しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

ダンケルク

2017年09月11日 22時44分50秒 | 作品名(た行)
第436回「彼らしい作品だと賞賛すべきなのだろうか?」
基本的に戦争映画は見ないことにしている。それは「戦争」というものがとても救いの無い行為だからだ。戦う人々に理由はあれど、どちらが勝っても負けても、後味のいいものではない。「戦争」という名のもとに人殺しを正当化され、傷ついていく人々を見ているのは気持ちのいいものではない。それを映画というエンターテイメント作品にされても楽しむことは出来ない。ではどうして今夜の作品「ダンケルク」を見たのか?それは監督がクリストファー・ノーランだったからだ。好きな監督の1人である彼が、戦争映画しかも実話を基に描いたと聞けば、どんな作品に仕上がったのかとても興味があった。だからこそ嫌いな戦争映画を観るために映画館へと足を運んだのだった。

舞台は第二次世界大戦初期の1940年5月26日。イギリス、ベルギー、カナダ、フランスから成る連合軍兵40万人はドイツ軍に包囲され、フランスの北端にある港町ダンケルクに追い詰められた。イギリス首相のチャーチルは彼らの救出のためにイギリス国内から軍艦の他に民間の漁船やヨット、はしけを含む、あらゆる船舶を総動員した撤退作戦(作戦名:ダイナモ作戦)が発動された。しかし、遠浅の海岸のため巨大な軍艦が近づけず、少人数を乗せた小さな船で沖合で待つ軍艦まで移送を繰り返すというものだった。多くの兵士が海岸に長蛇の列を作り救出を待っていたが、そこにドイツ軍は戦闘機で攻撃を仕掛けてきた。果たして彼らは生き残ることが出来るのか?

映画は陸上の若い兵士、救出の為に小さな民間船で救出に向かう親子、空から戦闘機で救出を援護するパイロットという3つの視点で描かれていく。これがとにかく解りにくい。通常であれば、別の視点であっても同じ時間軸で描かれることが多いのだが、この作品は若い兵士のパートは幾度も夜になり、時間が数日経過しているのがわかるが、船と戦闘機のシーンはずっと昼間。それが幾度となく絡まり合いながら展開していくので、今自分がどの時間軸を見せられ、救出作戦がどのようになっているのかが、まったく理解できなかった。時間が進んでいるのか、戻っているのかが解らないために、緊迫感が伝わってこないのだ。

さらに物足りなかったのは海岸に集まった兵士の数だ。救出を待つ40万人の兵士と聞いていたので、どれほど凄い光景が海岸線に広がっているのかと思っていた。しかし、海岸線で救出を待っていた兵士達の数は多く見積もっても数千人。もちろん攻撃対象なのだから隠れていて当たり前だが、一度でも多くの兵士が無防備なままの状態で残っていて、生き残るための時間はあまり残っていないことを観客に見せていれば、もっと緊迫感があっただろうと思いました。

ネット上の記事などを見ると「史実」に基づき、現場にいた兵士と同じ気持ちになってもらうために余分な演出を極力排除したと書かれていた。しかし、観客はどこまでこのダンケルクでの出来事を知ったうえで劇場へ足を運ぶだろうか?正直、日本人である私はこの出来事を、ノーラン監督が映画として作ったことで知った。鑑賞語にネットで調べてイギリスやフランスではとても有名なエピソードであることを知ったくらいに、事前に情報を持っていないのだ。史実だから結末は解っているのだが、見る人間の全てがそうではないし、説明的な演出をせずに観客に説明することは出来たのではないかと思う。

それでも見応えはあった。セリフを極力省いた演出。ノーラン組ともいうべきキリアン・マーフィー、トム・ハーディーの演技。特に音楽のハンス・ジマーは見事でした。それらによって映像的には見事だったと思う。クリストファー・ノーランらしい作品だったというべきだが、私は素直に賞賛できなかった。結論として戦争映画はフィクションなのかノンフィクションなのかに関わらずエンターテイメント作品にはなり得ないということだ。事実をただ事実として描けばいいのならばドキュメンタリーを撮ればいいと思ってしまった。彼のファンである私が付けた点数は★★★☆☆だ。

冒頭からずっと気になっていたことがあった。それは冒頭で示された字幕。桟橋:1週間、船:1日、戦闘機:1時間というテロップがあった。それに意味があるのだろうが、一体何なのか?ずっと考えていた。その答えに辿り着いたのは家に帰って来てからだった。(正解なのかは解らないが)おそらく最初に書いた時間軸だったのではないだろうか?それぞれの時間軸がバラバラで解りにくいと書いたが、今更ながら冒頭にその説明があったのかと勝手に納得してしまった。

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1 コメント

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クリストファー・ノーラン (iina)
2017-10-26 08:37:07
戦争映画を観たくなかったけど、監督がクリストファー・ノーランだったから厭々映画館に足を運んで、やはり面白くなかったのでしたか( ^ω^)・・・。なんとも。

まぁ、それそれですね。(^▽^;)

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8 トラックバック

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