しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

信長協奏曲(のぶながコンツェルト)

2016年04月17日 23時28分13秒 | 作品名(な行)
第398回「どうしても細かいところが気になってしまいました。※注意:ネタバレ有」
今更ながら観てきました「信長協奏曲(のぶながコンツェルト)」。先般から批判している「テレビドラマからの映画化作品」です。ドラマ放映時から完結編を映画でという計画だったようなので、潔いといえば潔いのですが・・・個人的に久しぶりに面白い設定と展開だったので期待をしてはいたのですが、熱が完全に冷め切ったところでの公開だったので劇場までの足がかなり遠のいていました。そんな訳でようやく行ってきました。結果はいかに?

何事にも逃げ腰で臆病な高校生のサブローはある日、戦国時代へタイムスリップしてしまう。そこへ偶然に通りかかったのはサブローと瓜二つの人物だった。彼は自分が織田信長であると名乗り、サブローに自分に代わって織田家を導いて欲しいという。気軽に引き受けたサブローだったが、戦国時代の過酷な状況に戸惑うことばかりだった。それでも持ち前の明るさと人を惹きつける人望で、織田家を日本最大勢力を持つまでに引き上げるのだった。しかし、明智光秀を名乗ってサブローの傍で生きる信長は、そんな彼に嫉妬し、憎しみを抱くように。さらに信長に深い恨みを持つ豊臣秀吉は2人の正体を知り、信長にサブローを殺させようと画策する。そして物語は本能寺へと進んで行く。

昔から歴史物が好きな私は色んなドラマを見てはいるが、「史実と違うじゃないか!」とクレームを入れるような頭の固い男ではありません。むしろ新たな解釈や珍しい設定・配役などは好意的に受け入れるほうだと思っています。この作品のサブローが信長となり、信長が明智光秀となる設定はとても面白いと思い見ていました。だって信長を殺すのは光秀だと史実ではなっていますから、2人の行く末がどうなるのかは興味がありました。そしてそれ(本能寺の変)を映画で描くというところは評価できると思いました。

さらに周りを固める俳優陣もイメージにピッタリな人ばかりで、柴田勝家役の高嶋政宏を筆頭に、秀吉役の山田孝之、家康役の浜田岳、個人的には柴咲コウ、水原希子の女優陣がとてもキュートに演じてくれていて、見ていて楽しくなりました。


《注意》ここから先は結末に関してネタバレを含みます。未見の方はご注意を。


さてここからはタイトルでも述べたように、私が気になってしまった細かいところを解説していきます。タイムトラベル物の宿命でもあるのですが、どのような結末を用意するのか?というところが一番大事なのです。いくつか紹介すると、過去の世界で思い通りの世界を作ろうと奔走するも、結局時間の流れには逆らえず死を迎える(戦国自衛隊)。行き着いた未来の世界で新たな生き場所を見つけ、その世界で生きて行く(タイムマシン)。個人的にはバック・トゥ・ザ・フューチャーが、見事な結末の付け方だったと思っています。この作品もどのような結末になるのか期待していました。

結果としては「過去の世界で死を迎えると身体は消えて、元の世界に戻る。」というものでした。そんな設定そのものはアリだと思っています。問題はその定義に設定の緩さを感じたのです。「過去の世界で経過した時間と同じだけ経過した現代に戻るのか?」というのも、信長に出会った時はまだ信長が若かった頃、最後は信長が50歳の時の本能寺、つまり時間は二十数年経過しているはずである。しかし、劇中ではほんの数年のような描かれ方しかしていませんでした。私が細かい事と表現したのはその辺りです。そんな事を気にせずにドラマを観ることが出来たらよかったのですが、史実をもとにしたドラマという前提を考えてしまい、私は常に経過時間を意識してしまっていました。

さらには現代に戻ったサブローは1人暮らしの部屋のベッドで目を覚まします。戻ってからどの位時間が経過したのかは描かれていません。そしてそこへ届く帰蝶からのメッセージ。あの彼はどこからサブローの住所を知り得たのか?そして彼はあの後、どのような死を迎えて戻って来たのか?感動的なシーンのはずなのに、そんな事ばかりが気になってしまいました。

