しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

■15時17分、パリ行き

2018年03月21日 14時49分49秒 | 作品名(さ行)
第448回「決してマネはしないでください。」
正直、公開1週間前までノーマークでした。さらにその映画の存在を知ったあともそれほど観たいと思える作品ではありませんでした。そんな私の気持ちを一転させたのは、とある予告編でした。おっと、先に作品名を言わないと・・・今回の作品は「15時17分、パリ行き」です。名優クリント・イーストウッドが監督を務め、「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」に続く、実話物である。監督だけで興味をそそられる人もいるだろうが、私が一番興味を持ったのはキャストだった。とあるテロ事件を基に作られているのだが、登場する3人の主人公を実際に事件に遭遇した3人がそのまま本人役で登場するというのだ。もちろん彼らは役者ではない。前作の「ハドソン川の奇跡」でも事故の当事者を出来るだけ呼んで、当時の状況を忠実に再現しようとしたという話は聞いたが、事件の当事者がそのまま本人役で映画に出演するなんて、聞いたことがない。まさに前代未聞の挑戦だ。俄然、興味が湧いてきた。

2015年8月21日、アムステルダムを出発しパリへと向かう高速鉄道タリス内で事件は起こった。自動小銃を持ったイスラム過激派の男が列車内で発砲し、乗客にケガを負わせた。その列車に偶然乗り合わせたアメリカ人旅行者のスペンサー、アンソニー、アレクの3人は臆することなく犯人に立ち向かい、大量虐殺テロを未然に防ぐことに成功した。

上記のあらすじを見てもわかるように、すでに事件は解決し、映画を観なくても、結末がどうなるのかはわかってしまう。(私はあえて調べなかったが)前作「ハドソン川の奇跡」でも言ったが、すべての結末がわかっている状態で観客を席に留めさせるのは、とても難しいと思う。その辺りの演出は「さすが、クリント・イーストウッド監督!」と思わせてくれるくらい見事でした。上映時間も94分と短く、事件そのものはあっという間に解決する。それでも時間軸を見事に使い、観客を飽きさせない作りになっていました。

さらに主演した3人について、実際にアメリカの国内の反応はわからないが、日本人である私が見る限りでは彼らの演技に違和感は覚えなかった。とても自然に演じていた。それにしても事件の当事者を、再び事件を思い出させることすら嫌がる人がいる中で、出演させてしまうとは、演じた彼らが凄いのか?出演させた製作陣が凄いのか?

作品の点数としては、★★★★☆です。観る人に間違えないでほしいのは、この作品は「テロに遭遇したら、みんなで犯人に立ち向かいましょう。」という映画ではないということ。映画を観ればわかるが、彼らはとても運が良かっただけだ。もちろん何もしなければ、もっと大勢が殺されていただろう。たまたまアレクとスベンサーはアメリカ軍人であり、格闘技の訓練を受けており、銃器の扱いにも精通していたというバックボーンがあったから、とっさの出来事にも立ち向かうという判断が下せたのだと思う。日本で同じようなテロ事件が起こることは限りなく少ないと思うが、犯人に立ち向かおうとは思わないほうが賢明だと思う。

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■ブラックパンサー

2018年03月11日 23時37分13秒 | 作品名(は行)
第447回「新たに現れた黒きヒーローの圧倒的な姿に」
ずっと楽しみにしていた。彼の存在はずいぶんと前から別作品で語られ、いくつもの伏線が張られている。あとはタイミングだけだった。そのタイミングは見事過ぎるくらいにやってきた。先に公開されたアメリカ本国での大ヒットぶりを聞けば聞くほど楽しみになった。今回の作品はもちろん「ブラックパンサー」です。

アフリカ中央部に位置する途上国「ワカンダ」。表向きは農業を中心にした小国だと思われている。しかし、その実態は大きく異なる。はるか昔、その地に落ちた隕石に含有していた未知の金属「ヴィブラニウム」。その金属には驚くべき能力が隠されていた。その力を得た先住民はその力が悪の手に渡れば、世界を滅ぼす危険があるとし、その存在を隠してきた。歴代のワカンダ王はその秘密を守ると同時にヴィブラニウムの研究を続け、その恩恵によってワカンダは最新テクノロジーを誇る豊かな国になっていた。
他国との交流を避けてきたワカンダだったが、先王であったティ・チャカ王は混迷する世界を救おうと国連会議への参加を決意する。しかし、アベンジャーズの分裂を画策していた事件に巻き込まれ死亡してしまう。その息子ティ・チャラは先王の遺志を継ぎ、即位の儀式の為に帰国した。無事に儀式を行いブラックパンサーを継いだティ・チャラだったが、事件は起こった。かつて、ワカンダに忍び込みヴィブラニウムを盗み出したことがある武器商人ユリシーズ・クロウがイギリスの美術館に展示されていたヴィブラニウムの含まれた展示品を盗み出したのだ。しかもそれを手引きした男がワカンダ出身である可能性があった。ティ・チャラはその行方を追いかけて韓国へと旅立つのだった。

