しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ライヤーゲーム -再生-

2012年03月18日 23時10分50秒 | 作品名(ら行)
第261回「どうしてゲームは再び始まったのか?」

今週末は何を観ようか悩みました。「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」も「戦火の馬」もどちらも真面目な歴史ドラマ。真面目にじっくりと人間ドラマに浸るのもいいが、今週末は心も身体も疲れていたので、何も考えずに観ることができると思った「ライヤーゲーム -再生-」を観ることにしました。最近やたらと邦画に痛い目に遭わされていたので観るつもりはなかったのですが、テレビシリーズも前作も鑑賞していたので・・・なんて簡単な理由で選択したのでした。

天才詐欺師「秋山深一」の活躍によって組織は壊滅的な打撃を受けて解散したはずだった「ライヤーゲーム事務局」が新たな出資者を得て、再びゲームを開催した。新たに集められた20人は20億円の賞金を巡って「イス取りゲーム」に挑むのだった。挑戦者の中には秋山が現在教鞭を取っている大学の卒業生である篠宮優が巻き込まれていた。果たして2人は無事にこのゲームから帰還することはできるのか?

今までいくつもの邦画に痛い目に遭わされてきましたが、この作品は思っていたほどヒドいものではありませんでした。相変わらずのゲームの楽しさや個性的なキャラクターの面々。敷かれた伏線もきちんと回収していました。ですが、絶賛するほどの内容でもありませんでした。

やはり2時間という映画の制約の中では、1つのゲームで展開するのが精一杯。ゲームの内容は新しくなっているが、やっている事の本質は前作と似たようなもの。キャストが戸田恵梨香から多部未華子に変わっただけで、セリフや性格もさほど変わってはいません。簡単に発せられる「信用」とか「協力」とかのセリフに「あれ?どこかで聞いたことがあるぞ。」などと思いながらの鑑賞でした。

点数は★★★☆☆です。何も考えずに気軽に観ることができるという点では合格点でしたが、それ以下でもそれ以上でもありませんでした。ライヤーゲーム事務局とは何なのか?敗者が背負うペナルティーは?など色々気になる点は多くあるのですが、この映画であんまり深く考えちゃいけないのでしょうね。

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シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

2012年03月11日 15時58分34秒 | 作品名(さ行)
第260回「彼の演じるホームズを許容できるか否かに・・・」
映画には多くの魅力的なキャラクターが登場します。それは映画オリジナルであったり、原作があるものだったり、それらを俳優さんが素敵に演じてくれるのを見るのも映画の醍醐味のひとつでもあります。特に原作ものなど、すでにイメージの強いキャラクターを演じるのはとても難しい作業でもあります。今回の作品「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」でロバート・ダウニー・Jrが演じたシャーロック・ホームズもそんなキャラクターの1人ではないでしょうか。

1891年、ヨーロッパ各地で起こる連続爆破事件。フランスやドイツはこの事件が他国によるものと考え、世界は大戦に向けて一触即発の様相を呈していた。しかし、イギリスで名を馳せた名探偵シャーロック・ホームズはこの事件の犯人は世界大戦を画策したある男の仕業であると考えていた。その男とは高名な数学者にして犯罪者ジェームズ・モリアーティ教授である。彼の仕業であると睨んだホームズは独自に捜査を開始、新婚旅行へ出かけようとした助手のワトソンも巻き込んで、ヨーロッパ全土を股にかけた対決が今、始まろうとしていた。

数多くの推理小説が存在し、多くの名探偵と呼ばれるキャラクターが存在する中で私が最も好きなキャラクターであるシャーロック・ホームズが映画化されると聞いた時にはとてもワクワクした。ところが前作のブログでも書いたように主演を演じているロバート・ダウニー・Jrが私の中ではどうしてもイメージと合っていなかった。彼を俳優として意識したのが「アイアンマン」だったせいもあるだろうが、彼にはトニー・スタークとしてのイメージが強すぎて、シャーロック・ホームズとしてはイメージ出来なかった。

そして、そのズレは映画を観てさらに確かなものになってしまった。それはこのシリーズで描かれているホームズは決して紳士ではなく、無精ひげを生やし無茶な捜査も行う武闘派として描かれていたからである。とにかくこのシリーズの重要な点はそんなホームズを受け容れられるのかが最重要ポイントとなっている。そして私はそれをどうしても受け容れることが出来なかった。

