しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

テッド

2013年02月24日 18時22分26秒 | 作品名(た行)
第297回「かつて(アメリカの)子供だった大人達へ贈る映画」
今週は久しぶりに観たい映画が公開されない谷間の週で、どうしようか悩んだのですが、無料ポイントがあったので、朝から劇場へ向かいました。何を観たかというと・・・思いがけず大ヒットしている「テッド」を観に行きました。思いがけずと言ったのはこれほど(興行収入1位)の大ヒットをするとは思っていなかったからです。私が通っている劇場も同じように考えていたようで、公開日から遅れての公開になっていました。予想以上に大ヒットしているものの、たいした期待もせずに劇場に足を運びました。駄作でもまあいいか・・・くらいの思いで。最近、ちょっと重たい映画が多かったので気楽に笑える映画もいいだろうって。

1985年のアメリカ・ボストン郊外に住んでいたジョン・ベネットは内気で心優しい少年だったが、近所の子供達には相手にされず寂しい日々を送っていた。そんな彼を思った両親はその年のクリスマスにテディベアのぬいぐるみをプレゼントした。ジョンは大喜びでそのぬいぐるみに「テッド」と名付け、彼らは親友となった。仲良く過ごす日々が続いたがジョンはある日、神様にお願いをした。テッドに命が宿り、本当の友達になって一生一緒にいてくれるようにと・・・すると翌朝、奇跡が訪れる。テッドに命が宿り、喋り始めた。そんな奇跡を世間がほおっておくはずもなく、テッドは一躍セレブとなりマスコミから引っ張りダコになった。しかし、人は飽きるのもまた早い。あっという間にブームは去り、ジョンとテッドにはいつもの日常が戻る。
それから28年が過ぎ、現在の二人といえば・・・ジョンはレンタカー屋の従業員となるが仕事に身が入らず、遅刻や欠勤が常習のダメ社員。テッドは酒とマリファナ、女の尻を追いかける見た目は可愛いが中身はただのオヤジとなっていた。しかし二人はそんな生活を満足していた。ところが、ジョンの彼女であるロリーはそんな状況を好ましく思っておらず、二人の別居を願っていた。

まず、何よりも驚いたのはテッドのあまりの自然な動き。技術の進歩をこういう風に表現して、しかもとても自然に描けているのにはビックリしました。見た目はとても愛らしいテディベアのぬいぐるみなのに、喋りや行動は思いっきり品性を欠いた、ただの中年オヤジというテッドがアニメーションならまだしも、実写とあれほど自然に一体化しているのには「こんな使い方もあったか!」とただただ脱帽でした。

では映画の内容は?といえば・・・決してつまらないわけではありません。が、表題にも書いたように、主人公のジョンと同世代のアメリカに育った30代前半から40代前半くらいの男性だったら、懐かしさで涙を流しながら爆笑したであろうネタが満載なのですが、そうじゃない私は「ああ、おそらくこのネタで爆笑するところなんだろうなぁ。」と想像するのが精一杯で爆笑とはいきませんでした。

爆笑とはいきませんでしたが、脚本もうまくまとまっていましたし、登場するゲストもノラ・ジョーンズやライアン・レイノルズが本人役で登場したりと豪華です。さらに上記したように内輪ネタともなりそうな、「懐かしのアノ人」が何人も登場したりと、それなりに楽しめる作りになっていました。

点数は★★★☆☆ですねぇ。お話も上手にまとめられていたし、エンディングも無理なく迎えられていたので、可もなく不可もなくといった点数にしました。残念だったのは内輪ネタが多すぎたのと、あの事件があまりにも簡単に決着がついてしまい、アッサリとしたところがマイナス点です。実写版トイ・ストーリーを観ているような感動をもう少し味わえたら良かったのでは?と思いました。

とにかく難しいことを考えずに気軽に観るにはピッタリの娯楽作だと思います。あ、お食事前の鑑賞はおススメしません(笑)

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ダイ・ハード/ラスト・デイ

2013年02月17日 21時46分15秒 | 作品名(た行)
第296回「マンネリは嫌いだけど、お約束は好きです。」
私がこのシリーズに出会ったのは、確か中学生か高校生の頃。我が家にビデオデッキが初めて導入され、レンタルビデオをとにかく片っ端から借りまくっていた頃。とにかくジャンル関係なしに洋画ばかりを観ていた中に「ダイ・ハード」はあった。特に観たかったわけじゃなく、とにかくアクション映画が観たかった。ところが映画を観終わった私はこう思った。「アクション映画とはこんなに面白かったのか!」と。私の中のアクション映画の概念を変えた「ダイ・ハード」。そんな作品の続編となれば、見逃すわけがない。今回の作品は「ダイ・ハード/ラスト・デイ」です。

