しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

プロメテウス

2012年08月26日 18時00分32秒 | 作品名(は行)
第277回「2093年宇宙の旅」

あのリドリー・スコット監督が自身の手掛けた名作SF映画「エイリアン」の前日譚ともいえる作品を作り上げたと聞けば、SFファンのみならず映画ファンならば観ておきたいと思うのは自然な成り行きといえるでしょう。もちろんSFファンである私が見逃すわけもなく、ワクワクしながら映画館へ足を運びました。

西暦2093年。地球上の各地で発見された古代遺跡に残されていた共通の場所を指し示す壁画の数々。それらはかつて地球上に訪れていた種族が存在し、彼らの暮らす惑星の場所を示していると思われた。そして、そこへ行けば人類の起源が解き明かされるだろうと想像した科学者チームは、巨大企業ウェイランド社が出資した巨大宇宙船「プロメテウス号」に乗り込んで地球を出発した。
それから2年以上が経過し、ようやく辿り着いた未知の惑星に降り立った乗組員達は早速、調査を開始する。巨大なドーム型をした人口建造物へ入った乗組員達は次々と驚くべき発見をしていく。しかし、それは人類の来訪を歓迎するものではなく、恐怖と混乱を招くものだった。

リドリー・スコット監督が描くSFは決して明るく希望に満ちたものではない。今作「プロメテウス」も人類の起源を求めて旅をするという前向きなテーマが描かれるが、その裏ではとても個人的な思惑が暗躍し、そしてその思いはことごとく打ち砕かれる。それがこの監督の良さであり、多くの観客を引き付けるのであろう。そんな監督さしさが満載のこの作品は、決して万人向けの作品ではないが、SFファン及びリドリー・スコット監督ファンには満足できる作品だったのではないだろうか?

残念ながら、物語のすべてが劇中で解決されるわけではない。おそらくこうではなかろうかと、観客に想像させ、明確な結論を提示していないまま物語は終わりを告げる。その辺りを良しとして楽しめる人と、楽しめない人によって映画の評価は分かれるのではないかと思う。そこはこの作品のタイトルが「エイリアン」の純粋な続編として描かれたのではなく、あくまで「プロメテウス」という別のタイトルで作られたことも、そのことを示している。確かにエイリアンらしき生き物は登場するし、多くの似たようなプロットやキャラクターも登場します。しかしあくまでこの作品は「プロメテウス」なのだ。

点数は★★★★☆です。マイナス点としては、脚本や場面設定、登場する宇宙船や多くの探査装置や兵器・乗り物などはSFファンの心をくすぐってくれる素晴らしい出来だったのですが、登場するキャラクター達が中途半端に感じたこと。とくにシャーリーズ・セロンが演じたヴィッカーズ。彼女の秘密めいたキャラクターは凄く魅力的だったのに、特に秘密を持っていたわけではありませんでした。引かれた伏線も予想の範疇だったこと。その辺りがマイナス点です。それでも4つ星なのは、SF作品として見応えはありましたし、エイリアンへと続く前日譚としての役割は果たせていたように思えたからです。

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アベンジャーズ

2012年08月19日 19時44分50秒 | 作品名(あ行)
第276回「アチラを立てれば、コチラが立たず?」

これだけ待ち望んだ作品の点数が★★★★★以外であるはずもなく、決して期待を裏切らなかった今夜の作品「アベンジャーズ」は歴史に残る凄い映画に違いない。ではそんな作品の一体どこが凄かったのか、うまく伝えられるだろうか?

長官ニック・フューリー率いる国際平和維持組織「シールド」の基地では、ある研究が行われていた。それは、キャプテン・アメリカと共に北極海で眠っていた強大な力をもった「コズミック・キューブ」を極秘で調査するプロジェクトだ。
ある日、突如として制御不能に陥ったキューブは、遠く離れた別世界につながる禁断のワームホールへの扉を開いてしまう。そこから現れたのは、神々の国アスガルドを追放され、地球の支配を目論む邪悪な神ロキだった。彼はキューブを渡すことを条件にチタウリと呼ばれる凶悪な軍勢の力を得て、地球を支配しようと画策していた。アスガルドの尊大な王子ソーの弟であるロキは、セルヴィグ博士やシールド最強のエージェント「ホーク・アイ」ことクリント・バートンをコズミック・スピアによって操り、キューブの強奪に成功する。
キューブと仲間を奪われ、地球滅亡の危機に陥ったフューリー長官はある計画を実行に移すことを決める。それは「アベンジャーズ計画」と呼ばれる実現不可能と言われた計画だった。

この映画を実現するために「アイアンマン」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」「インクレディブル・ハルク」というキャラクターを主人公にした作品を映画化したと言ってもいいくらい、長い年月をかけて辿り着いたこの「アベンジャーズ」という作品ですが、こういうヒーロー集合映画みたいな作品は、一歩間違うと誰か1人だけが目立ってしまい、せっかく登場しているのにまったく目立たないキャラクターがいたりと、主役級のキャラクターが多く登場している作品にはありがちな出来になってしまうことが多くあるのですが、この「アベンジャーズ」という作品は絶妙なバランスでそれぞれのキャラクターを生かしていて、それぞれが活躍する場面があり、それぞれの魅力を存分に引き出せていたように思います。