作品そのものが決してつまらない訳ではない。探偵が事件を解決するアクション映画として観れば、かなり良く出来た映画だと思う。今作には最大のライバルとしてモリアーティ教授まで登場し、原作通りのあの終わり方をしてくれる。ファンとしては鳥肌が立つシーンだったが、映画全体を見ると、どうしても「シャーロック・ホームズ」という名前がしっくりこない。それは完全に私のせいである。

作品の点数としては★★★☆☆です。あまりホームズに対して固執したイメージを持っておらず、純粋にアクション映画として観ることが出来るのなら、もっと高い点数になってもおかしくないと思います。それでも続編があれば観てしまうんだろうなぁ・・・個人的にはレストレード警部の活躍ももっと描いて欲しかった。

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ヒューゴの不思議な発明

2012年03月04日 13時57分18秒 | 作品名(は行)
第259回「裏アカデミー賞を独占!表と裏の違いとは?」
先日、発表された第84回アカデミー賞で一騎打ちといわれた作品「アーティスト」と「ヒューゴの不思議な発明」でしたが、結果としては作品賞、監督賞など主要部門は「アーティスト」が5部門受賞、私が勝手に裏アカデミー賞と呼んでいる技術系の5部門を「ヒューゴの不思議な発明」が受賞と、部門数だけ見れば痛み分けに思えるのですが、今回の作品「ヒューゴの不思議な発明」を鑑賞した後ではその違いの意味がわかるような気がするのです。

1930年代のフランス・パリ。幼くして母親を亡くし、さらに数年前に父を火事で亡くし、今は酒飲みの伯父とパリ駅の時計台に隠れて暮らす少年・ヒューゴ。彼にとっての唯一の楽しみは、父が遺した壊れたままの「機械人形」を修理する事だった。その修理を進めるうちに、ヒューゴは機会人形の修理に必要なハート型の鍵を持った少女・イザベルと、過去の夢を捨ててしまった老人・ジョルジュに出会う。ある日、イザベルの鍵を使い修理した機械人形を動かすと、そこにはあるメッセージが隠されていた。

監督のマーティン・スコセッシにしては珍しく少年を主人公にしたファンタジー映画ということで、「レイジング・ブル」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ディパーテッド」など、どちらかというと男臭いというか重厚な人間ドラマを撮ることが多い監督だけに、この作品をどんな風にまとめてくれるのか楽しみでした。しかも先日のアカデミー賞で受賞を5部門、逃したとはいえノミネートは10部門と映画ファンとしては見ておかなくてはと劇場に足を運びました。

しかし、期待が大きすぎたせいなのか、映画の内容的には物足りないものでした。父親を亡くし孤児となったヒューゴがパリ駅の時計台で隠れながら懸命に生きる姿を描いているのに、まったく現実味がない。さらに映画の冒頭で「これからこの人達を描きますよ」と説明されるかのように登場した主要人物達のドラマもどれも薄っぺらい。そしてこの映画の核となるジョルジュの心の再生についても、あれほど傷ついていたのにアッサリと終わってしまう。
父親を亡くし傷ついた少年の心の再生という、前回の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と同じプロットなのに、なんでこれほど心が揺さぶられないのだろうかと映画を観ながら考えてしまいました。

点数的には★★★☆☆です。映像的な映画としての出来は及第点ですが、脚本部分が物足りない作品でした。そう、今年のアカデミー賞が評価した通りの作品だったのです。技術的にはなんの問題もありません。スクリーンに映し出されるパリの風景や駅の内部、機械人形などの小道具も作品のイメージ通り、衣装やカメラワークなども問題ない。ただ人間ドラマとして見ると、色んなことがトントン拍子に進み過ぎて、人の心が簡単に変わり過ぎてしまって、薄っぺらく感じてしまいました。

だからこそ、裏アカデミー賞は独占したが、表のアカデミー賞は1つも獲れないという結果になったのかな?と個人的には思いました。

そんな中でも良かったことは、「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツがとってもキュートにイザベルを演じてくれたこと。これから大きくなって是非とも素敵な女優さんになって欲しいと思いました。決してドラックやお酒に溺れることのないように・・・

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