点数は★★★☆☆です。細か過ぎる事を気にして、内容に集中できなかったのは私のせいです。ドラマとしてはしっかりと出来上がっていたし、信長と光秀、秀吉との関係性も、本能寺の変もきちんと描けていたと思います。だからこそ、時間経過の定義をきちんと描いて欲しかったと思っています。そんなに細かい事に拘らなければいいのですが・・・冒頭にドラマ部分のダイジェストが描かれますが、やはりドラマを見ていたほうが楽しめると思います。

映画「信長協奏曲」 スタンダード・エディションBlu-ray
小栗旬,柴咲コウ,向井理
ポニーキャニオン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (1)

ナイトミュージアム/エジプト王の秘密

2015年03月22日 16時00分50秒 | 作品名(な行)
第373回「彼の最後の姿を目に焼き付ける・・・」
ここ数ヶ月間のブログ更新頻度を見て頂ければわかるように、ブログへの意欲はもとより映画に対する意欲までも失いかけていました。理由を考えると、面白い(観たいと思える)作品の上映が無かったこと、そしてブログの文章を考えることが重荷になりつつありました。そんな状況の中であっても観ておきたい。いや絶対に観たいと思える作品がありました。「ナイトミュージアム/エジプト王の秘密」です。その理由は多くの人が理解できることでしょう。

エジプトの石版が持つ魔法の能力によって、日が沈むと展示物に命が宿るニューヨーク自然史博物館。夜警の仕事をしているラリーが企画したナイトツアーも評判が良く、新たにプラネタリウムが新設される披露パーティーが開かれていた。ところが突然、展示物達が暴走を始め、パーティーは大混乱になってしまう。原因を調べると魔法の石版がその力を失い始めているのがわかった。ラリーは膨大な資料を調べるとかつて夜警を勤めていたセシルが幼い頃に石版の発掘に携わっていたことを知り、彼を訪ね石版のことを聞いた。すると石版の持ち主であるアクメンラーの父親が大英博物館に保管されていることを知る。ラリーは息子のニック、テディ、ジェデダイアらと共に大英博物館へと侵入する。ところがそこでは石版の力で動き出した数々の展示物が・・・無事に石版の力を取り戻すことが出来るのか?

このシリーズの評価すべきところは「展示品が動き出す」という荒唐無稽な設定を使っているにも関わらず、お話は破綻しておらず、きちんと起承転結があり、伏線もしっかりと回収しているところである。展示品が動くという設定は誰でも思いつくが、その設定を生かし切れずに終わることが多々ある。しかしこのシリーズは選抜されたキャラクターも、登場する数も絶妙で、それでいて最後には心地よくエンディングを迎えることができる。決して誰も傷つけることない。それでいて大人も子供も楽しめる。理想のエンターテイメント作品だ。

その脚本のうまさは今作でも見事に発揮されている。舞台がイギリスへ移ることで自然史博物館からは主要キャラクターのみの参加となるが、大英博物館でのキャラクターも魅力的だし、2作目ほど悪役的なキャラクターは登場しないが、お話がつまらなくなることは無いし、テンポの良い展開を維持させることに成功している。欲を言えばエンディングをもっと気持ちよく迎えられたら良かったと思う。少し寂しいエンディングとなっているのが残念でした。

点数は★★★★★です。文句が無いわけではありませんが、それを上回るほどきちんと気持ちよくエンディングを迎えてくれるので満点としました。前作を観ていなくてもそれなりに楽しめますが、是非鑑賞してから劇場へ行ってください。より一層楽しめると思います。これほど安心して楽しめる作品は最近少ないですから。

最後にこの作品が遺作となってしまったロビン・ウィリアムについて。大好きな俳優さんの1人だった彼が去年、この世を去りました。とても残念でなりません。まだまだ素敵な作品を世に送り出すことが出来たはずだから。この作品でも主人公のラリーを導く素敵なキャラクターを演じています。もう彼の姿を新たな作品で観ることが出来ないのはとても残念です。それでも彼は多くの作品の中で観ることができます。個人的に好きなのは「フック」「ジュマンジ」「アンドリューNDR114」です。どれも素敵な作品ですが、この3本が心に残っています。彼のご冥福を心から祈っています。

ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密 2枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
ベン・スティラー,ロビン・ウィリアムズ,オーウェン・ウィルソン,ダン・スティーヴンス,レベル・ウィルソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (4)