特に「アイアンマン」のトニー・スタークと「インクレディブル・ハルク」のブルース・バナーの関係性は観ていて微笑ましくなってしまいました。同じ天才科学者ということであっという間に意気投合。生真面目なブルースをいたずらっ子のようなトニーがちょっかいを出し、その様子を怪訝そうに眺めるキャプテン・アメリカという場面が観られるのもこういう映画の良さじゃないでしょうか。
さらに「ブラック・ウィドウ」ことナターシャ・ロマノフと「ホーク・アイ」の関係性や隠された過去なども物語を深めてくれる魅力的なお話になっていました。今後の展開がとても気になりました。おそらくまだまだシリーズは続いていくことでしょう。

それぞれが持つ能力を最初はうまくまとめることが出来ずに苦戦するメンバーも、ある人物の死によって見事にチームとしての連携を見せてくれます。確かにソーやハルクの活躍がちょっと物足りない部分もありましたが、それでもこれだけのキャラクターを上手にまとめ上げた見事な脚本だったと思います。

点数はもちろん★★★★★です。アメコミ映画ファンである私の欲目は入っていると思いますし、この映画を楽しむためには、それぞれの作品を観て各々のキャラクターを理解する必要がありますので、誰もが楽しめる作品というわけではありませんが、それでも夏休みにピッタリのエンターテイメント映画に仕上がっています。

今後もそれぞれの映画がすでに計画されていて、おそらく「アベンジャーズ」も続編が作られることでしょう。個人的には一番好きなハルクの映画を主演俳優を変えることなく、制作してくれることを望んでいます。いい脚本があればいいのですが・・・

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トータル・リコール(2012)

2012年08月12日 21時52分57秒 | 作品名(た行)
第275回「原作は同じだが、テイストは違った作品に・・・」

SF作家の大御所「フィリップ・K・ディック」の短編「追憶売ります」をポール・バーホーベン監督により、主演アーノルド・シュワルツェネッガーで映像化された「トータル・リコール」が公開されたのは1990年のこと。あれから20年以上が経過していることに驚きつつ、現代の技術によってリメイクされた「トータル・リコール」を鑑賞してきました。

21世紀末に起こった「化学戦争」によって地球上で安全に生活できる場所は、富裕層が暮らすヨーロッパ圏にある「ブリテン連邦」と貧困層が暮らすオーストラリアにある「コロニー」と呼ばれる場所の2ヶ所のみとなっていた。貧困層に暮らすダグラス・クエイドはロボット製造工場で働き、妻のローリーと二人で幸せな生活を送っていたが、最近になって同じ夢を見るようになっていた。その夢が彼の心の隅でずっと気にかかっていた。
そんな時、街で話題になっている「リコール社」の話を聞いた。そこでは自分の好きな記憶を買うことができ、まるで現実かのような経験ができるという。貧困の中での抑圧された生活を少しでも忘れることが出来ればとクエイドはリコール社へと足を運んだ。そこでよく見る夢の中での自分と同じ、諜報部員の記憶を選び、その夢を見ようとしていると、突然、警官隊が突入してきてクエイドを逮捕しようとする。いきなり銃を向けられたクエイドだったが、体が勝手に動き出し10人もの警官隊を蹴散らしていた。混乱の中、帰宅したクエイドに今度は愛する妻が銃口を向けてきた。ローリーは「クエイドなんて人間はいない。せっかく新しい記憶を植え付けたのに。」と驚くべき発言をする。なんとか逃げ延びたクエイドは本当の自分を見つける為に、命がけの逃避行が始まるのだった。

まずは前作の「トータル・リコール」をリアルタイムで観ていた私は、すっかり基本的なお話は同じだろうと勝手に思い込んで鑑賞してしまいました。もちろん、基本的なプロットは同じですが、火星は出てきませんし、コーヘイゲンの陰謀の内容もだいぶ違っていました。しかし、そのことがこの作品の評価を下げることにはなりませんでした。むしろ、変えたことが良かったように思います。

新しいアイデアも満載でした。地球の離れた場所・・・「ブリテン連邦」と「コロニー」を繋ぐ為の乗り物「フォール」や、「アイ・ロボット」に登場したロボットを彷彿とさせるようなロボット兵士・・・などなど、SFファンの心をくすぐってくれるナイス・アイデア満載の作品に仕上がっていました。まあ、実際にあの「フォール」という乗り物が実現可能かは、また別の話ですが。

個人的にはシュワちゃん版の「トータル・リコール」よりも今作のほうが好みでした。もちろんVFXの技術が格段に進歩しているので、前作よりもリアリティを増して表現が可能なのですが、その部分を考慮したとしても今作のほうが見応えがあったように思います。主演を屈強な男ではなく、どこにでもいそうなちょっとひ弱な男という設定が良かったのかもしれません。

それに冒頭から登場する「コロニー」を含めた世界観が見事でした。おそらく映画を観たSFファンはみんな思ったことでしょう。「おいおい、これは完全にブレード・ランナーを意識しているじゃないか!」と。終始振り続ける雨、日本語や韓国語など多言語が混ざり合った看板など、まさにブレード・ランナーのそれと酷似しているのです。個人的にはそれも良かったと思っています。あの薄汚れた感じが個人的には好きなのです。なにせ原作者が同じなのですから、それもありでは?

点数は★★★★☆です。SFアクション映画として、なかなかいいテンポでお話も進んでくれるし、結末もきちんとしているので、想像していたよりもいい映画だったと思います。

ただ、よく考えるとコーヘイゲンは何をしたかったのか?とか、暗躍していた計画が稚拙だったり、主要キャラクターの背景が希薄だったりと突っ込みどころはいくつかあったので、マイナス1としました。娯楽作品としてはいい作品だったと思います。
もう少し時間を割いて、富裕層と貧困層の生活格差とか、クエイドの生い立ちなどを掘り下げたら、もっと感情移入できてエンディングがより感動的になったのかも。

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