数々の修羅場をくぐり抜けてきたニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーン。長年、疎遠だった息子のジャックがロシアで警察に拘束され、裁判を受けるという情報を仕入れ、身柄を引き取るためにモスクワへと向かうのだった。ところが、彼が裁判所の前までたどり着くと、突然の爆発。銃器を装備した男達が襲撃を仕掛けてきた。混乱に乗じて裁判所を抜け出すジャックに駆け寄るジョン。驚きを隠せないジャック。彼は父親に「帰ってくれ」と言い放つとその場から立ち去るのだった。息子がトラブルに巻き込まれているのを黙っていられないジョンは彼を追いかける。そして事態はさらに複雑な方向に・・・

この「ダイ・ハード」シリーズは上記したように、私にアクション映画の面白さを教えてくれた作品でした。でしたと過去形で語ったのは以前にこのブログで書いた「ダイ・ハード3に於ける個人的見解」を読んでもらえばわかるように、2作目まではシリーズと呼べる作りになっていました。時期はクリスマス。舞台は閉鎖的空間。まったく関係ない事件に巻き込まれるジョンとその家族。すべてのプロットをそのまま残せとは言いませんが、タイトルにもしたように、そのシリーズを代表する「お約束」は必要だと考えています。

作を重ねるごとにその「お約束」要素は影を潜め、もはや「ダイ・ハード4.0」ではほとんど違う作品と言ってもおかしくないくらいの仕上がりになっていました。ジョン・マクレーンというキャラクターは登場しますが、「ダイ・ハード」らしさは皆無でした。

この「ダイ・ハード/ラスト・デイ」に関してもタイトルとジョン・マクレーンは登場しますが、ただのアクション映画に成り下がってしまいました。では1つのアクション映画として観たらどうでしょうか?そう、無理に続編として考えないで・・・

そう考えてみたのですが、このブログを書くのにとても苦労しています。すごく面白いのか、すごくつまらないのなら、もっと筆も進もうというもの。映画を観終わった後にその映画の余韻みたいなものが無いのです。アクション映画としての面白さはそれなりにあった。お話も眠くなることなく最後までテンポは良かった。それなのにまた見たいとか、続編を希望するような気持ちが出てこない。それは評価が低いということなのでしょうか?

点数はファンとしての甘めの点数で★★★☆☆です。今作の事件があまり面白くなかったのと、悪役が魅力的なキャラクターではなかったことなどがマイナス点です。いい脚本が出来上がったわけでもないのに、名前だけである程度の集客が見込めてしまうためにシリーズが続いている悪い例を見ているような映画でした。

たとえ「沈黙の戦艦」にプロットを奪われてしまっても、3の段階で脚本さえ良いものが出来たならこのシリーズはもっとすごい作品になれた気がします。

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脳男

2013年02月10日 23時06分57秒 | 作品名(な行)
第295回「付いてるタイトルの意味はわからんが、面白そうだ。」
「脳男」というタイトルを聞いたときは「なんのこっちゃ?」と思った。しかし予告編を見る限りでは、かなり面白そうな作品だと思った。かつて不況だった映画業界も勢いを取り戻しつつあり、昨年は興行収入の半数以上は日本映画だったようだ。基本的に洋画しか観ない私もこのブログで紹介する作品に邦画が増えつつある。だがそれだけ駄作の数も多くなるというものだ。今回の作品「脳男」はどうだろうか?

都内近郊で無差別連続爆破事件が発生する。爆弾は被害者の体に巻き付けられ多くの人が集まる場所へ連れ出されてから起動され、たくさんの犠牲者を出していた。4件の爆発事件のうち、3件は犯人を批判したテレビレポーターや占い師など犯人に怒りを買った為に捕まえられたものと考えられた。しかし、それ以上の手掛かりが見つからないまま時間だけが過ぎていった。ある日、爆弾を作るのに使用された工具が特殊なものとわかり、刑事の茶屋は相棒と共に、購入者を全てあたっていた。するとある廃工場へたどり着いた時、中で争う声が聞こえ爆発が起こる。犯人のアジトだと確信した茶屋が飛び込むと、すでに犯人の姿は無く、そこにいたのは正体不明の男だけだった。鈴木一郎と名乗ったその男は犯人の一味と考えられたが、犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。担当となった精神科医・鷲谷真梨子は感情を表さない一郎に興味を持ち、彼の過去を調べ始めるが、やがて驚愕の過去が明らかになっていく。

かなり残忍な描写が多い作品なのでPG-12にもなっているように、観る人をかなり選ぶ映画であることは間違いありません。観終わった後にかなり陰鬱としたモヤモヤが心に残る作品です。作品としての見応えもあり、時間を感じさせない作品なのは脚本が見事だったのでしょう。

「罪」とは何なのか?「正義」とは?「贖罪」とは?と色々と考えさせられる作品ですが、その表現の仕方が決して万人受けするようにはなっていないので、嫌悪感を抱く人もいるのではないでしょうか。