泣く男

2014年10月26日 13時21分30秒 | 作品名(な行)
第362回「久しぶりに観た韓国映画は何かを思い出させてくれた。」
特に観たい映画というわけではなかった。ふと見た映画館のホームページで会員の割引デーだったから、「じゃあ何か観ておこう。」くらいの気持ちで選んだ映画だった。ブログに対する意識も低下している今日この頃。映画鑑賞を趣味にしていることさえも考えてしまうくらい面白い作品が無い時期だったのもあるのだろう。急に思い立って「泣く男」を観てきました。

幼い頃に母親に連れられて韓国からアメリカへ移住してきたゴン。不遇な幼少時代を過ごし大人となった彼は中国系マフィアで有能な殺し屋として成長していた。その日もある殺しの任務を受け、ナイトクラブでロシアン・マフィアと韓国人ビジネスマンを皆殺しにするという任務遂行中だった。ところが任務が終わったと思ったところで鳴った物音に思わず反応してしまった。するとドアの向こうにいたのはユミという幼い少女だった。ゴンの放った銃弾によってユミの命を奪ってしまった。言いようのない感情に襲われたゴンは酒に溺れるのだった。するとそれを見かねた組織のボスがある任務を与える。それはユミの母親の暗殺だった。ゴンが任務を遂行した韓国人ビジネスマンの元妻であるユミの母親モギョンを殺すことで全てを清算しろという。拒否することが許されるはずもなく、数十年ぶりに故郷である韓国に戻ったゴンはモギョンに近づいていく。彼女の自宅へ侵入し身を潜めていたゴンが帰宅した彼女へ銃口を向け近づいた。するとそこにいたのはユミの死を受け入れられず悲しみに暮れる1人の母親としての姿だった。自分の母親との面影を重ね合わせてしまうゴン。再び身を隠すことに・・・朝を迎え彼女を見ると睡眠薬を大量に飲み自殺を図っていた。思わず彼女を助けてしまうゴン。任務に失敗したことに激怒した組織はさらに殺し屋を送りこむ。その殺し屋を迎え撃ったことでゴンも命を狙われることになってしまう。そしてアメリカの組織からかつて仲間だった3人が送り込まれる。ゴンの孤独で壮絶な戦いが始まる。彼の傷ついた心はどうすれば癒されるのだろうか?

韓流ブームになってから日本でも韓国映画を観る機会が増えて、私自身も何本も観てきましたが、私の趣味の関係でクライムサスペンスものやアクションものが多く恋愛ものは全く観ていません。そのせいなのかも知れませんが、韓国の闇社会を描いた作品が多く、韓国という国への印象があまり良くないのです。今作も同様で、韓国のかなりドス黒い闇の部分を描いています。それはそれは見事なくらい。R15指定ですからね(笑)

監督さんが「アジョシ」と同じと聞いた段階で作品の毛色みたいなものは大体想像できましたが、それ以上に見事なアクション・クライム作品でした。一般人をも巻き込んでの団地での派手な銃撃戦は「韓国では許されるのか?」と変な疑問すら考えてしまいました。

物語の展開も素晴らしく、テンポの速い展開で時間があっという間に過ぎていきます。そんな大味な脚本なのかと思えば、主人公のゴンの心の傷を上手に織り込みながら、彼の心の葛藤を上手に描いています。さらにタイトルにもなっている「泣く男」。もちろんゴンのことなのですが、いつでも泣いているわけでなく、その表現も見事です。物語の中盤に登場する意味なく思える場面が、最後で明かされるのですが、そのシーンに鳥肌が立ってしまいました。

点数は★★★★☆です。子供が犠牲になる設定には共感できませんが、その事への物語の締め方がとても見事でした。その結末しか無いだろうという終わり方でした。もう少しだけゴンの心模様を丁寧に描けていたら満点だったのですが・・・それでもここのところ映画鑑賞とブログへの意識が低下していた私にとっては、そのモチベーションを上げるにはピッタリな作品でした。ただただCGに頼り、原作ものばかりを映画化している日本映画界にも見習って頂きたいものです。映画は脚本が一番大事なのですから。

泣く男 [Blu-ray]
チャン・ドンゴン,キム・ミニ,ブライアン・ティー,キム・ジュンソン,キム・ヒウォン
ポニーキャニオン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント

ノア 約束の舟

2014年06月15日 20時06分08秒 | 作品名(な行)
第349回「壮大な物語のはずなのに、なんだろう・・・」
批判を恐れずに言ってしまえば私は無神論者である。信仰している宗教も無い。そんな私が小学生の頃、近所にキリスト教を信仰しているおばさんがいた。その人の勧めで短い期間だったが「聖書」について学んだことがある。子供が読む簡単に編集されたものだが。その中でもとても印象的に心に残ったエピソードが「ノアの方舟」である。そのエピソードが映画となった「ノア 約束の舟」を観に行ってきた。

神からの啓示により、地上に住む人間を全て滅亡させるために大洪水が起こることを知ったノアは地上に住む人間以外の生き物を救うために巨大な箱舟の建設を始める。長い時間が過ぎ、箱舟の完成が目前に迫ったころ、それを知った人間達が箱舟を奪おうと襲いかかってきた。時を同じくして世界には雨が降り出した。

世界最大のベストセラーである「聖書」。それを代表するエピソードである「ノアの方舟」。それを「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が映像化した作品。主人公のノアにラッセル・クロウ。ノアの妻にジェニファー・コネリー。ノアを導く祖父にはアンソニー・ホプキンスという豪華キャスト。それなのに公開直前まで噂すら聞かなかったのはなぜでしょうね。世界37ヶ国でナンバーワンヒットになったというのにね。

個人的には最初にも述べたように無神論者であるので、あまり思い入れは無い。むしろこの「聖書」という読み物は壮大なおとぎ話として見れば、とても興味深い作品だと思っています。そんな壮大なお話がどんな風に描かれているのかに興味があった。

主要な登場人物が少ないことと、世界観が現在の正史からはかけ離れていることで入り込みにくいのは仕方がないのかも知れません。物語の前半では眠気も襲ってきました。ところが洪水が始まったあたりから物語の緊迫感は凄いものがありました。私が知っていた展開とは異なるところがあり、それがあまりにも残酷な展開だったのでその辺りから目が離せなくなりました。結末は私が知っているのと違いはなかったのですがね。

点数は★★★☆☆です。ノアの協力者となる「ウォッチャー」と呼ばれるキャラクターや、次男であるハムの苦悩する姿など、私の知っている物語とは違ったアレンジがあり(ただ私が知らないだけかも)その辺りが物語に深みを与えていたように思います。

ノア 約束の舟 [Blu-ray]
ラッセル・クロウ,ジェニファー・コネリー,エマ・ワトソン,アンソニー・ホプキンス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (7)

二流小説家 シリアリスト

2013年06月16日 23時09分17秒 | 作品名(な行)
第311回「日本映画界の今後を憂うって、大きなお世話かな?」
決して日本映画が嫌いな訳ではありません。日本映画の中にも世界に誇れる作品は数多く存在します。しかし、ここ何年かの邦画飽和状態には正直、心配してしまいます。海外映画であれば、配給会社が作品を選りすぐり、日本でのヒットを狙った作品を買い付けてきますので、例外こそあれ、そこそこのレベルを保っています。しかし、日本映画はちょっと違います。この作品は本当にそれなりの興収を期待して作られたのか?と疑いたくなるような作品が最近はゴロゴロ公開されています。シネコンが増え、老若男女が映画館に足を運びやすい時代にはなりましたが、そのレベルの低下には今後の日本映画を考えさせられます。と、こんな話をした後に紹介する作品「二流小説家 シリアニスト」が絶賛する作品であるはずがないのですが・・・

売れない小説家の赤羽一兵は、週刊誌に掲載するエロ小説で日銭を稼ぐ日々を送っていたが、いつか自分の書いた小説がベストセラーとなり、一流小説家の仲間入りを夢見る二流小説家だ。ある日、彼のもとに13年前に4人の女性を殺害した罪に問われ死刑囚として服役中の呉井大悟から手紙が届く。呉井は自身を信奉する3人の女性と自分を主人公とした官能小説を書いて欲しいと赤羽に要求してきた。見返りとして呉井が犯した事件について全てを語るという。もしその話を小説として発表できればベストセラーは間違いない。赤羽はなぜ売れない小説家の自分なのかと疑問を持ちつつ、女性たちを取材してまわるが、3人目の女性を尋ねると、かつて呉井が殺した時と同じ手口で殺されていた。あわてて取材を済ませた2人のところへ向かうと既に2人も殺されていた。呉井は獄中で犯行は不可能なはず、では誰が?

