しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

寄生獣 完結編

2015年04月26日 23時42分16秒 | 作品名(か行)
第376回「これはこれで、いい作品なのだと思う。」
さて、今回の作品「寄生獣 完結編」も私から言わせれば、最近多くブログに登場する「乗りかかった舟」的な作品である。原作が描く壮大なテーマをどうしても1本にすることができず、2部作となった。(どうしてもなのかは疑問があるが・・・)前作を見たので乗りかかった舟ということで完結編を観てきました。

舞台はとある地方都市・東福山市。そこに暮らす平凡な高校生・泉新一はある日、右腕を寄生生物に乗っ取られ、奇妙な共同生活が始まる。実はその寄生生物は人間の脳を乗っ取ることが本来の目的であり、新一に寄生した「ミギー」は失敗によって生まれた偶然の産物だった。時を同じくして人間に寄生した彼ら「パラサイト」は人間の世界に入り込み、人間を食糧としていた。新一の暮らす東福山市でも多くの惨殺事件が起こるが、警察や政治の世界にまで勢力を伸ばし始めた彼らは、人間世界にうまく溶け込み、その存在を隠しながら暮らしていた。一方、母親を殺されたことでパラサイトに恨みを抱く新一はミギーと協力し1匹ずつパラサイトを退治するようになっていた。そんな新一の存在を疎ましく思った市長の広川は抹殺を画策するが、かつて新一の学校で教師をしていたパラサイトである田宮良子に止められる。しかし、やがてその統率されていたはずのコミュニティーはゆっくりと破綻を始め、新一とミギーにパラサイト達の魔の手が忍び寄り始める。

前作のブログでも書いたように世界規模で起こっているはずの事象なのに、とある地方都市の小さなところを舞台としていることで、マンガは成功したと思っていますが、それをそのまま映画にしたところでうまくはいかないと思っていました。前作を見た段階でいくつかのプロット変更、キャラクターの削除が見られ、いい意味でマンガとは違うものになりつつありました。だからこそこの完結編を観たいと思った要因でもあるのです。

ではまずはこの映画としての「寄生獣 完結編」の良かったところ。それは田宮良子のプロットをとても印象的に描いていたところ。確かマンガでも同じような描かれ方をしていたと思うのですが、新一と後藤の戦闘などに気を取られていたのか、マンガでは全くと言っていいほど印象が薄かったのです。田宮良子というキャラクターが実写となり、深津絵里さんという女優さんが演じたことで深みを増したのか?それはわかりませんが、上映時間のほぼ半分ほどが彼女を中心としたエピソードとなっていました。個人的な感想ですが、そのことがこの作品の出来を良くしていたのでは?と思いました。

では逆に悪かったこと。それはマンガに登場したキャラクターを省き、物語を簡素にし、テンポを上げているにも関わらず、新一と村野里美のベッドシーンを描いたことです。2人の恋愛感情をもっと深く丁寧に描いたうえでのベッドシーンであれば、違和感はなかったと思うのですが、後藤との戦闘でミギーを失い、なんとか逃げ延びたごみ処理施設の倉庫の中で、車で逃げたはずの場所へ後藤よりも早く辿り着いた里美。場所や状況が違っていれば、私も特に問題なく鑑賞することが出来たと思うのですが、その状況の中、その場所で?と違和感を覚えたシーンでした。正直、無くても成立していたシーンだったので客引きの為に用意されたのでは?と余計な勘繰りをしてしまうようなシーンでした。

点数としては★★★★☆です。マンガとかなり違った印象の作品に仕上がってはいますが、これはこれで良い作品に仕上がっていると思います。マンガを知らなくても面白い映画だと思います。マイナス点としては上記した場面に加え、やはり無理やりお話を映画サイズに収めた感は否めませんし、ゆっくり描いて欲しかったミギーとの別れや浦上とのエピローグの場面がかなりおざなりな印象を受けたことで、マイナスとしました。

それにしてもVFXの技術の進歩は凄いですねぇ。もはや映像化不可能な作品などあるのか?と思ってしまうくらいに凄かったです。

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年04月13日 23時59分37秒 | 作品名(は行)
第375回「アカデミー賞の威光が無かったとしたら?」
映画ファンとして毎年楽しみにしている行事。アメリカの「アカデミー賞受賞式」。つい先だって授賞式が行われ、なんの関係の無い私もどの作品が獲るだろうか?なんて勝手に予想したりして楽しみました。特に今年の場合は「6才のぼくが、大人になるまで。」がおそらく中心になるだろうと観てもいないのに、勝手に予想していました。その結果はご存知のとおりです。正直、作品賞と監督賞は予想もしていなかった作品が獲得しました。今回の作品はその2つを獲った「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」です。

かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン。しかし彼が人気を集めたのは昔の話。すっかり落ちぶれてしまい、ブロードウェイでの自分が脚色を手掛けた舞台に再起を懸け奮闘する毎日だった。しかし、問題は山積みだ。舞台のプレビューを数日後に控えたある日、舞台に出る予定だった俳優がケガで舞台を降板してしまう。さらに降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナーは若く才能溢れる俳優だった。そんなマイクは舞台上でもプライベートでも自分勝手振る舞いリーガンを追い込む。さらには付き人をしている娘サムとの不仲に苦しみ、彼は自分を追い詰めていく。やがて・・・

このブログで紹介する映画の基準としては、誰かにおススメすることが出来る作品なのか?が重要なポイントでもあります。ではこの作品はどうなのか?と考えてみると。正直、他人にお金を払って劇場で観てもらいたいと思える作品ではありませんでした。もし、この作品がアカデミー賞を獲得していなければ、私は観ていなかったと思います。(実際にちょっと遠くの映画館までわざわざ足を運んでまで観たのです。)

アカデミー賞会員の作品を選ぶ傾向として、実話物とデ・ニーロアプローチに弱いという点が挙げられます。実話物を挙げると、最近では「アルゴ」「英国王のスピーチ」。古くは「ラスト・エンペラー」「ガンジー」などが思いつきます。デ・ニーロアプローチで言えば、「モンスター」のシャーリーズ・セロン。「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のマシュー・マコノヒーが思いつきます。そういう意味ではこの「バードマン」という作品はファンタジー的な要素を含んだ主人公のリーガンの頭の中を描いた映画で、アカデミー賞向きでは無いと思っていました。だから監督賞に加え、作品賞も獲得したと聞いた時は意外な結果に驚きました。特に今年は実話物が多かっただけに、全く予想していませんでした。

ところが今回、きちんと作品を鑑賞して思ったのは「これはアカデミー賞会員が好みそうな映画」だということでした。ステディ・カムを使い、まるでワンカットでずっと撮影されているような演出。さらにはブロードウェイの演劇界の状況やハリウッドを中心とした映画界を皮肉ったような内容に、結果として4部門受賞は納得できる作品でした。

ではこの作品が万人に受け入れられるのか?と考えれば答えはNOです。現実なのか?空想なのか?よくわからない展開。そして具体的に何が言いたいのか解らない結末。アカデミー賞には値すると思いますが、万人向けの作品ではありません。

点数としては★★★☆☆です。おそらく観た人によって評価が大きく分かれる作品だと思います。個人的にはこういう作品は嫌いではありませんが、もう1回観たいとか手元に残したいというほどの作品では無かったのでこの評価となりました。

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マイケル・キートン,ザック・ガリフィアナキス,エドワード・ノートン,エマ・ストーン,ナオミ・ワッツ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


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