第207回「アニメ・マンガを実写化する難しさとは・・・」
「カメレオン俳優」という言葉がある。役どころによってコロコロと顔を変え、作品によって全く違う印象を残す。それだけ演技の上手い俳優さんに付けられる称号である。
例えば、体重を自在に増減させることでいえば、ロバート・デ・ニーロやトム・ハンクス、クリスチャン・ベールなどが有名。多彩なキャラクターを演じることでいえば、ブラッド・ピッドやジョニー・デップなどが思い浮かびます。
そして、その逆の俳優さんがいるのも確かなこと。どの作品を観ても同じキャラクターを演じているかのような印象を残してしまう。ハリウッド俳優でいえば、レオナルド・ディカプリオ。そして日本の俳優でいえば、今夜の作品「SPACE BATTLESHIP ヤマト」主演の木村拓哉ではないだろうか。決して演技が下手なわけではないんですけどね。
西暦2194年。5年前に突如現れた「ガミラス」と呼ばれる地球外生命体。彼らは地球へ向けて次々と隕石を落下させ、地表は放射能に汚染されてしまう。僅かに残った人類は地下へ移住し、ガミラスに対抗する手段を探すが、未だに見つけられずにいた。このまま人類は滅亡してしまうのかと思った時、遥か彼方にあるイスカンダル星からのメッセージが届く。そこには放射能除去装置を人類に渡す準備があることを示すメッセージがあった。最後の希望を求めて、人類最後の宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルへ向けて発進しようとしていた。
個人的に松本零士の作品で1番思い入れがあるのは「銀河鉄道999」で、このヤマトに関しては幼すぎたこともあり、少し触れただけだったので思っていたほど実写化に対して違和感はありませんでした。しかし、やはりアニメだったら許せた曖昧な設定も実写化にあたって、きちんとした設定を用意したほうが良かったように思います。宇宙空間にいるはずなのに誰も浮いていなかったり、巨大戦艦なのに乗組員が少なすぎたりと突っ込みどころは満載でした。
それでも映像は素晴らしかった。日本でもここまでの映像が作れるようになったのかと、純粋に映画ファンとしては嬉しくなりました。
木村拓哉は決して演技が下手なのではなく、与えられるキャラクターがみんな似たようなキャラクターなのだと思いました。熱血漢で男気に溢れ、無鉄砲で優しくて、それはまさにマンガやアニメに登場するヒーローそのものでした。そして脇役達すべてが彼を慕って寄ってくる。このヤマトではそれが顕著に描かれていて、お話の間に挟まれる休憩室などでのシーンでは、見ているこっちが恥ずかしくなるような、わざとらしいシーンの連続でした。おそらく作る側も観客も「木村拓哉」という役者に求めるものがそうさせているのでしょう。
作品の点数としては★★★☆☆です。きっと駄作だろうと避け続けていた作品でしたが、酷評されているほど酷い作品ではありませんでした。ただ木村拓哉ありきの脚本では素晴らしい作品になるには足りないものが多すぎます。
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「カメレオン俳優」という言葉がある。役どころによってコロコロと顔を変え、作品によって全く違う印象を残す。それだけ演技の上手い俳優さんに付けられる称号である。
例えば、体重を自在に増減させることでいえば、ロバート・デ・ニーロやトム・ハンクス、クリスチャン・ベールなどが有名。多彩なキャラクターを演じることでいえば、ブラッド・ピッドやジョニー・デップなどが思い浮かびます。
そして、その逆の俳優さんがいるのも確かなこと。どの作品を観ても同じキャラクターを演じているかのような印象を残してしまう。ハリウッド俳優でいえば、レオナルド・ディカプリオ。そして日本の俳優でいえば、今夜の作品「SPACE BATTLESHIP ヤマト」主演の木村拓哉ではないだろうか。決して演技が下手なわけではないんですけどね。
西暦2194年。5年前に突如現れた「ガミラス」と呼ばれる地球外生命体。彼らは地球へ向けて次々と隕石を落下させ、地表は放射能に汚染されてしまう。僅かに残った人類は地下へ移住し、ガミラスに対抗する手段を探すが、未だに見つけられずにいた。このまま人類は滅亡してしまうのかと思った時、遥か彼方にあるイスカンダル星からのメッセージが届く。そこには放射能除去装置を人類に渡す準備があることを示すメッセージがあった。最後の希望を求めて、人類最後の宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルへ向けて発進しようとしていた。
個人的に松本零士の作品で1番思い入れがあるのは「銀河鉄道999」で、このヤマトに関しては幼すぎたこともあり、少し触れただけだったので思っていたほど実写化に対して違和感はありませんでした。しかし、やはりアニメだったら許せた曖昧な設定も実写化にあたって、きちんとした設定を用意したほうが良かったように思います。宇宙空間にいるはずなのに誰も浮いていなかったり、巨大戦艦なのに乗組員が少なすぎたりと突っ込みどころは満載でした。
それでも映像は素晴らしかった。日本でもここまでの映像が作れるようになったのかと、純粋に映画ファンとしては嬉しくなりました。
木村拓哉は決して演技が下手なのではなく、与えられるキャラクターがみんな似たようなキャラクターなのだと思いました。熱血漢で男気に溢れ、無鉄砲で優しくて、それはまさにマンガやアニメに登場するヒーローそのものでした。そして脇役達すべてが彼を慕って寄ってくる。このヤマトではそれが顕著に描かれていて、お話の間に挟まれる休憩室などでのシーンでは、見ているこっちが恥ずかしくなるような、わざとらしいシーンの連続でした。おそらく作る側も観客も「木村拓哉」という役者に求めるものがそうさせているのでしょう。
作品の点数としては★★★☆☆です。きっと駄作だろうと避け続けていた作品でしたが、酷評されているほど酷い作品ではありませんでした。ただ木村拓哉ありきの脚本では素晴らしい作品になるには足りないものが多すぎます。
SPACE BATTLESHIP ヤマト プレミアム・エディション 【Blu-ray】 | |
木村拓哉,黒木メイサ | |
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