とにかく良く出来た作品でした。今まで最初のエピソードを描くのはとても難しいと話をしてきましたが、スパイダーマンの登場もそうであったように、初登場が「シビル・ウォー」である程度の説明を省いて描く事が出来たのは、とても有利だったと思います。

さらにこの作品を盛り上げたのはキャストと音楽でした。キャストについては徹底して黒人俳優を使い、世界観を統一したこと。ワカンダという未知の国を見事に描くことが出来ていました。音楽もこんなに鑑賞中に音楽がカッコいいと思った作品はとても珍しいと思いました。この世界観の徹底を許したマーベルも褒めるべきでしょう。

点数としては満点に限りなく近い★★★★☆です。とてもいい作品だったのですが、個人的にマイナスだった点は悪役についてです。これも以前から言っていますが、魅力的な悪役の存在はその作品を1段も2段も上げてくれるのです。いい例は「マイティー・ソー」でいうところのロキの存在です。今作の悪役であるエリック・キルモンガーはロキになれる可能性を秘めたキャラクターでした。ところが登場も唐突だったし、悪役に徹しきれていない感じを受けました。もっと残酷でもっと嫌われ役に徹するのか、もしくは次作以降を見据え、ティ・チャラの右腕とするのか、どちらかに振り切ってしまったほうが良かったと思います。個人的には悪役に振り切っていたユリシーズ・クロウのほうが魅力的に映り、いい人になりたいのか?ワカンダを滅ぼしたいのか?中途半端な印象をエリックからは受けました。それでも映画自体はとても面白く仕上がっていました。

4月27日には「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー」の公開が控え、その後もマーベルは続々と作品の公開が予定されています。ファンとしてはまだまだ楽しめそうで嬉しい限りです。
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■ジオストーム

2018年02月25日 22時42分43秒 | 作品名(さ行)
第446回「ディザスタームービーじゃないのかよ!」(注意:ネタバレあり)
俗にいう「パニック映画」と呼ばれるジャンルの映画「ディザスタームービー」が大好きだ。と何度もこのブログで語ってきた。しかし、最近はめっきり数が減ってしまい、面白い作品に巡り合えていない。個人的にはゾンビ映画もディザスタームービーに近いとは思っているが・・・今回の作品「ジオストーム」は予告編を観た段階で斬新な設定で新たなディザスタームービーの世界を切り拓いてくれる作品だと思っていました。そう思っていたのです・・・

2020年代に入り地球は温暖化がさらに進み、世界各地で異常気象が続発する状況になっていた。事態を重くみた世界各国はあらゆる専門家を集め、天候を自由に操ることができるシステムを開発した。それは「ダッチボーイ」と名付けられ地球全体を鎖状に覆いつくす衛星によって気候を監視し、もし大きな災害をもたらす恐れがある場合は、中央で管理している国際気候宇宙ステーションから指示が出され、事前に異常気象を消し去ってしまうというものだった。運用は成功し地球上から異常気象は消え去ったはずだった。それから3年が経過し、衛星の所有権がアメリカから国際機関へと移管されようとするタイミングで問題は起こった。衛星が暴走を始め、アフガニスタンで異常気象が作られ、多くの人が命を落とす事故が起こる。アメリカ政府は問題を迅速に解決する為にある人物に白羽の矢を立てた。システムの開発者であるジェイク・ローソンである。彼はかつての素行不良が原因でメンバーから外され、現在は弟のマックスが責任者を勤めているが、技術者としての知識を買われ国際気候宇宙ステーションへと向かうのだった。ところが事態はさらに悪化していく。香港、ブラジル、日本など世界中で異常気象がダッチボーイによって発生し、それらの連鎖によって起こる最大規模の気象現象「ジオストーム」が起きようとしていた。

という訳で、予告編を観てすっかりディザスタームービーだと思っていたのです。完璧なはずの気象システムが何らかの問題により暴走。それを止めようと奮闘する技術者たちという図式を勝手に頭の中で作り上げていたのです。ところがなんとこの作品、ただの良くある「ハリウッド式のアクション映画」なのでした。(それが悪いというわけではない)

勝手に想像した私が悪いのかも知れませんが、予告編を観る限りでは衛星に人の姿は映っておらず、登場するキャラクターの姿も描かれません。描かれたのは世界中で起こる異常気象の状況のみ。ディザスタームービーだと勘違いしてもおかしくありませんよね?