2012年に話題となった海外小説を映画化した作品。原作は読んでいませんが、事前に想像していたよりはいい出来だったと思います。脚本も淀みなく流れていたし、伏線もしっかり回収されていた。しかし、それだけでした。劇場ではなくテレビの2時間ドラマとして描かれていたのならば、もっと評価が高かったと思いますが、これは劇場映画です。地味な展開にアッサリとした結末。「必ず貴方は騙される」と大袈裟にうたれたキャッチコピー。劇場を後にした瞬間に消えてしまった余韻。などなど、決してつまらないわけではありませんが、是非劇場で観てくださいとおススメできる作品でもありませんでした。

日本映画によくある「豪華キャスト」と出演している俳優さんメインで宣伝される作品に比べれば、出演している俳優さんは地味かもしれませんが、個人的には主演の上川隆也さんも、呉井を演じた武田真治さんも、かなり良かったと思います。脇を固めた俳優さんも味があり、決してつまらない作品ではありません。

点数としては★★★☆☆です。「必ず貴方は騙される」なんて大袈裟なコピー付けられてしまうと、観る方としては「お、どんな騙し方してくれるんだ?」と期待してしまいます。この作品に用意されたものは、私の想像の範囲内でさほどビックリするものではありませんでした。さらに上映中には気にならなかったのですが、後で考えると細かい点が考えれば考えるほど辻褄が合わなくなってきてしまいました。原作通りの描き方ならしょうがないのですが、その辺りが傑作ではなく、秀作止まりの原因ではないでしょうか?

二流小説家 シリアリスト(コレクターズ・エディション) [Blu-ray]
上川隆也,武田真治,片瀬那奈,平山あや
キングレコード


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (5)

脳男

2013年02月10日 23時06分57秒 | 作品名(な行)
第295回「付いてるタイトルの意味はわからんが、面白そうだ。」
「脳男」というタイトルを聞いたときは「なんのこっちゃ?」と思った。しかし予告編を見る限りでは、かなり面白そうな作品だと思った。かつて不況だった映画業界も勢いを取り戻しつつあり、昨年は興行収入の半数以上は日本映画だったようだ。基本的に洋画しか観ない私もこのブログで紹介する作品に邦画が増えつつある。だがそれだけ駄作の数も多くなるというものだ。今回の作品「脳男」はどうだろうか?

都内近郊で無差別連続爆破事件が発生する。爆弾は被害者の体に巻き付けられ多くの人が集まる場所へ連れ出されてから起動され、たくさんの犠牲者を出していた。4件の爆発事件のうち、3件は犯人を批判したテレビレポーターや占い師など犯人に怒りを買った為に捕まえられたものと考えられた。しかし、それ以上の手掛かりが見つからないまま時間だけが過ぎていった。ある日、爆弾を作るのに使用された工具が特殊なものとわかり、刑事の茶屋は相棒と共に、購入者を全てあたっていた。するとある廃工場へたどり着いた時、中で争う声が聞こえ爆発が起こる。犯人のアジトだと確信した茶屋が飛び込むと、すでに犯人の姿は無く、そこにいたのは正体不明の男だけだった。鈴木一郎と名乗ったその男は犯人の一味と考えられたが、犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。担当となった精神科医・鷲谷真梨子は感情を表さない一郎に興味を持ち、彼の過去を調べ始めるが、やがて驚愕の過去が明らかになっていく。

かなり残忍な描写が多い作品なのでPG-12にもなっているように、観る人をかなり選ぶ映画であることは間違いありません。観終わった後にかなり陰鬱としたモヤモヤが心に残る作品です。作品としての見応えもあり、時間を感じさせない作品なのは脚本が見事だったのでしょう。

「罪」とは何なのか?「正義」とは?「贖罪」とは?と色々と考えさせられる作品ですが、その表現の仕方が決して万人受けするようにはなっていないので、嫌悪感を抱く人もいるのではないでしょうか。

犯人である緑川を演じた二階堂ふみは、まだ若いのに強烈なサイコキラーを見事に演じていましたが、これは持論なので賛否両論あると思いますが「サイコキラーに女性はいない」ということです。「踊る大捜査線」でも小泉今日子がサイコキラーを演じていたのですが、個人的には違和感を抱かずにはいられませんでした。もちろん商業映画ですから話題性などを考えれば、女優さんをサイコキラーに配するのはアリなのかもしれませんが、個人的には無しだと思っています。帰宅後、原作を調べると小説では緑川は男性だったと知り、原作のままで良かったのでは?とさらに思いを強めました。