犯人である緑川を演じた二階堂ふみは、まだ若いのに強烈なサイコキラーを見事に演じていましたが、これは持論なので賛否両論あると思いますが「サイコキラーに女性はいない」ということです。「踊る大捜査線」でも小泉今日子がサイコキラーを演じていたのですが、個人的には違和感を抱かずにはいられませんでした。もちろん商業映画ですから話題性などを考えれば、女優さんをサイコキラーに配するのはアリなのかもしれませんが、個人的には無しだと思っています。帰宅後、原作を調べると小説では緑川は男性だったと知り、原作のままで良かったのでは?とさらに思いを強めました。

点数としては★★★★☆です。お話が万人向けではないことと、事件の発端である最初の爆破事件がきちんと描かれていなかったこと。それらの理由でマイナス1としました。

それにしても、犯人を演じた二階堂ふみも、ある事件のキーパーソンとなる人物を演じた染谷将太も、「ヒミズ」以来引っ張りだこですねぇ。色んなところでお目にかかるので、「あれ?どの作品だったっけ?」と頭が混乱してしまうほどです。

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アウトロー

2013年02月03日 16時56分09秒 | 作品名(あ行)
第294回「名プロデューサー=名俳優?」
個人的にはそれほど評価は高くないのですが、コンスタントに作品へ出演し、しかも世界的に大ヒットを生み出し、いまやハリウッドを代表する俳優となったトム・クルーズ。アクションからコメディ、さらには重厚な人間ドラマまで、とにかく彼の出演している作品が公開されない年は無いのでは?と思えるくらい多くの作品に出演していますが、今回の作品「アウトロー」も彼を代表するシリーズとなっていくのでしょうか?

ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外で白昼に6発の銃声が響いた。5人の一般市民が犠牲になる無差別殺人事件が発生した。警察は現場に残された遺留品から犯人を元軍人のジェームズ・バーであるとして逮捕する。状況証拠は彼が犯人であることを示していた。裁判前に犯人であることを認めさせ、事件解決を早めようとする警察と検察だったが、彼は署名を拒み「ジャック・リーチャーを呼べ」という。聞いたことも無い男の名前に困惑する警察と検察。するとジャック・リーチャーを名乗る男が現れた。元軍人でジェームズと同僚だったという彼は独自に捜査を始め、狙撃のプロであるジェームズ・バーの犯行にしては遺留品や狙撃場所に違和感を覚える。やがて、事件の本当の目的がわかり始めるころ、彼にも危険が迫る。

トム・クルーズといえば今やハリウッドを代表する俳優さんですが、ブラッド・ピットやジョニー・デップほどスター性があるわけではないし、身長も高くない。(ファンの人には申し訳ない。)それでもこれだけ多くの作品に出演し、大ヒットを連発しているのはどうしてなのか考えました。彼の代表作でもある「ミッション・インポッシブル」を例に挙げると、彼自身がプロデューサーを務め、自分が主演を務めるのに適した脚本・監督を自ら用意している、しかもシリーズ化に適した作品を。それらの理由がこれだけヒットしている要因なのではないでしょうか。今回の「アウトロー」という作品も彼自らがプロデューサーを務め、しかもシリーズ化を狙える作品です。では、そんな映画の内容は・・・

正直、映画を観終わった後からわかったことなのですが、私が特に気に入っている映画「ユージュアル・サスペクツ」の脚本を担当したクリストファー・マッカリーが監督と脚本を務めていました。「ああ、あの人ならあれだけ見応えのある映画を撮るな。」と納得したくらいに、見事な作品に仕上がっていました。

無駄なプロットがほとんど無く、徐々に明らかになっていく事件の真相。さらにはトム・クルーズ演じるジャック・リーチャーの格闘シーンや迫力あるカーチェイスなど、時間を忘れてエンディングまでなだれ込んでいきます。特にカーチェイスシーンは、なんだか久しぶりに迫力あるカーチェイスを見た感じがしました。

「アウトロー」というタイトルから、法すら無視した荒くれ者が次々に犯罪者を殺していくみたいなイメージをしてしまいますが、ちょっと違う印象を受けました。原題は「ジャック・リーチャー」と主人公の名前がつけられていますが、これでは解りにくいと思った映画会社が付けたものでしょうが、「ランボー」の時のように成功したとは言い難い気がします。原題そのままでも良かったような・・・

点数は限りなく満点に近い★★★★☆です。もう少し犯人側に魅力あるキャラクターを配置してほしかったのと、事件の真相があまりにも簡単な理由だったことでマイナス1としました。それでもアクション映画としては素晴らしい出来になっていたと思います。

「アウトロー」というタイトルから一匹狼な印象を持っていた彼が応援を要請するキャラクターが登場します。名優ロバート・デュバルが演じているのですが、個人的にも好きな俳優さんだけに、続編への登場も期待してしまいます。

「アウトロー2 炎の約束」なんてタイトル付けないでくださいね(笑)

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