物語が進むにつれ、物語は気象システムを悪用したアメリカ大統領暗殺計画へとお話が変わっていってしまうのです。しかもその黒幕や手口、さらにはカーチェイス、カウントダウンなどのプロットなどなど、それらすべてがどこかで見たことあるプロットで、新鮮さはありません。もちろんアクション映画として成立していれば、それなりに面白かったのでしょうが、展開が読めてしまい、犯人の目的もよくある目的となれば、おのずと評価も下がろうというものです。

点数としては★★☆☆☆です。世界中を巻き込んだ事件を起こしながら、結局は私利私欲のためだったというオチは、よくあり過ぎて新鮮味は全くありませんでした。せっかく気象を自由に操るという魅力的なシステムを作り出しながら、ただのアクション映画にしてしまったのは残念でなりません。1番ダメだと思ったのは使い古された「カウントダウン1秒前ストップ」などという現実味のないプロットを恥ずかしげもなく使った点です。あれだけの気候変動が起こってしまったら、もう止めようがないのが現実でしょう。「どうせ止まるんでしょう。」「最後にはみんな生き残るんでしょう。」という見方しか出来なくなってしまっていました。

さて2月は観たい映画がなく、ブログも以前に観た映画を小出しにしている状況でしたが、3月1日には「ブラックパンサー」「15時17分、パリ行き」「シェイプ・オブ・ウォーター」など観たい映画が目白押しなので、今から楽しみです。

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■キングスマン:ゴールデンサークル

2018年02月08日 22時44分40秒 | 作品名(か行)
第445回「前作が良かっただけに期待しすぎた俺が悪いのか?」
昔からスパイ映画も大好きだ。「ミッション:インポッシブル」シリーズや「ジェイソン・ボーン」などなど多くの名作スパイ映画があるが、その激戦区に突如としてそれは現れた。その作品は「キングスマン」だ。1作目については全くのノーマークだったために私が鑑賞したのは公開後ずいぶんと経ってからのことだった。ところがこれが面白い。監督は「キックアス」「X-MEN:ファーストジェネレーション」のマシュー・ヴォーンだ。事前に配給会社がもっと宣伝に力を入れていたら、おそらく劇場で鑑賞していたことだろう。そんなふうにして1作目を見逃した私は、今回の作品「キングスマン:ゴールデンサークル」を期待に胸を膨らませて劇場へと足を運んだのでした。

イギリスにある高級テーラー「キングスマン」。表向きはテーラーだが本当の正体はどこの国にも属さない諜報機関だった。これまでも多くの世界的な危機を救ってきた。ところがある日、世界最大の麻薬組織「ゴールデンサークル」の攻撃によって壊滅状態へと追い込まれてしまう。わずかに生き残ったのは若手のエグジーとメカニック担当のマーリンの2人だけだった。2人は僅かに残った希望を求めて、アメリカにある諜報組織「ステイツマン」へ助けを求めるのだった。するとそこには死んだはずだったエグジーの師であるハリーがいたのだった。心強い味方を得たと喜ぶエグジーだったが、ハリーは記憶を失っていた。さらに追い打ちをかけるように、ゴールデンサークルのボスであるポピーは世界中の麻薬に毒物を混ぜて流通させ、解毒剤が欲しければ麻薬を合法化しろと脅迫してきた。果たしてエグジー達は世界を救うことが出来るのか?

前作がとても面白かっただけに大きな期待を胸に映画館へと向かいました。前作でとても魅力的なキャラクターだったハリーがあっさりと殺されてしまい、とても残念に思っていたのですが、ああいう形で生き残っており、物語に復帰したのは個人的にはとても嬉しかったのですが、前作に比べて脚本が良くなかったように思います。

まずはゴールデンサークルという組織とそれを率いるボスについて、世界中の麻薬を仕切る組織のはずなのに、なんだかこぢんまりとした無人島に居を構え、ボス以外のキャラクターはほとんど目立つ人間がいないというよくわからない組織。さらにボスのポピーはサイコパスという設定なのですが、それを表現しようとしたのかはわかりませんが、気に入らない人間や裏切り者は巨大ミンチ機で人間をミンチ肉にしてハンバーガーにして食べてしまうというもの。私的にはこのミンチ肉という表現に完全に引いてしまって、もはや嫌悪感だけでした。もう少し違うかたちでサイコパスを表現できなかったのでしょうか?

