しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

アイアムアヒーロー

2016年04月24日 23時13分35秒 | 作品名(あ行)
第399回「制約の中で一定の成果を出した秀作だと思う。」
ゾンビ映画好きを公言している私にとって、今回の作品「アイアムアヒーロー」は映画化が決まった段階から楽しみにしていました。マンガでは珍しく「ゾンビ」というジャンルをしっかり描いた作品で原作のファンでもあった私にとっては、邦画では珍しく期待していた作品でした。公開日に劇場へ足を運んだことでも期待具合がわかると思います。

鈴木英雄、35歳。職業:マンガ家アシスタント。倦怠期の彼女と同居中。自分の連載を夢見て、早15年が経った。そんなありふれた日常はある日、突然破綻した。原因不明のウイルスによって凶暴化した人間が次々と襲い始め感染は爆発的に広がっていく。同居していた彼女もウイルスに感染し、英雄に襲いかかってきた。パニックの中で彼女を殺してしまう英雄。趣味で持っていた射撃用の散弾銃を手に逃げ出す英雄。途中で偶然に出会った女子高生:早狩比呂美と共にウイルスが活動を弱めるという富士山へ向かうことにする。しかし、比呂美も感染者に噛まれていた。ところがウイルスは発症したものの英雄を襲うことはなく、彼を守るかのようについてくるのだった。英雄は異質のものを感じながらも比呂美を連れて歩き出すのだった。やがて辿り着いたショッピングモールで出会った藪という看護師の女性。彼女はモールの屋上でコミュニティを作り暮らしていた。

原作のファンである私が心配だったのは、原作がかなりゆっくりとパニックが起こる前触れを描いていたこと、さらには主人公である英雄のエピソードを描きながらも、時々描かれる別のエピソードも物語に深みを与えている点を映画として2時間という制約がある中でどのように描かれるのかが心配でした。

原作が連載開始された当時に作品を読み始めた私は「何を描きたいマンガなんだ?」「この後の展開は?」など疑問点ばかりが浮かんできました。まさかゾンビをテーマにした作品でこんなに面白くなっていくとは、まったく想像もしていませんでした。だってパニックが起こるのはコミックでいう1巻の終わり部分なのです。それまでは英雄の臆病さであったり、ヒーローというにはあまりにかけ離れた変質的な部分が描かれ続け、その後にこんな展開が待っているとは毛頭思いませんでした。作者の花沢健吾が描くヒット作「ボーイス・オン・ザ・ラン」が現実感のある作品だっただけに。

映画は原作にある台湾編やイタリア編、栗栖編、コロリ編などを排除し、英雄のお話が中心で描かれていきます。2時間という制約があるので原作にあるような事件前をゆっくり描くことは出来ませんでしたが、原作にはあまり登場しない英雄の彼女「徹子」をきちんと登場させ、変貌前の彼女との関係を描くことで変貌していく世界を短時間で見事に描いていきました。さらにショッピングモールでのお話も原作よりは展開が早く、あっという間に終わってしまった印象がありますが、映画としては成功だったと思います。

点数は★★★★☆です。マイナス点は比呂美がこの事件の鍵を握る存在になるのですが、原作で描かれたように比呂美側からの視点や彼女の過去などにもう少しスポットを当てられれば作品に深みを与えられたように思います。まあ、原作がクライマックスを迎えているとはいえ未完の状態なので、映画としての描き方は間違ってはいないと思います。逆に原作を知らない方が楽しめる作品に仕上がっていると思います。

日本ではあまりこういうジャンルの映画は作られていないので、映画化の話を聞いた時はどうなるのかと心配になりましたが、マンガの世界観を見事に映画に変え、作品として仕上げていました。

事件として物事の解決にはまったく至っていないので、もしかしたら続編があるのかもなぁ?と思いながらのエンディングでした。個人的には栗栖編や中田コロリなど魅力的なキャラクターの多い作品なので、原作のように見事に絡めた続編を希望したいと思います。

アイアムアヒーロー 豪華版 [Blu-ray]
花沢健吾,ニマ・ファクララ,市川南,野木亜紀子
エイベックス・ピクチャーズ


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信長協奏曲(のぶながコンツェルト)

2016年04月17日 23時28分13秒 | 作品名(な行)
第398回「どうしても細かいところが気になってしまいました。※注意:ネタバレ有」
今更ながら観てきました「信長協奏曲(のぶながコンツェルト)」。先般から批判している「テレビドラマからの映画化作品」です。ドラマ放映時から完結編を映画でという計画だったようなので、潔いといえば潔いのですが・・・個人的に久しぶりに面白い設定と展開だったので期待をしてはいたのですが、熱が完全に冷め切ったところでの公開だったので劇場までの足がかなり遠のいていました。そんな訳でようやく行ってきました。結果はいかに?

