しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

チャッピー

2015年05月24日 19時52分38秒 | 作品名(た行)
第378回「アイデアは目新しくは無いが、脚本でそれを上回ること」
また随分とご無沙汰してしまいました。ブログを書くことに費やす労力を上回るほどの作品が公開されないのが原因なのですが、ただ単にブログを書く作業が億劫になっているのが本当のところです(笑)

さて久しぶりのブログ更新ですが、今日の作品は「チャッピー」です。人類史上初の人工知能を搭載したロボットが主人公の物語と聞いて、SF映画ファンの私としては、それほど目新しさは感じませんでした。だってそのアイデアは今までたくさんの映画で取り上げられてきていたから。ですが監督の名前を聞いて「これは観なくては」と思ったのです。その監督の名前はニール・ブロムカンプです。「第9地区」で世界的な注目を浴びた監督が作った作品と聞けば、観ないわけにはいきません。

舞台は2016年の南アフリカ・ヨハネスブルク。犯罪が多発し警察がすでに機能していない状態に苦慮した政府は兵器メーカー「テトラバール社」が開発したロボット警官を導入した。その活躍は素晴らしく、犯罪率の激減に繋がった。気を良くした政府はさらに100体の追加を決める。開発者のディオン・ウィルソンはあっという間に会社を担う存在となった。ある日、ディオンは長年の夢だった学習機能を搭載した人工知能の開発に成功する。社長にその人工知能をロボット警官に搭載する実験を願い出るが、社長は現時点で成果を十分上げていると取り合ってくれない。そこでディオンは会社に無許可で、廃棄直前だった22号を持ち出し、そのデータをインストールしようとする。ところが時を同じくしてロボット警官の機能を停止させようとした犯罪グループに狙われたディオンは誘拐され彼らのアジトへと連れてこられる。ロボット警官を停止させろと脅されるが、無理だと言う、当初の目的が達成出来ないと知るとディオンを殺そうとするが、廃棄寸前の22号を見つけ、このロボット警官を仲間にしようとする。成功する確約は無かったが、銃を突き付けられたディオンは咄嗟にその機体に人工知能をインストールする。すると22号はまるで生まれたての子供のように動き始めた。「チャッピー」と名付けられた機体は急速に成長していく。ところが事態は思わぬ方向へと進み始める。

人工知能が登場する映画は今までたくさんありました。古くは「ショート・サーキット」、「ターミネーター」に登場するスカイネット、「マトリックス」のあの世界を作り出したのも人工知能。SF映画の世界ではそれほど珍しいプロットでは無いので、この作品の予告編を観た時もそれほど真新しい展開を期待してはいませんでした。ところがこの作品の展開は見事なものでした。

赤ん坊同然の無垢なチャッピーを育て始めるのは、なんと犯罪グループ。教え込まれるのは悪い事ばかり、「人を傷つけるな!犯罪はするな!」と創造者であるディオンに教えられるが、銃の扱いを覚えたり、脅し方を覚えたりと、どんな風に成長するのかヒヤヒヤしながらの鑑賞でした。さらにはディオンの活躍を妬むライバルのムーアが嫌味な行動をしたり、さらに別グループの犯罪集団が登場したりと、色んな思惑が絡み合います。しかし、決してゴチャゴチャすることなくお話は進んで行きます。

見事なのは脚本だけでなく、キャストも素晴らしいです。開発者のディオンには「スラムドッグ$ミリオネア」のデーヴ・パテール、ディオンのライバル・ムーアにはヒュー・ジャックマン。テトラバール社の社長にはシガニー・ウィーバー。そんな豪華なキャストの中でも一番光っていたのは、画面に姿を現すことの無かったチャッピーを演じた、シャールト・コプリーです。チャッピーの声とモーションアクターとして作品に参加した彼の演技は見事でした。人工知能によって生まれたばかりの演技に始まり、少しずつ成長していくチャッピー、見た目はロボットのはずなのに、確かに命を吹き込まれ、人間に迫害される姿を見ていると、こちらの心をギュッと捕まれたような感覚を覚えました。ニール・ブロムカンプ作品では必ず登場している彼ですが、こんな形での出演でも存在感を見事に見せつけてくれます。