もちろんグロい表現は前作でもありました。ラストで次々と頭が吹っ飛ぶシーンがあったり、腕や足をぶった切ったり。それでもそんなシーンをポップに演出していて見ていて嫌悪感までを抱くものではありませんでした。しかもあまり効果的にミンチのくだりが使われていないという、なんとも中途半端な感じになってしまっていました。

もう1つは、黒幕というか裏切り者の存在です。裏切り者がいるのは、前作からのお約束というか、予想の範疇だったのですが、裏切りの動機や理由がとても正当な理由で、それはアリなのではないかと私は思ったのです。もっと悪役らしい理由だったら良かったのに、悪役側に共感しまいました。悪役なら最後まで悪役としての役割(理不尽で身勝手な理由)を持たせるべきだったのではないのかと疑問を感じてしまいました。しかもそのキャラクターの最期もあの機械の登場と、再び嫌悪感でした。

点数は★★★☆☆です。決して駄作ではありませんが、前作が良かっただけに期待外れの感は否めません。登場するキャラクターを演じた俳優さん達は豪華で良かったのに、魅力的なキャラクターをアッサリ殺してしまったりと、ちょっと物足りなさが残った作品でした。

どうやら3作目の企画が始動しているようなのですが、もっと脚本をしっかりと練ったうえでの製作を望んでいます。

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■探偵はBARにいる3

2018年01月28日 16時49分13秒 | 作品名(た行)
第444回「大いなるマンネリが悪い方向へと流れ始める。」
この作品のレビューを書くときにいつも言っているのが、「最近のドラマや映画などで、魅力的な探偵ものが無くなってきている。」ということ。昔に比べて「探偵」という職業が現実的でなくなってしまっているのだろうと思う。(ビジネスとしては存在するが、ドラマチックでないという意味で)多くのフィクションを含んでいたとしても個人的には探偵ものは昔から大好きなので、無くなってほしくないと思っています。今回の作品は、そんな探偵ものである「探偵はBARにいる3」です。

日本最北端の歓楽街ススキノ、そこにあるバー「ケラーオオハタ」に彼はいる。ススキノで起こる厄介事を解決するプライベートアイ(探偵)だ。ある日、相棒である高田が大学の後輩を連れてきた。その男が同棲する恋人の麗子が失踪したというのだ。探偵は簡単な人探しだと思い、軽い気持ちで引き受けることにした。ところが、彼女の素性を追っていくといくつもの隠し事が明らかになっていく。彼女は高級デートクラブで働いていた。そこは後ろに暴力団の影がちらつく評判の良くない会社が経営している。単なる人探しがどんどんきな臭くなっていく。さらに数日前に起こった蟹を輸送していたトラック運転手が殺害された現場に麗子がいたという情報もあり、事件は思わぬ方向へと転がり始めるのだった。

この作品のマズかったところはレーティングを前作までのPG12からGに下げてしまったことだ。引き下げたことで鑑賞可能な対象が広がりはしたが、前作までのドス黒い雰囲気や暴力描写などをやわらかい表現にせざるを得なくなってしまった。そのせいでハードボイルドがかなり半熟な出来になってしまいました。

さらに事件の内容そのものも、物足りない。1人の人間が命を懸けてまで行動を起こすには動機が弱い。今作のマドンナとなった北川景子演じるマリが過去の出来事、現在の出来事、そこから導き出された行動としては説得力が弱いと感じました。

脚本を1作目から続けている古沢良太さんは「相棒」や「リーガル・ハイ」などの脚本も務めていた人物なので、期待していたのですがレーディングの影響もあったのか、表現方法が弱腰になってしまい、そのせいでこのシリーズらしさが無くなってしまっていました。

個人的には探偵版「男はつらいよ」のような雰囲気は残っていたものの、事件そのものの描き方が一般受けするようにと考えた結果、作品の良さまでが消えてしまったような気がします。

キャストはいい意味で前作までの皆さんがそのまま登場してくれてよかったです。さらにリリー・フランキーや北川景子のキャスティングには問題なかったと思います。ただ高田の強敵として描かれた志尊淳演じる謎の男については、おそらくどうしても強敵を登場させたかったのだと思いますが、彼のバックボーンや生い立ちなど一切の説明を省いてしまったことで、まるでマンガの登場人物のように現実味の無いキャラクターになってしまい、「どんなに強くても、最後は高田が勝つんでしょ。」みたいな見かたしか出来なくなってしまったのは残念でした。

点数としては★★★☆☆です。劇場での鑑賞を後悔するほどではありませんが、誰かに薦めたりはしないと思います。いずれ放送されるであろう地上波を待てばいいというくらいの作品でした。原作に忠実な脚本だとしたら申し訳ないのですが、もっと事件や登場人物や展開を練るべきだったような気がしています。続編あるのかなぁ?1作目みたいなハードボイルド作品が見たいと切に願ってしまう今日この頃なのでした。

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