しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

神様のカルテ

2011年08月28日 17時25分35秒 | 作品名(か行)
第235回「櫻井翔が主演だからといって、アイドル映画ではありません。」

映画というのは観るタイミングによって評価を大きく変えてしまうことがある。とってもいい作品なのに、自分の理解不足の為に「駄作だ!」と感じてしまったり、自分の今の精神状態と合わない為に「つまらない!」と感じてしまうこともある。今回の作品「神様のカルテ」もそんな作品の1つだと思う。観る人の今の心境によって、傑作にも駄作にもなり得る作品なのではないでしょうか。(ちなみに原作は未読です。)

長野県松本市にある「本庄病院」に勤務する内科医・栗原一止は、当直となれば胸の名札は「救急医」となり、眠ることすらできない激務をこなす毎日だった。医局内では「引きの栗原」と呼ばれ、彼が当直の時に限って、なぜか救急患者が多いのだ。ある日、大学病院からの誘いで勤務をすると、高山教授から大学病院への誘いを受ける。大学病院での研究も魅力的ではあるが、それ以上に1人の医者として地方医療に携わりたい気持ちもあった。そんな時、彼の所に1人の末期がん患者が訪れる。

最初にも述べたように、この映画を嵐の櫻井翔が主演しているからという理由だけで観ようと思うと大きく後悔をすることになる。「嵐の翔ちゃんが出ているよ」程度の気持ちで劇場に行こうと思っているなら、今すぐ止めましょう。

この作品は大きく分けると2つのプロットが存在する。病院での出来事と、イチと妻ハルが暮らしている「御嶽旅館」での出来事の2つです。特に「御嶽旅館」でのお話は、わざと喋る言葉が堅苦しく、まるで文学作品を読んでいるかのように変化が付けられています。おそらく、仲間内でのお遊び程度の演出なのでしょうが、そういう言葉を使えば使うほど「御嶽旅館」での出来事や、夫婦の会話が異質に思えてしまって、なんだが別空間で起こっている出来事のように感じてしまいました。個人的にはそこが良いとは思えませんでした。現代劇のはずなのに、家に戻った時だけ昭和初期の風景を観ているような違和感に襲われます。なぜ2人がこんなところで共同生活をしているのかも描かれていません。

作品の点数としては★★★☆☆です。劇中で何か突拍子もない事が起こるわけでも、派手な演出があるわけでもないのですが、この作品全体に流れる雰囲気は決して嫌いではありません。ゆったりと腰を落ち着けて観るには良い作品だと思います。
だからこそ、主役は別な俳優さんが良かったと思います。ただ櫻井翔見たさだけではこの2時間はおそらく苦痛でしかありません。特に幼稚園程度の小さなお子さんを連れて観に行こうとしているお母さん。どうせ連れて行くなら、「ポケモン」や「仮面ライダー」にしてあげてください。

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櫻井 翔,宮崎あおい,池脇千鶴,加賀まりこ,柄本明
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シャンハイ

2011年08月21日 15時35分29秒 | 作品名(さ行)
第234回「ノンフィクションの中のフィクション」
さて、今夜の作品「シャンハイ」もそれほど観たいと思った作品ではありませんでした。「戦争」を題材にした映画というのはたくさんありますが、どの映画も悲惨で救いが無いので、観終わった後がとっても後味が悪いからです。戦争映画というのはエンターテイメントとしては成り立たないと思っているので、それほど率先して観てはいないのです。

1941年の上海。そこはイギリス、フランス、アメリカ、日本などが「租界」と呼ばれるなわばりのような地区を持ち、各国の文化が入り乱れた異様な都市となっていた。アメリカの諜報部員であるポール・ソームズは新聞記者を装って上海に潜入した。その目的は、古くからの友人である同じ諜報部員のコナーと会うことだった。しかし、彼はその前夜に何者かの手によって殺害されてしまう。親友を殺されたポールは犯人を捜す為、独自に捜査を始める。中国人実業家アンソニーとその妻アンナ。日本軍大佐タナカ、最後にコナーと会っていた日本人娼婦スミコ。混沌する上海でそれぞれの思惑が交差していく。

ではそれほど率先して観ない「戦争映画」をなぜ観ようと思ったのか・・・それは、渡辺謙の存在をおいて他にはありませんでした。過去にもハリウッド映画に出演した日本人俳優はいましたが、彼ほど多くの作品に出演し、重要な役を任され、順調にキャリアを伸ばしている日本人俳優は他には思いつきません。同じ日本人として彼の活躍にはとても注目しているのです。この作品でも悪役ではありますが、重要なキャラクターを見事に演じていました。それを観るだけでも嬉しくなってしまうのは私だけでしょうか?