点数としては★★★★☆です。お話が万人向けではないことと、事件の発端である最初の爆破事件がきちんと描かれていなかったこと。それらの理由でマイナス1としました。

それにしても、犯人を演じた二階堂ふみも、ある事件のキーパーソンとなる人物を演じた染谷将太も、「ヒミズ」以来引っ張りだこですねぇ。色んなところでお目にかかるので、「あれ?どの作品だったっけ?」と頭が混乱してしまうほどです。

脳男 [Blu-ray]
生田斗真,松雪泰子,二階堂ふみ,江口洋介
バップ


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (5)

のぼうの城

2012年11月11日 21時40分57秒 | 作品名(な行)
第286回「時間が経過したとはいえ、あのシーンには・・・」
今日の作品もどうしても見たいと思った作品ではありませんでした。その理由としては邦画であることに加え時代劇だということ。何千、何百もある作品の中から研鑽され配給される洋画と違い、邦画には駄作が多く含まれます。さらに時代劇となると俳優さんの演技力にも高度なものが要求されます。さて今回の作品「のぼうの城」は?

時は戦国、太閤秀吉が次々と各地を平定し、残すは関東に陣取る北条氏を残すのみとなった頃。その領地の端に位置する武州にある忍城に「のぼう様」と領民から揶揄され、それでも絶大な人気を誇る成田長親という人物がいた。秀吉は事前に内通し、降伏の旨を伝えてきた忍城に、自らが一番の信頼を置く石田三成に2万の軍勢を預け、大谷吉継ら有能な武将をつけ、大きな功績を残していない三成に武功を挙げさせようとしていた。
対する忍城の軍勢は500余り、戦っても勝ち目はない。開城の準備を整えて軍勢の到着を待っていた。ところが軍使として城にやってきた長束正家の態度に腹を立てたのぼうが降伏の約束を反故にし、戦うことを宣言してしまう。多勢に無勢なこの戦いに勝機はあるのか?のぼうの奇想天外な戦略とは?

まずはこの映画の良かったところを。主役の「のぼう」を演じた野村萬斎さんが素晴らしかった。普段は飄々とした振る舞いばかりで領民からは馬鹿にされているが、しっかりと国や領民のことを考え、芯の強い魅力的な人物をしっかり演じていました。そしてその家臣を演じた佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴の3人もなかなかいいキャラクターでした。まるで三国志の関羽、張飛、趙雲を思わせる猛将ぶりにわくわくしてしまったのは私が男の子だということでしょうか?
それぞれのキャラクターがとても魅力的に描かれていて、それでいて物語の進行も邪魔していなくて良かったです。

逆に悪かったところは2点。石田“上地雄輔”三成とナレーションを担当した安住紳一郎の二人です。上地さんに関していえば経験不足。どれだけ迫力を出しても、どれだけ重厚な演技をしようとも、どうしても上地雄輔に見えてしまって、石田三成としての説得力に欠けているような気がしました。もちろん出演している俳優さんは皆さん、ドラマやバラエティなどで普段からよく目にする人たちですが、彼らが演技を始めてしまえば普段の顔は消えてしまい、映画にのめり込んでしまいます。ところが上地さんはどこまで演じても石田三成が顔を覗かせることはありませんでした。

もう一つの悪かった点は、ナレーションの安住紳一郎。彼の声が時代劇には合っていない気がしました。それは声質の問題なのか?それとも年齢的なものなのか?確実なことは言えませんが、時代劇の雰囲気に合っていないと感じてしまいました。TBSのアナウンサーを使うのなら、もっと他にいい人はいたように思いました。

点数は★★★★☆です。映画の出来としては絶賛するほどの内容ではありませんでしたが、無理のない脚本で、最後まで飽きることなく見ることができます。もっとも残念なのは東日本大震災を経験してしまった私たちの心の中にはあの光景が焼き付いてしまい、水攻めのシーンは直視するには、あまりにも辛いシーンでした。

のぼうの城 通常版 [Blu-ray]
野村萬斎,佐藤浩市,榮倉奈々,成宮寛貴,山口智充
Happinet(SB)(D)


