですから。しかし、作品を最後まで観るとその感想はまったく逆のものになりました。

映画を鑑賞するとは、スクリーンに映る映像から、観客は全てを理解し、スクリーンに映る以外の出来事を想像する作業をしていく事であると思います。この「ヴィレッジ」という映画ではその作業は、冒頭のシーンから裏切られることになります。

お話は、薄暗い森に囲まれた60人ほどが暮らすコミュニティ。そこには3つの掟がある。
1.その森に入ってはならない。
2.不吉な赤い色は封印せよ。
3.警告の鐘に、注意せよ。
彼らの暮らす村の外には「怪物」がいて、そこに住む時に約束をした。森に入らない事を。彼らは外の世界から隔絶された世界で暮らしているのである。もし約束を破れば…
と、これが最初に観客に与えられたプロット。「第一世代」と呼ばれるこの暮らしをはじめた住人はこの掟を守り、平穏な暮らしを続けていた。

映画はある少年の葬儀のシーンから始まる。1890~1897年、わずか7年の短い生涯を閉じた少年の葬儀である。観客は物語が1897年の出来事なんだと認識する。すでに観客は監督の「罠」にはまっているのです。そう、物語の舞台は1897年ではなく、現代なのです。このコミュニティを作った人達は、それぞれが現代社会が抱える問題により心にキズを受け、そんな社会を抜け出す為にこの村を作ったのです。しかし、その事を知れば、好奇心旺盛な若者達は村を出て行くことを選択するでしょう。だから、彼らは掟を作り、怪物の存在で恐怖を煽り、村での暮らしを続けさせているのです。
その事は映画の最後で明らかになるのですが、物語の所々に不自然なセリフがあり、映画を見ている途中で、違和感を感じていました。「なんか変だな?」と。会話が1800年末というより、なんとなく現代っぽかったのです。
だから、怪物の正体が作り物であることが明らかになり、第一世代がこの村を作った理由がわかった時に、私は納得できたのです。たとえこの映画がホラーでない事がわかったとしても。
彼らがコミュニティを作った理由も理解できたし、怪物を作りあげたことにも理解できました。現代のアメリカにも映画の中のような暮らしを実行している人達がいます。「アーミッシュ」と呼ばれる人達です。

皆さんも一度くらい、この世の中から逃げ出したいと思ったことがあるのでは?実際に逃げ出す人はあまりいないのでしょうが、映画の中の彼らは極端な方法ではあるのですが、この荒んだ世の中に幻滅して逃げ出した人々なのです。

その彼らの静かな生活が、ある事件によって危機を迎えるのですが、盲目の少女の行動でなんとか守られます。それは、今後の問題も提起しています。この生活を選んだ第一世代の人達はいいのですが、この後から大人になる世代はこの生活を受け入れることができるのでしょうか?

と、色々と書いてきましたが、この作品は監督自身も言っているように、「ホラー」ではなく「ラブストーリー」なのです。確かに予告編の作りは完全にホラーであるかのように作っています。ですが、監督が感じて欲しかったのは、その村に暮らす彼らの心なのではないでしょうか?

こんなふうに鑑賞したら、この作品は決して駄作ではないのです。
次回は、「サイン」について書きたいと思います。

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レディ・イン・ザ・ウォーター

2006年10月01日 15時17分56秒 | 作品名(ら行)
第60回「おとぎ話を本気で信じる自信ありますか?」

あの「シックス・センス」のM.ナイト・シャマラン監督が送る珠玉の作品・・・だなんて、数年前なら、朝はめざましテレビで軽部さんが、王様のブランチではLiLiCoが「今週末公開!」「本日公開!」と大騒ぎしたであろう作品「レディ・イン・ザ・ウォーター」を観てきました。このマスコミでの取り上げの小ささは、先週からシャマランレポートで書いている彼の作品の評価の低さを物語っているような気がします。やはり万人受けする作品でないとマスコミは取り上げないですかねぇ?
しかも、また予告編だけ見ると「ホラー」や「スリラー」を想像させる作りになっています。ここで断言してしまいましょう。この作品は「ファンタジー」です。あ、これってネタバレになりますかね?でも、劇場で「怖く無いじゃん」の声を聞くよりマシです。

このお話はフィラデルフィアのアパートに現れた「水の精」を名乗る美女とその住人達とのおとぎ話なんです。よく考えると、彼女が本当に「水の精」である証拠はないし、いい歳した大人達が真剣になって彼女の為にする事は、馬鹿げて見えるかも知れません。でもこれはおとぎ話なんです。子供の頃、両親からベッドの中で話してもらったおとぎ話にワクワクドキドキした経験ありませんか?その感覚って、いつの間にか忘れてしまいますが、この映画はその気分を少し思い出させてくれます。観る側はその感覚を思い出し、楽しめばいいんです。

この映画の中で気になったのは、監督がカメオ出演ではなくて、ドラマのキーマンとして出演している点でした。というのも、シャマラン監督は必ず作品に登場するのですが、チョイ役でない時は作品が失敗すると思っています。(サインがそうであったように。)
確かに、監督が映画にカメオ出演するのはよくある話です。有名なところではアルフレッド・ヒッチコック監督。最近ではジェリー・ブラッカイマーなどもカメオ出演しています。しかし、それはあくまでカメオ、物語の主要人物として登場し、演技をしていたわけではありません。個人的にはカメオ出演は楽しみの1つではあるのですが、監督は監督としての仕事に集中してほしいと思っています。出たがりなんですかねぇ?

作品の点数は★★★★★でした。あくまで個人的な感想ではありますが、最初から「ホラー」や「スリラー」でないだろうと思って鑑賞したからだと思います。子供の頃に読んだおとぎ話を「くだらない」なんて思わずに素直に観ることができると、この作品はとてもいい作品だと思います。

映画会社もそろそろ、シャマラン監督がホラーやスリラーだけを描きたい監督じゃないんだと、世間に言ってもいいんじゃないですかねぇ。

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