一方、映画としての出来はというと、★★★☆☆といったところでしょうか。予告編で太平洋戦争前夜に起こった驚愕の真実とは、なんて煽ったCMだったので期待していましたが、それほどビックリするような内容ではなかったし、お話は中心であったはずの「犯人捜し」から、戦争に翻弄された悲恋にいつの間にか転換してしまいました。そしてあまり盛り上がる事もなくエンディングという感じでした。

鑑賞前に想像していた「戦争映画」ではなく、サスペンスを少し交えた恋愛映画といった感じの仕上がりで個人的にはあまり好きな映画ではないかな。それでも出演している俳優陣も豪華で、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファ、菊池凜子、コン・リー、これほど多くのアジア人俳優がガッツリと出演している作品は珍しいのではないだろうか。

できれば、菊池凜子扮するスミコをもっと登場させてほしかったのと、太平洋戦争とこのお話がもっと絡んでいたら面白い作品になったのではないかと思っています。それでも太平洋戦争というノンフィクションに上手にこのフィクションを絡めていたのではないでしょうか。

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ツリー・オブ・ライフ

2011年08月14日 16時20分24秒 | 作品名(た行)
第233回「賞賛は時として難解な作品に贈られる」

この作品がカンヌ映画祭でパルムドール(最優秀作品賞)を獲得していなかったとしたら、おそらく私は別の作品を観ていたでしょう。それにしてもこんなに観たい作品の少ない月は珍しいですね。今夜は「ツリー・オブ・ライフ」を鑑賞してきました。

通常であれば、ここの段階で簡単なあらすじを紹介してから映画の感想に入るのですが、この「ツリー・オブ・ライフ」という作品のあらすじを表現する適切な言葉を私は持ち合わせていません。それはテレビで放映されている予告編を観ても同じことが言えるのではないでしょうか。

ある家族の物語であること、父親をブラッド・ピットが演じ、成長した息子をショーン・ペンが演じている。テレンス・マリックが監督をし、カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した。これがこの映画を表す全てだと思います。それ以上でもそれ以下でもない。

冒頭はある人物の死から始まります。そしてすぐに不可解な映像が数十分に渡って流れ続けます。まるでそれは「ネイチャー・ドキュメント番組」を観ているのと勘違いしてしまいそうな・・・火山、海、地球、木々、そして恐竜まで、観ていた私は「あれ?これって何の映画だったっけ?」と考えてしまうくらい。

そして、再び家族の話に戻ります。自己中心的で威圧的に家族に接することしかできない不器用な父親、それに不満を感じながらも何も言えない貞淑な母親、思春期を迎え父親に反発する息子。どこにでもいそうな平凡な家庭像。いつくもの出来事が起こりますが、それが映画の結末にどのように影響を及ぼしたのか、まったく理解できませんでした。

そして、エンディング。あの時間軸や設定を無視した、人々が集まる映像は何を表現したかったのか?あの家族は?ストーリーは?

上映時間である2時間20分の間、私が眠気に襲われることなく最後まで映画を観ることができたのは、この抽象的な映像の中に何かしらの答えが存在するであろうと期待したからでしょう。しかし、凡人である私にその答えを見つけることは出来ませんでした。

点数は★★☆☆☆です。万人向けに作られた作品ではないところと、私が理解に苦しんだ事でこのような点数になりました。
私の個人的な考えですが、映像以外で誰かに補足してもらわなければ理解できないのであれば、それはいい映画とは呼べないと思います。

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カーズ2

2011年08月02日 00時02分53秒 | 作品名(か行)
第232回「このお話の主人公はメーターでした。」

今週はどうしても観たい作品が2本も同時に公開されるという悩ましい週でした。で、どうしても観たい私は「トランスフォーマー3」を金曜日、「カーズ2」を土曜日と強行軍での鑑賞となりました。どっちか1週ずらしてくれればいいのに・・・というわけで「カーズ2」を鑑賞してきました。車が生きている世界というちょっとおかしな設定に馴染めたもん勝ちの作品です。

物語は石油に代わる資源燃料「アリノール」を使い、その優秀さを証明する為のレース「ワールド・グランプリ」が日本、イタリア、イギリスの3ヶ国で開催される。そのレースに招待されたライトニング・マックイーンは親友であるメーター達とチームを組んで参加することになった。ところが、その裏である組織が「アリノール」の評判を落とそうとレースを妨害する計画が進められていた。その情報を掴んだイギリスの諜報部員フィン・マックミサイルは犯人を見つける為、ひょんなことからメーターをスパイとして組織に潜入させることを思いつく。果たしてレースは無事に開催することができるのか?

ワールド・グランプリとスパイアクションの2つのシークエンスが存在する今作ですが、主役は前作でとても人懐っこいキャラクターだったレッカー車のメーターが大活躍するお話でした。正直、マックイーンもワールド・グランプリもすっかり脇に追いやられてしまい、スパイアクション映画としてお話は展開していきます。

レースの結果そのものなど、まったく盛り上がらないのですが、それを補って余りあるくらいスパイアクションが見事に描かれています。冒頭の油田でのカーアクションから始まり、終盤のイギリスでのシーンなどキャラクターが車である意味を前作以上に見せつけてくれます。カーアクションってどうしてあんなにワクワクするんでしょうか?

それでも多少テンポが良すぎて、物事が簡単に進んでしまった点や、事件がアッサリ解決してしまうところなど、もう少し脚本を練ってくれても良かったのでは?と思うところもいくつかありました。どちらかといえば子供の観客に向けての作品なので仕方がないかもしれませんが・・・

点数は★★★★★です。本来なら4点ですが、ピクサーファンである私には満点を付けさせてください。メーターの意外な能力も観ることが出来て、「お、意外とやるじゃん!」なんて微笑んでしまいました。是非、夏休みにご家族で観に行ってください。

同時上映もお見逃しなく。まだまだ彼らの活躍を観ていたい気持ちになります。

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