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
コメント   トラックバック (7)

ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島

2011年02月27日 22時28分23秒 | 作品名(な行)
第216回「ナルニア国物語は、LOTRになれるだろうか?」

個人的にファンタジー映画は大好きである。剣と魔法の活躍する物語は、いつも私の少年心をワクワクさせてくれる。今夜の作品「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」も続編を心待ちにしていたシリーズの1つである。ただ、同じファンタジー映画である「ロード・オブ・ザ・リング」(以下「LOTR」)シリーズほど順調に作品が製作された訳ではないようである。その理由は後述するとしよう。

物語は前作「カスピアン王子の角笛」から数年後、ペベンシー兄妹の次男エドマンドと末っ子のルーシーは親戚のスクラブ家に身を置いていた。意地悪な従兄弟のユースチスや無関心な叔父との生活は二人にとっては苦痛でしかなく、ナルニアでの日々を思い出しては懐かしく思っていた。ある日、部屋にあった絵を見つめていると突然動き出し、溢れ出した水を泳いでいくと、ナルニアの海に投げ出されていた。偶然通りかかった帆船「朝びらき丸」には、かつて一緒に戦ったカスピアン王子が乗っていた。運命的な出会いで導かれた彼らは共に冒険の旅に出る。

前作が思ったほど世界的大ヒットに結びつかず、ディズニーが製作・配給から降りてしまい20世紀FOXへと変わったことで、もしかするとまったく違った雰囲気の映画になってしまったかと心配していました。もしかしたらこのままこのシリーズは終わってしまうのでは?と。ところが今作は思ったよりもかなりいい作品に仕上がっていました。なによりキャストが変わらず続投したのは評価に値します。

では、まずこのシリーズが何故「LOTR」のように大ヒットしなかったのか?同じファンタジー映画ではありますが、1番大きな理由はお話が解りづらいところ。「LOTR」は指輪を捨てるという解り易いお話がベースにあって進められるが、このお話は各話でまったく別の目的、とくに前作「カスピアン王子の角笛」では王国内の内乱や権力争いと、およそ児童文学とは思えないテーマの為に子供向けではなくなってしまった。
さらにこのナルニアの創造主「アスラン」の存在。彼の見た目がライオンの為に、創造主という威厳よりは、喋るライオン程度の印象になってしまい、死んでも生き返ったり、あらゆる場所に現れることに違和感ばかり感じてしまいました。その為、家族で気軽に観る映画というディズニー映画の範囲を超えてしまったのではと思っています。まあ個人的な分析はここまでにして・・・

この「第3章:アスラン王と魔法の島」は今までの作品の中で1番いい出来だったと思います。登場人物を減らし、目的を解り易くしたことで作品としてとても観やすくなりました。そしてなにより、完全に脇役で憎まれ役だと思っていたユースチスにやられてしまいました。彼の意外な活躍とねずみの剣士リーピチープに最後はホロリとさせられてしまいました。

点数は星4つですが、個人的主観でプラス1として、★★★★★としました。ある程度の予習は必要ですが、あらすじほどでも楽しめる作品だと思います。

全7作の「ナルニア国物語」ですが、伏線がひかれた次回作は作られるかもしれませんが、それ以降はどうなることでしょう。個人的には良く練られた脚本での映像化を期待します。

ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)(初回生産限定) [Blu-ray]
ジョージー・ヘンリー,スキャンダー・ケインズ,ベン・バーンズ,ウィル・ポールター
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
人気ブログランキングへ
コメント   トラックバック (1)

ナイト&デイ

2010年10月10日 23時19分08秒 | 作品名(な行)
第199回「いたってシンプルな作品でした。」
さて、またまた2週間ぶりの更新です。この1週間は人生初の「入院」など、プライベートで色んなことがあった週でした。でも無事に生きていますので、ご心配なく。
で、今週の作品は「ナイト&デイ」です。トム・クルーズとキャメロン・ディアス主演のアクション・ラブストーリーとの触れ込みで大々的に宣伝していますが、本国アメリカでは大コケしたようで、早くもトム・クルーズはその補填の為に「ミッション・インポッシブル4」の製作に乗り出したようですね。(笑)
と、まあそんな作品ですから、あまり期待せずに劇場へ足を運びました。

