しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断

2017年02月19日 22時35分34秒 | 作品名(あ行)
第420回「相棒の相棒による相棒ファンのための映画」
2000年から放映が開始され、すでに15シーズンが作られ、毎シーズンの放送を楽しみにしているドラマ「相棒」ですが、当初は見ていなかった私も相棒が変わったあたりから見始め、すっかりハマってしまっています。そんな私が迷わず今回の作品「相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」を選んだのは必然というべきでしょうか。

2009年、英国で日本領事館関係者の凄惨な集団毒殺事件が起こり、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織「バーズ」によって誘拐された。しかし、当時の駐英大使と日本政府は“高度な政治的判断”によって、人質を見捨て、その誘拐事件を闇に葬ったのだった。それから7年。国際犯罪組織「バーズ」のリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウが、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日。特命係の杉下右京と冠城亘は、社美彌子からの指示で、案内役としてそのリュウに同行していた。その矢先、リュウの部下が、「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”に殺害された。さらに「バーズ」は外務省のホームページをハッキングし、7年前に誘拐した少女=鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開した。「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと約9億円の身代金を要求した。かつての誘拐事件の全貌が明らかになり、騒然とするマスコミ。特命係の2人は捜査一課の面々、元鑑識の米沢守、警察庁の神戸尊らを巻き込みながら、事件解決へと独自に動き出す。

ファンとして突っ込みたいところが幾つかあります。今回の事件の時系列は2016年の夏に始まって、国際競技大会(オリンピック)の選手団のパレードが行われた10月初旬が舞台になっているはず。なのに事件が始まった夏頃にはすでに冠城亘が警視庁にいること。(冒頭の冠城亘が歩くシーンで印象的にセミの鳴き声を入れていた。)警察学校に4月に入学したのなら、卒業は9月のはず。夏にはまだ学校に在学中のはずである。
ウィキペディアでは、15シーズンの2話と3話の間の出来事と書いてあったが、であるならば、サイバー対策室の青木を登場させてもいいはず。映画ではわざわざ米沢さんを登場させている。

さらには犯人の動機と犯行計画について。ネタバレを避けて書くので、なにを言っているのかは映画を観た人しかわからないかもですが、世界を又にかける犯罪グループの主犯が仕掛けた計画にしては、余りにも拙い計画でアッサリと予想がついてしまいました。彼の正体がわかってからは、さらにあの事件は必要だったのか?最終目的があれならば、もっといい方法があっただろうに?と色々な点が気になってしまいました。右京さんの言葉を借りるのであれば「細かい事が気になってしまう。僕の悪い癖。」といったところでしょうか。

そんな文句を言いつつも最後まで観られてしまったし、久しぶりに登場した神戸尊にもワクワクしてしまいました。(場面がかなり少なかったのですが。)でも、この作品はあくまで相棒をこよなく愛している人に向けた作品であって、新規でここから相棒に興味を持った人には全く向いていない映画であることは間違いありません。それでもそのコアなファンに向けて作られたはずなのに、あれだけ興行収入を上げられてしまうのは、改めてこの作品の凄さを感じたのでした。

作品の点数としては★★★★☆です。テレビシリーズのほうで映画に向けての前日譚を2週に渡って描いたわりには、まったく意味を持っていなかったので、マイナス1です。ファンでない人が見たら、さらにマイナス1だったかも。ここのところ脚本家陣がガラッと変わって、少し脚本に無理を感じるエピソードが多い気がします。古沢良太さんや戸田山雅司さん、輿水泰弘さんなど、安定して相棒の世界を描いてくれる先輩を見習ってほしいと思っています。今後も続いてほしい作品なので・・・

相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 Blu-ray通常版
水谷豊,反町隆史,鈴木杏樹,川原和久,山中崇史
Happinet


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ザ・コンサルタント

2017年02月05日 23時14分34秒 | 作品名(さ行)
第419回「最高の作品に出会い、最悪の映画体験をする。」
正直、まったく期待はしていませんでした。公開前のメディアでもそれほど大々的に宣伝していませんでしたし、公開後もそれほど興行成績がいいという話は聞かなかったので、わざわざ観なくてもいいかな?と思っていました。それでも興味はあったので、いつもとは違う映画館だけど、まあいいかくらいの軽い気持ちで足を運びました。今回の作品は「ザ・コンサルタント」です。

シカゴ郊外の田舎町で小さな会計事務所を営んでいる会計士クリスチャン・ウルフ。彼の元には田舎の老夫婦などが税金の相談に訪れる程度の仕事があるだけだった。ある日、リビング・ロボ社という大企業から財務調査依頼が舞い込んだ。会計担当の事務員が使途不明金の存在を見つけ騒ぎ出したからだ。彼は15年分にも及ぶ会計資料を用意させ、一晩で会社の不明となった金の流れを見つけ出した。すると翌日には犯人と思われたCFO(最高財務責任者)だった人物が自殺してしまう。彼の死によって調査は途中で打ち切られることになる。釈然としないまま依頼は終わったかに思えた。ところがある日、突如として彼の前に殺し屋が現れた。しかし、彼はアッサリと二人の殺し屋を始末してしまう。実は彼には隠されたもう1つの顔があった。彼は世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の掃除屋でもあった。天才的な頭脳、卓越した格闘術、抜群の狙撃テクニック。それらを駆使し、裏社会での仕事をしていたのだ。さらに彼には多くの秘密があった。

綿密に練られた脚本、緻密なキャラクター設定、散りばめられた多くの伏線。テンポ良く進むストーリー。ヒット作の続編でもなく、豪華キャストが登場するわけでもない、オリジナル脚本でここまで面白い作品を観たのは久しぶりかもしれません。高機能自閉症である主人公の生い立ち、素性、性格、状況を無理なく脚本に織り込み、回想シーンや財務省のシークエンスを見事に交えて、それでいて見事なアクションシーンで飽きさせない。これほど見事な作品は珍しいと思います。

キャストも主演のベン・アフレックに、相手役のアナ・ケンドリック、財務省長官のJ・K・シモンズ、殺し屋役のジョン・バーンサル。名前と顔が一致したのはこの4人だけ。それでもこれほど面白い作品になるのは、とにかく脚本だと思います。散りばめられた伏線が回収されていく様は、見事としか言いようがありません。最後に登場する彼女の正体は続編を意識すれば、明かされなくても文句は言えないかもしれませんが、それも見事に回収する辺りは素晴らしかった。これこそ秀作と呼ぶべき作品だと思います。

点数は文句なく★★★★★です。親友であるマット・デイモンがジェイソン・ボーンで最強の暗殺者を演じていますが、ベン・アフレックも近しいキャラクターを演じるとは運命的なものを感じてしまいますね。是非ともシリーズ化して欲しい作品ですが、安直な脚本ではなく、今作のような見事な脚本による続編を期待しています。今作は邦題に主人公の名前を付けなくて正解でした(笑)

【最悪の映画体験について】
真横に座った男性が、映画が始まった瞬間から高いびきをかいて寝始めたのです。同伴の女性が起こすものの、何度も何度もいびきをかく始末。イライラしながらの鑑賞となりました。鑑賞前にはその女性とイチャイチャ会話。映画を鑑賞するつもりが無いのなら、来ないでほしいと思いました。映画館側も席に余裕があるのなら、間を空けて席を指定してほしいものです。

ザ・コンサルタント ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ベン・アフレック,アナ・ケンドリック,J・K・シモンズ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


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