何事にも逃げ腰で臆病な高校生のサブローはある日、戦国時代へタイムスリップしてしまう。そこへ偶然に通りかかったのはサブローと瓜二つの人物だった。彼は自分が織田信長であると名乗り、サブローに自分に代わって織田家を導いて欲しいという。気軽に引き受けたサブローだったが、戦国時代の過酷な状況に戸惑うことばかりだった。それでも持ち前の明るさと人を惹きつける人望で、織田家を日本最大勢力を持つまでに引き上げるのだった。しかし、明智光秀を名乗ってサブローの傍で生きる信長は、そんな彼に嫉妬し、憎しみを抱くように。さらに信長に深い恨みを持つ豊臣秀吉は2人の正体を知り、信長にサブローを殺させようと画策する。そして物語は本能寺へと進んで行く。

昔から歴史物が好きな私は色んなドラマを見てはいるが、「史実と違うじゃないか!」とクレームを入れるような頭の固い男ではありません。むしろ新たな解釈や珍しい設定・配役などは好意的に受け入れるほうだと思っています。この作品のサブローが信長となり、信長が明智光秀となる設定はとても面白いと思い見ていました。だって信長を殺すのは光秀だと史実ではなっていますから、2人の行く末がどうなるのかは興味がありました。そしてそれ(本能寺の変)を映画で描くというところは評価できると思いました。

さらに周りを固める俳優陣もイメージにピッタリな人ばかりで、柴田勝家役の高嶋政宏を筆頭に、秀吉役の山田孝之、家康役の浜田岳、個人的には柴咲コウ、水原希子の女優陣がとてもキュートに演じてくれていて、見ていて楽しくなりました。


《注意》ここから先は結末に関してネタバレを含みます。未見の方はご注意を。


さてここからはタイトルでも述べたように、私が気になってしまった細かいところを解説していきます。タイムトラベル物の宿命でもあるのですが、どのような結末を用意するのか?というところが一番大事なのです。いくつか紹介すると、過去の世界で思い通りの世界を作ろうと奔走するも、結局時間の流れには逆らえず死を迎える(戦国自衛隊)。行き着いた未来の世界で新たな生き場所を見つけ、その世界で生きて行く(タイムマシン)。個人的にはバック・トゥ・ザ・フューチャーが、見事な結末の付け方だったと思っています。この作品もどのような結末になるのか期待していました。

結果としては「過去の世界で死を迎えると身体は消えて、元の世界に戻る。」というものでした。そんな設定そのものはアリだと思っています。問題はその定義に設定の緩さを感じたのです。「過去の世界で経過した時間と同じだけ経過した現代に戻るのか?」というのも、信長に出会った時はまだ信長が若かった頃、最後は信長が50歳の時の本能寺、つまり時間は二十数年経過しているはずである。しかし、劇中ではほんの数年のような描かれ方しかしていませんでした。私が細かい事と表現したのはその辺りです。そんな事を気にせずにドラマを観ることが出来たらよかったのですが、史実をもとにしたドラマという前提を考えてしまい、私は常に経過時間を意識してしまっていました。

さらには現代に戻ったサブローは1人暮らしの部屋のベッドで目を覚まします。戻ってからどの位時間が経過したのかは描かれていません。そしてそこへ届く帰蝶からのメッセージ。あの彼はどこからサブローの住所を知り得たのか?そして彼はあの後、どのような死を迎えて戻って来たのか?感動的なシーンのはずなのに、そんな事ばかりが気になってしまいました。

点数は★★★☆☆です。細か過ぎる事を気にして、内容に集中できなかったのは私のせいです。ドラマとしてはしっかりと出来上がっていたし、信長と光秀、秀吉との関係性も、本能寺の変もきちんと描けていたと思います。だからこそ、時間経過の定義をきちんと描いて欲しかったと思っています。そんなに細かい事に拘らなければいいのですが・・・冒頭にドラマ部分のダイジェストが描かれますが、やはりドラマを見ていたほうが楽しめると思います。

映画「信長協奏曲」 スタンダード・エディションBlu-ray
小栗旬,柴咲コウ,向井理
ポニーキャニオン


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