ジューンは車の部品の買い付けの為に訪れたウィチタの空港でロイ・ミラーと名乗る男と出会う。彼はとても魅力的でジューンは恋の予感を感じていた。ところが彼と共に乗った飛行機内で、ロイに次々と乗客達が彼に襲い掛かってきた。その格闘でパイロットを失ったが、なんとか不時着。ジューンは翌日目を覚ますと自宅のベッドだった。だがそれは今まで平凡な生活を送ってきたジューンを別世界へと導くキッカケに過ぎなかった。

アメリカでコケた理由はよく解かりました。2人の名俳優に頼りきってしまい、脚本が薄っぺらいものになってしまっていました。良く言えば解かり易く、誰でも楽しめる作品。悪く言えば特にひねりも無く、驚きも無い展開。
展開はテンポ良く、アメリカ、ドイツ、オーストリア、スペインと世界中を又にかけて、CIAや悪徳武器商人など、スケールは大きいのに起こっている事件がものすごく小さく感じてしまうのは何故でしょうか?
主演の2人に頼るのではなく、もっと事件に深みを持たせたらもっと面白い作品になったと思います。サイモンといういい設定のキャラクターもいたのだから、彼をもっと活躍させたら良かったように思います。

点数は★★★★☆です。色々と酷評を書きましたが、決してつまらない作品ではありません。(それは私の心の準備があったせいかも知れませんか・・・)ツッコミどころは多くありますが、難しく考えずに観れば、そこそこ楽しめる作品だと思います。

あんなに天真爛漫なジューンがCIAや武器商人相手に立ち回るのは、ちょっと無理がありますけどね。

来週はいよいよ200回目の記事ですが、日本映画になりそうな予感が・・・

ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [Blu-ray]
トム・クルーズ,キャメロン・ディアス,ピーター・サースガード,ビオラ・デイビス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
人気ブログランキングへ
コメント   トラックバック (1)

2012

2009年11月22日 21時39分09秒 | 作品名(な行)
第161回「珠玉のディザスタームービーとは?」
さて、今週は待ちに待った「2012」を観に行ってきました。何度もこのブログで公言していますが、ディザスタームービーが大好きな私としては見逃すことの出来ない作品ですよねぇ。過度の期待をしたうえで劇場へ足を運びましたが、その期待に見事に答えてくれた作品だったと思います。

すっかり「ディザスタームービーの巨匠」みたいな呼ばれ方をされてしまっているローランド・エメリッヒ監督が手掛ける2時間半を超える大作ですが、前作の「紀元前1万年」が思ったほどヒットしていなかったので、心配する気持ちも少なくなかったのですが、「インディペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」と個人的には好きな作品を作っている監督ですから・・・

物語は、2009年のインド。若い科学者が地球の異変を見つけるところからお話は始まります。その異変はやがて地球規模の大災害をもたらすだろうと。
そして時は2012年、主人公のジャクソン・カーティスは、かつては売れない作家だった。しかし今は富豪のリムジン運転手をしている。別居中の子供達をつれてキャンプに出かけたところで軍隊が管理する地域へ侵入してしまう。あっという間に追い出されてしまうが、その近くで軍の様子を探る男から地球の崩壊が迫っていることを聞かされる。半信半疑だったが、運転手を勤める富豪が政府からの呼び出しで空港へ送ったのをきっかけに、その話が本当ではないかと信じ始めた。その時、大地震が起こった・・・

個人的に面白いディザスタームービーの条件として
1.多くの魅力的なキャラクターが登場し、絡み合いながら生と死のドラマがある。
2.絶望的な事件の中で、それでも未来への希望が見えるラストである。
そしてこれが1番大事なのですが
3.誰か1人がヒーローとなり、事件が解決するような安直なストーリーでない。

点数は★★★★★です。この「2012」という映画は上記の3点を見事にクリアしました。こういう映画では1番難しいラストの落としどころも合格点でした。唯一残念だったのは、ある1人の女性の生死がはっきり描かれていなかったのが残念でした。
それでも迫力のある映像の数々、人々のドラマ。オススメの1本です。

蛇足ですが、私のオススメのディザスタームービーは「ディープインパクト」です。

2012 [Blu-ray]
ジョン・キューザック,キウェテル・イジョフォー,アマンダ・ピート,オリヴァー・ブラット
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】
人気ブログランキングへ
コメント   トラックバック (1)