第308回「望まれて作られた続編だったのだが・・・」
最近ではドラマなどで見る機会が激減した「探偵」という職業を主人公として大ヒットした「探偵はBARにいる」。その続編がいよいよ公開ということで初日に劇場へ行ってきました。探偵を演じる大泉洋と相棒・高田を演じる松田龍平の絶妙なコンビネーションと独特の世界観が心地よかった前作を超える作品を期待していました。今回の作品は「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」です。
日本最北で最大の歓楽街・札幌ススキノを拠点に活動する探偵。彼はいつものようにBARにいた。ある日、探偵が足しげく通うショーパブの従業員で、友人でもあるオカマのマサコちゃんが殺された。得意だったマジックの全国大会で優勝し、祝勝会が開かれた後だった。犯人はすぐに見つかると思われたが捜査は進まないまま半年が経過した。「マサコちゃんは政界の闇に触れて殺された」といううわさを耳にした探偵は独自に捜査を開始する。時を同じくして彼を尾行してきた女がいた。彼女は有名なバイオリニストの河島弓子だった。彼女はファンでもあり友人でもあったマサコちゃんの死の真相を確かめる為に札幌まで足を運んだという。彼女から事件解決の依頼を受けた探偵は友達の死の真相を探るため、相棒の高田と共に再び札幌ススキノを駆け巡る。やがて見えてくる事件の真相とは?
タイトルまでに時間をかけ過ぎなのは目をつぶるとして、この作品の世界観と雰囲気をしっかりと引き継ぐことには成功している。ちょっと三枚目で頼りなさそうに見えるが、探偵という職業に誇りを持ち、依頼人を守るというポリシーを貫く「探偵」。いつも眠そうで、どんなに危機的状況であろうと飄々とした「相棒・高田」。2人が醸し出す独特の信頼関係みたいなものがとても心地よい作品である。しかし、どんなにキャスト陣が良かろうと、こういうお話で1番大事なのは、事件の面白さである。
残念ながら今作の事件は前作に比べると見劣りしてしまう内容でした。警察が犯人を見つけられないほど難しい事件では無かったし、結末に用意された犯人や動機も「え、そんなことが理由なの?」と思ってしまう内容だったし、政治家やヤクザ、果てには一般市民まで巻き込んで大騒動になってしまうのを見ながら、「そんなバカな・・・警察は何やってるの?」と思いながらの鑑賞でした。前作でも言ったのですが、警察内部にも魅力的なキャラクターを配して、探偵を助ける存在がいたほうが物語に深みが増すと思うのですが。
点数としては★★★☆☆です。キャスト陣には問題はありません。探偵、高田はもちろん脇を彩った俳優さん達も映画の世界観に見事に入り込み、映画を盛り上げました。問題は前述したように脚本(事件の内容)でした。取って付けたように政治家を巻き込み、犯人らしきキャラクターを登場させましたが、残念ながら逆効果でした。さらに今作はちょっとコミカルにし過ぎた感じもしました。前作で感じたハードボイルド感がかなり薄まってしまい、面白さ(軽薄さ)ばかりが目立ってしまっていたように思います。
決してつまらない作品ではないので、シリーズ化を目論んでいるのなら、もっとよく練られた脚本で続編を作ってほしいと思いました。原作通りならしょうがないのですが・・・
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最近ではドラマなどで見る機会が激減した「探偵」という職業を主人公として大ヒットした「探偵はBARにいる」。その続編がいよいよ公開ということで初日に劇場へ行ってきました。探偵を演じる大泉洋と相棒・高田を演じる松田龍平の絶妙なコンビネーションと独特の世界観が心地よかった前作を超える作品を期待していました。今回の作品は「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」です。
日本最北で最大の歓楽街・札幌ススキノを拠点に活動する探偵。彼はいつものようにBARにいた。ある日、探偵が足しげく通うショーパブの従業員で、友人でもあるオカマのマサコちゃんが殺された。得意だったマジックの全国大会で優勝し、祝勝会が開かれた後だった。犯人はすぐに見つかると思われたが捜査は進まないまま半年が経過した。「マサコちゃんは政界の闇に触れて殺された」といううわさを耳にした探偵は独自に捜査を開始する。時を同じくして彼を尾行してきた女がいた。彼女は有名なバイオリニストの河島弓子だった。彼女はファンでもあり友人でもあったマサコちゃんの死の真相を確かめる為に札幌まで足を運んだという。彼女から事件解決の依頼を受けた探偵は友達の死の真相を探るため、相棒の高田と共に再び札幌ススキノを駆け巡る。やがて見えてくる事件の真相とは?
タイトルまでに時間をかけ過ぎなのは目をつぶるとして、この作品の世界観と雰囲気をしっかりと引き継ぐことには成功している。ちょっと三枚目で頼りなさそうに見えるが、探偵という職業に誇りを持ち、依頼人を守るというポリシーを貫く「探偵」。いつも眠そうで、どんなに危機的状況であろうと飄々とした「相棒・高田」。2人が醸し出す独特の信頼関係みたいなものがとても心地よい作品である。しかし、どんなにキャスト陣が良かろうと、こういうお話で1番大事なのは、事件の面白さである。
残念ながら今作の事件は前作に比べると見劣りしてしまう内容でした。警察が犯人を見つけられないほど難しい事件では無かったし、結末に用意された犯人や動機も「え、そんなことが理由なの?」と思ってしまう内容だったし、政治家やヤクザ、果てには一般市民まで巻き込んで大騒動になってしまうのを見ながら、「そんなバカな・・・警察は何やってるの?」と思いながらの鑑賞でした。前作でも言ったのですが、警察内部にも魅力的なキャラクターを配して、探偵を助ける存在がいたほうが物語に深みが増すと思うのですが。
点数としては★★★☆☆です。キャスト陣には問題はありません。探偵、高田はもちろん脇を彩った俳優さん達も映画の世界観に見事に入り込み、映画を盛り上げました。問題は前述したように脚本(事件の内容)でした。取って付けたように政治家を巻き込み、犯人らしきキャラクターを登場させましたが、残念ながら逆効果でした。さらに今作はちょっとコミカルにし過ぎた感じもしました。前作で感じたハードボイルド感がかなり薄まってしまい、面白さ(軽薄さ)ばかりが目立ってしまっていたように思います。
決してつまらない作品ではないので、シリーズ化を目論んでいるのなら、もっとよく練られた脚本で続編を作ってほしいと思いました。原作通りならしょうがないのですが・・・
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大泉 洋,松田龍平,尾野真千子,ゴ リ,渡部篤郎 | |
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