作品の点数は★★★★★です。人工知能の是非やロボットとの共存など哲学的で難しい問題を含んでいるにも関わらず、決して難しくならずに最後までテンポ良く展開し、時間を忘れさせてくれます。そしてきちんとエンターテイメント作品として見事な結末へと導いてくれます。結末の付け方には賛否両論あると思いますが、個人的には(この作品では)しっかりとした結末を見せてくれたと思っています。

映画の最後にニュースキャスターが「続報をお伝えします。」というシーンがあるのですが、それはこの作品に続編が存在するということなのでしょうか?考えすぎですかね。

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THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

2015年05月04日 09時54分32秒 | 作品名(さ行)
第377回「これぞ押井流全開といったところでしょうか?」
さて、長い期間に渡って全7章(12エピソード)によって語られてきた「THE NEXT GENERATION パトレイバー」。その詳しい世界観や簡単な説明などは、以前に書いた第1章のブログをご覧いただくとして。今日はいよいよというかやっと劇場版長編が公開となりました。今までのドタバタコメディのようなエピソードが、どのようにして変化しているのか、楽しみで仕方ありませんでした。そしてそれはわかっていたはずでした。このシリーズの総監督が押井守であることを・・・「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」

平和な日常は一瞬で凶暴な非日常へと姿を変える。ある日、レインボーブリッジを襲った一発のミサイル。昨日までの当たり前の平和はもう存在しない。突如撃ち込まれたミサイルは姿の見えない最新鋭ヘリコプター「グレイゴースト」によってもたらされたものだった。数日前に陸上自衛隊演習場から強奪され、天才的な女性パイロット・灰原零と共に姿を消していたのだった。その情報を公安三課・高畑慧は特車二課へと持ち込んだ。実はその事件の首謀者は、かつて「幻のクーデター」を企てた柘植行人に心酔するシンパが再び果たせなかったクーデターを起こそうとしているのだという。かつて特車二課の超法規的措置によって解決した事件が、今になって三代目特車二課へと暗い影を落とそうとしていた。見えない敵、人質となった1000万都民、そして現れるかつて特車二課第一小隊を率いた南雲しのぶ。彼女がもたらすものとは?やがて嵐は吹き荒れる。

正直言って評価が分かれる作品だと思う。押井守監督という人物を良く知っていればこの作品はとても彼らしい作品だ。彼の真骨頂とも言うべきセリフ回しや場面転換。パトレイバーという作品でありながら、パトレイバーの活躍はわずか数分という脚本。「パトレイバー」という名前のみをインプットして作品を鑑賞すると、作品名と内容との違いに驚くことだろう。だが、押井守という監督を知っていれば、とても彼らしい作品に仕上がっています。

出来れば、いつものようにオープニングを挿入して、初見の人でもわかりやすいように作ってもらえたら、もっと良かったと思います。それでもあの「機動警察パトレイバー」を完全に実写化してみせたのは評価に値します。

個人的にパトレイバーのファンなだけに、短編も含めて全てを鑑賞しているので、キャストや世界観に違和感はありませんでした。いきなりこの作品から入った人はちょっとわかりにくいかも知れません。点数は★★★★☆です。この1本の長編作品だけでは物語として未完成な部分が多いのでマイナス点としました。それでもファンなら是非観ておく作品だし、アニメ版の劇場作品も含めて、パトレイバーの世界観を見事に仕上げてみせたと思っています。もちろん不完全燃焼な部分も多々あり、何もかも満足というわけにはいきませんでしたが、それでも現時点でのパトレイバーとしての到達点を見せることは出来たと思います。

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